連帯できねぇんだよ 〜私がザウルスを棄てた訳(2)
ちょっと昔話を。
前まで使ってたザウポケ、今ならオークションとか駆使することで1万切って買うことができると思いますが、私が買ったときはそれこそ発売直後だったと思います。確か5万円以上はしたんじゃないかしら。今のソニパ並の値段です。
それでも買った当初は「おぉ安くなったもんだなぁ」という感想を抱いてました。だってそれこぞ以前のシリーズには平気で7〜8万円、時には10万円以上するなんて機種もありましたから。
まぁ当時はポケボもiモードも存在しませんでしたし、たかだかメール読むためだけにノートパソコン持ち歩いてしんどい思いするよかよっぽどいいや、つー訳で購入に至った訳なんですね。ノートパソコン買えるような資金力もありませんでしたし。
事実、メール端末としてはこれでもかといわんばかりに酷使しておりましたし、Visorを手にした今でも、メール端末としてはザウポケが現役機種です。
繰り返します。メール端末としては。
その他の機能に関しては、すべてVisorに切り替えました。現在ザウポケは内臓10Mのメモリがすべて読後メールのストック領域と化しております。
なんでこんなことになってしまったのか。その辺の顛末をば。
確かに当時、5万という価格は昔から比べれば安くなったとは言え、絶対的に安いとはお世辞にも言えない値段だったと思います。現に購入直後1ヶ月、お昼は家で作ってきたおにぎりのみという赤貧生活を強いられましたから。どんな経済力なんだ俺は(笑)。
となれば、やっぱり欲は出てくるもんです。「せっかく5万も払ったんだ。もっと他のことやってみたいよな。」考えてみればこれがすべての過ちの元でございました。
当時からザウルスにはこれでもかといわんばかりの機能をたんまりと詰め込んでおりました。スケジュール、アクションリスト、アドレス帳といった基本PIMは当然のこととして、その他にもEXCEL・WORDが呼び込めるワープロに表計算、パーソナルデータベース。もちろん普通のテキストファイルや画像なども取り込み可能。いたせりつくせりってヤツでした。
まぁEXCEL・WORDなんかはどーでもいいとしても(私は当時からアンチMS-OFFICE)、パソコンからいろいろ取り込めるってのは嬉しいよな。手書き入力で散々痛い目を見てるだけに、これができれば機能的にも補って余りあるものがあるぞ。
という訳でいそいそとパソコンとの接続ケーブルを買ってきた訳ですよ。なんか踏んだらすぐにひきちぎれそうなケーブルに8000円出して。
せこせことパソコンに接続して、専用ソフトインストールして、いろいろと試して。
キレましたね。ブチ切れました。この時初めて「金返せシャープ!」と心の底から思いましたです。
その原因。余りにも、パソコンからザウルスにデータ送るための制約条件が厳し過ぎたんですな。厳し過ぎて使い物にならなかったんです。
まず前述した通り、ワープロや表計算関連はWORDやEXCELが必要。私はMS-OFFICE製品にはなんら製品価値を認めていない(タダでもいらない)人間なので、当然ソフトも持ってませんし、違法インストールもしていません。あんなもんHDDに入れてたところでハードディスクのゴミ。もしくはウィルスの巣窟。
メールやスケジュール、住所録等にに対応しているのは同じくMicrosoftの公害ソフトOutlook(えっと、こう書いてるけど、どっちだったけな、メーラーだけじゃなくってスケジュールとかも全部ひとつでできる方)。こんなもん使う位だったら舌噛んで死ぬ。
要はこれらのソフトがないと、パソコンからザウルスにデータ送ることも、その逆もできない訳。
でもまぁこの辺は早くから諦めてました。カタログスペックとかから予めできない、ということはわかってましたので。
ところが、話はここで終わらなかった。
なんとザウポケではCSVのインポート・エキスポートをサポートしてくれなかったんです。昔のPIシリーズではデータ形式がどんなんであれ、必ずCSVをサポートしてくれたらしいのですが、ザウポケでは仕様から削除されている。
テキストファイルもそのまま転送できない。ファイル上限が厳し過ぎ。一度テキストをリッチテキストに整形し直して送り直さなきゃいけない等の手間を強いられる。
極めつけはデータベース。付属のソフトではサポートされておらず、後程シャープのサイトで対応ソフトダウンロードしてみたら、「ACCESS95にデータを作成した後、このコンバータを使用してザウルス転送用のデータを作成してください」当然ACCESSなんか持ってない・・・。
ブッ殺すぞシャープ!!!
・・・・・・となった訳ですな。何をやるにしてもこれが無いとダメあれが無いとダメ。これやっちゃダメあれやっちゃダメ入るのはここまで。今覚えてるだけでもこれだけあったもん。細かく探せばもっと出てきたはず。
この壁をぶち破る気力体力はありませんでしたね。結局昼飯代削って買ったケーブルも、ただのゴミと朽ち果てた訳でございます。その後この怒りが私を「ザウルス罵倒過激派」に傾かせたのは一部の方はご存知ではないかと(笑)。
で、フォロー入れておきます。今のザウルス(アイゲッティ等)ってさすがにここまでひどくはないです。調べてみると解りますが、むしろかなりまともになってます。相変わらずマイクロソフト製品への偏向はありますが(この時点で私は食指動かないのですが、こうゆう需要があるのは素直に認めます)、CSVやTXTといった汎用フォーマットも対応させることが可能(だったはず)。現在では「ザウルス買ってもたー金返せー」とまではならないと思います。
でも、今の全体的なマスコミの風潮やWebの反応は明らかにPalm偏向が強いです。私もこれに拍車をかける訳ですが。
今を思ってみるとこの時代のタコ仕様とかが、今のPalm偏向を産んでるんじゃないかなぁ、とか思いますね。
このザウポケが出た当たりからアイクルーズが大失敗するまでの期間って、いわゆる「ザウルス暗黒期」なんですよ。昔ながらのザウルスユーザからすれば消してしまいたい過去なんです。シャープがあまりにも仕様をクローズドにして、使い勝手を強制してしまったがために、古いユーザから新しいユーザから、みんながみんなシャープを見捨ててしまった(私もその一人)と。それらのザウルス難民がPalmという安息の地を得て、「母上の恨み〜」と言わんばかりにザウルス糾弾を繰り返してる、という側面は絶対にあると思います。その筆頭が私なのかも(笑)。
実際、客観的に頭ン中では理解はできるんですけど、感情的な部分ではまだ「ザウルスはもうコリゴリ」というトラウマは残ってますよ。その意味では私、まだシャープ憎んでるんだと思いますね。
しかも私も、現在はPalm環境に思いっきり安住させてもらってますから、もう一生ザウルスに金払うことはないかもしれません。私みたいなユーザって多分いっぱいいるはず。
つー訳で、次回はこうゆうユーザ離れを起こしてしまった根本、ザウルスの持っているクローズさ加減について指摘しておこうと思います。
次位でまとめたいなぁ、って考えて書けよ俺。