開放できねぇんだよ 〜私がザウルスを棄てた訳(3)
今回でいい加減まとめたいな。これ以上書き散らしてもザウルスユーザにいらん喧嘩売りかねんし。それはわすも望んでないし。
私がザウルスに馴染めなかった理由として「手書き入力に馴染めない」「データ連帯ができない」の2点を挙げましたが、実はこれ当たり前のことなんです。
というのも。そもそもザウルスの設計仕様そのものが、私の需要とクロスしてなかったんですな。
どうゆうことか。いたって単純。
「ザウルスはそれ単体で使用されることを前提としていた」
つーことなんですよね。考えてみりゃ簡単な話でして、ザウルスが出てきた当時って、パソコン自体高嶺の花。パソコン通信自体も一部のマニアの遊び道具でしたし、そもそもひとつのデータを複数のプラットフォームで共有しようなんて考え自体がなかった。
だからこそザウルスは入力から出力まですべてをペンと液晶画面だけでこなさなきゃいけなかった。逆を言えばそれさえできればあとはどーでもよかったんですな。そうゆう需要が無かった訳ですから。そりゃできる訳がねぇやと。
当時はそれでも大多数の人は満足して使えてた訳で。ただ、今をして思うとこの「ザウルス単体」という考え方にこだわり過ぎてしまった、そこに私がザウルスに馴染めなかったひとつの理由があるんじゃないかな、と思ってます。
「とにかくこれは便利なんだから使え使え使え」の押し付け。機能つければつける程それは使えるんだ、の固定概念。思えばこれが解った時だったと思います。完全にシャープザウルスを「諦めた」のは。
そこからさらに時代は流れました(つってもせいぜい1、2年か(笑))。もはやPDAの価値はザウポケの時代からは一世代も二世代も進化しています。今パソコンが従だの主だのと言った話をしても「古い話だ」と鼻で笑われるのがオチでしょう。がんがん技術は進歩してます。いつまでも後ろ振り返ってもしょうがない。
ただ、世の中技術だけではどーにもならんこともある。今回はこの事改めて書き残しておきたいんですな。よーやく本題。
もともとPalmが強みとして持っていた部分に「膨大な数のPalmwere」というのがありました。で、私がザウポケを使ってた時には「いいなぁ」と指を加えて眺めているしかなかったんです。ザウルス(MI系)にはmoreソフトという機能拡張機能があるにはありますが、実際世に出回ってたのはシャープ中心に提供されてる、せいぜい数十種類程度のソフトしかありませんでした。
なぜこんな差が開いたのか。理由は簡単。
シャープがmoreソフトに関する仕様を徹底的に隠蔽してたからです。PalmがとっととデベロッパーにSDKから何から公開したのとはえらい違い。
確かに当時もmoreソフトを開発することは可能でした。ただしその為にはシャープからデベロッパー登録を受け、開発環境パッケージ(SZAB)を購入しなければいけませんでした。その値段8万円。しかも原則企業販売のみで、個人向け販売は無し。
ユーザさんの中にはシャープに押しかけて頼み込んで売ってもらった方もいましたが、それはあくまで例外、かつエキスパートにのみ許された行為で、大多数の「プログラミングでもやってみようかなぁ」的なトーシロにとっては指を加えて眺めてるしかなかったのが現実でした。
当時なぜシャープがこんな販売方針を取ったかは、いまだにザウルスユーザの間でも首を傾げている人間が多いです。現にザウルスがPI系中心だった時には今のPalmwareのような雰囲気があり、個人が自由にかつ活発にADDINソフトを配布したりしてましたから。何故にMI系になった途端、仕様をクローズにしたのか、クローズにすることで利益の囲い込みでもするつもりだったのか・・・。詳細は所詮わてら個人にはわかりません。
ただ、こうゆうやり方をすることでPalmとザウルスには致命的な差が生じました。ユーザが自由に中身をいじれない「暗黒期間」の間に、Palmとザウルスのソフトの質と量の差が開き過ぎました。自分の好きなようにさっさと機能のより好みができるPalm、あくまでシャープから与えられた環境しか使うことのできないザウルス。どんどんこの差が広がっていった。
もうこうなると結論は言わずもがなですよね。有志ユーザでああしようこうしようという現実突破手段が乏しいから、結局は「お上」シャープに提供されるのを待たなきゃいけない。それに不満持ったりじれったく感じたりして、次第にザウルスから心が離れていく・・・そんな状況は確実にあったと思います。
さすがにシャープもヤバいと思ったのか、現在ではSZABを試用版という形で事実上ユーザに無料配布したり、moreソフトコンテスト開催したりと、デベロッパー方面へのサポートもだいぶマシになってきています。
ですが。まだまだ、完全なオープンと呼ぶには程遠いというのが私の見る正直な印象です。ユーザ側でのノウハウ蓄積が未成熟な状態なのにシャープ側が「道具は提供したから、あとは勝手にやって」と突き放してる状態になってしまっているんじゃないですかね。そうゆう意味で「古き悪き」企業体質はいまだ健在なのではないでしょうか。変わろうと頭ではわかってるのに、体が心がついていかない。こんな状態ではないでしょうか、今のシャープって。
こうゆう状況を見てると、ザウルスがこの点でPalmに追いつける追い越せる日が来る可能性が、限りなく0%に見えちゃうんですな。
今シャープはPIM的な使い方からコンテンツ主導型にシフトしたな売り方を見てても「てめぇらみたいな馬鹿にユーザ喜ばせられるようなコンテンツなんか作れるんかよ。一介のトーシロがが作ったモンの方が百倍面白いんじゃねぇのか?」という根本的な不信感がどうしても払拭できないんです。特に私のような「ザウルス難民」にはこう思える方が多いのでは。
ある意味これって、数ある不平不満の中でも最もやっかいなものだと思いますよ。現に今の私、現在のザウルスコンテンツ眺めてみても、一厘の魅力も感じることができませんから。完全に色眼鏡かかりまくりなんでしょうね。これらのマイナスイメージを払拭させるために、シャープはあとどれだけ大きな代償を払わなければならないんでしょうね。
もしくは代償を払い終える前に「過去の遺物」として捨て去られてしまうのか。
正直な話「とっとと消え失せろバカ、せいせいするわ」という気持ちもある。その一方で「このままじゃユーザが哀れだろ。俺はともかく、今でもザウルス大事に使ってくれてるユーザもいるんだからいい加減しゃんとしやがれボケ」つー気持ちもある。
複雑なもんですわね、ユーザ心理って。
私自身の心は既にザウルスから完全に離れてますし、戻ろうとも思わないのも事実ですが、じゃあだからといって今までザウルスを便利だと思ってたユーザさんをすべて「ハズレ商品だったんだから諦めろ」と切り捨てるのはあまりに薄情なんじゃないかな、と思うんですわな。
人の使い勝手なんてそれこそ千人千色なんですし。「どれにしようかな」考えた結果としてザウルスが存在する必要性はあると思うし。それぞれの選択肢があっていい。
「自分にとっては」格段に使いやすいVisorを操作しつつ、そんなことも、考えるんですよねぇ。
つー訳で。まぁざっくばらんではあるのですが、なんでわすがザウルス(というよりはシャープ)を見捨てたか、書き連ねてみました。いろいろと気分害する表現もあったと思います。この点は素直にお詫び。
これ書くことで自分の中でも整理したかった点もありましたのでね。まぁ大目に見て頂ければ幸いです。
さて。んじゃこれにてもう過去の話オシマイッ。もう続編は書かないぞ。次からはおバカな話いっぱい書くぞー。おー。
ってなんか趣旨変わってない?