逆説的Progect Manager活用法。(2)


 つー訳で前回は肝心なところで区切ってしまい申し訳ありませんでした。これ見て少しでも「早く続き読ませろー!」と思ってくれれば書き手冥利に尽きるんですけどね。世の中そんなに甘くないんだろうなぁ。世間様はいつも私に冷たいって何を言ってんだ俺は。

 そんな前振りはともかく核心に触れることにしましょう。どうやって個人がProgect Managerを使って無駄を減らすか。

 とは言え、実は操作的な面では特に注意する点はないです。普段ToDoを使っている時と同じような感覚で、

 こんだけ。何も変わらんなホントに(笑)。何が違うんだと詰問される前に何が違うのか説明しておきましょ。

 プロジェクト管理をしようと思った時の最初のつまづきって、実は「いきなりすべてのタスク項目を入力してしまう」、ここにあるんです。

 ほら、これお読みの皆さん、初めてPalmを手に入れた日今後1ヶ月のスケジュールやら知り合い全員のアドレスやら、ムキになって入力して、できてから悦に浸りませんでした?

 実はこれと同じことをプロジェクト管理でやってしまうのは非常に危険なことなんですね。

 というのも、プロジェクト管理の場合、今の入力時点では「このタスクは本当にやるべきことか」の判断ってのはつかないんです。何ヶ月も経ってから、「あぁ、こんなことやってたけど全然違ったんだなぁ」なんてのはよくあることでしょ。

 こうゆう本当にやるべきことかを検討しなければならないことであっても、こうやってタスクに入れてしまうと、無意識の内に「やらなきゃいけない」に摩り替わってしまうことが往々にしてあるんです。

 これ、プロジェクト管理やる人がよくやる最初のミス。しかも、これが後々まで大ダメージを与えることもしばしば。

 ですので、使い始める前にダダダーッとタスクを入れきってしまうのは正直あまりお勧めしません。疲れますし。

 でも入力しなきゃ管理もクソもないのは確か。じゃあどうするか。

 まず、事前入力(本来のToDoに当る使い方)は、「これやらないとクビになる」「これやらないと誰かが死ぬ」みたいな、本当に重要とわかりきっているものだけをProgect Managerから行います。これらはToDoとリンクさせておき、終わった時点でどっちか使って完了フラグを立てればいい。

 ですので、始めた直後はせいぜい親ツリーがひとつかふたつに子タスクが数個という、見るも寂しいツリー構造に留まるはずです。

 で、こっからが肝心なのですが、日々完了したタスク・進捗に進展があった項目はその日の内にProgect Managerに入力して、かつ完了としてしまいます。

 何ヵ月分ものタスクをいっぺんに入れるからしんどいのであって、それこそ日記をつけるように、しかも既に終わったタスク一日分をちょこちょこと追加するだけなら、Palm単体でも十分入力には耐えられるでしょう。それこそ終業5分前や帰りの電車の中で付けるように習慣化しておけばいい。

 その際、できれば本来とは関係ない「海山商事にお使い。書類を届けに」とかの細かい雑用とかも、一緒くたに入力してしまえばなおベストです。

 ここでピンと来た方もいるのではないでしょうか。そです。要はProgect Managerを日誌にしてしまうんです。幸いにして、Ver2.0から完了項目に日付を追加することができるようになりました。これを使わない手はない。

 やらなきゃいけないリストってのは標準のToDoなりDataBK3なり予定表+なりに任せてしまえばいい。Progect Managerは「やり終わったことリスト」として日々蓄積していくんですよ。

 それを1週間、1ヵ月と続けていけばどうなるのか。立派な「過去実績データベース」が構築されているはずです。目的別にどんな作業をしたか、それはいつ終わったか。やらなきゃ死ぬはずなのに放置されている(=やらなくても死なない)タスクはどれか。等がかなりわかりやすく並んでいるはず。

 これらを基に、じゃあどの部分に省力化のメスを入れていけばいいか、を考えていけばいいんですよ。

 同じようなこと毎日してるんだったら、それを何日かに1回の頻度にできないかを考えるとか。上司に「あれ、いつになったら出来るんだね、困るじゃないか」と言われたらいかに雑用押し付けられてるかをこれ使って反論するとか。

 この実績リストってのは、本物のプロジェクト管理者にとっては、自分の推測と実測値の誤差を見極める格好な資料になりますので、見せてあげたら泣いて喜ぶはずです。自分もシアワセ、周りもシアワセこれがイチバンですよ。なお、「余計なことすんな」と舌打ちするようなヤツはプロジェクト管理者の皮を被った馬鹿ですのでとっとと射殺するが吉。

 ふと思い浮かべただけでもこんだけ出てきましたので、その他にも案外様々な用途があるのではないでしょうか。

 ま、何にせよ、こうゆう類の管理ツールってのは所詮は「手助けをするツール」にしか過ぎない訳で。人間様がツールに合わせてやる必要性なんかゼロってことなんでしょう。

 管理ツールに下手に手を出して却って仕事増やして泣くよりも、「アンタは所詮ツールなのよ女王様のために奴隷となって働きなさい!おーほっほっほっ!!」とやってた方が心理的にもいいってことなんでしょうな。ぴしっぴしっ。

 またそのオチかい。ぴしっぴしっ。いたたたた。

(この項次回につづく。しつこいよ意外と。)


新着順 分類別
TOP