ATOK for Palm弄り倒し
唐突なんですが。ATOKを買いましたですよ。
事の発端は一太郎の新発売時に必ずやってくるアップデートの案内ハガキでした。一番始めにWinマシンを買った時、ついてきたバンドルの一太郎を、いまだに使い続けてるんですな私。ちなみに現在の最新バージョンが15なのに対し、私のは8(笑)。これ使ってるのって今日本に何人いるんだ?
だってさぁ。もともとワープロ使う機会自体、年に数回位だしさぁ。仕事ではWord使うけど、あくまで仕事だけですしねぇ。99%以上の文章はエディタで十分でしょ。やむおえない理由でフォントサイズいじったり飾りつけなきゃいけない時に、それができれば十分なんですから、何も最新バージョン常に使わなきゃいけない理由もないし。
なので今回も見送りかなぁ、と思ってたのですが、ちょいとひっかかることがありましてね。普段パソコンで使ってる方のIME。
今までずっと使ってたのが一太郎8についてきたATOK11。私いままでずっとこれを使ってたんですけど、最近マシン変えたりした関係なのか、なんか誤動作することが多くなりましてね。辞書ロストしたり強制終了(普通IMEが強制終了するか?(笑))したり。
という訳でWeb見て調べてたんですわ。うーん、一太郎のアップグレード版で8000円かぁ、やっぱ安くはないなぁ。実質上必要なのはATOKだけでオマケに一太郎がついてくるって感じだもんなぁ・・・。ATOK単体の値段は9800円か。こっちの方が高いやん(笑)。こっちもアップグレードはあるけど、これはATOKそのもののライセンス必要だしなぁ・・・。こんな感じで。
そしたらキャンペーンの欄にこんな記述が。
ATOK for Palmの発売を記念して、Windows版+Palm版のスペシャルパッケージを発売すると。お、これいーじゃーん。まともに両方買えば15000円位しちゃう訳だし。まぁPalmでの入力変換はそれほど期待していないのが実情だけど、あればあれば使えばいいし、なければないで罵倒すればいいし。をい。
という訳で珍しくびびっと来たものがありましたので、発売日の3/8に購入してきました。たまたまこの日有給取ってたというのもラッキー。ちなみに定価が11800円だったのに対し、売価は9800円でした。やっぱ店売りの割引はおいしいわーね。ちなみに購入時点での脳内価格設定、Win版:9000円、Palm版:980円。なんかえらい得した気分(笑)。
んじゃさっそくインストールしましょうかねぇ。とはいっても何か特別な操作が必要という訳でもなく、他のPalmwereと同様にインストール設定してぇ、HotSyncしてぇ、終わったらマニュアル通りに名前設定してぇ、でトラブルも特になくあっさりと終了。
(実はインストール前に空き容量確保するためにどのファイル消すかで 散々悩んだのですが、またそれは別のお話^^;;;)今回のATOK for Palmには、ふたつの目玉が存在します。ひとつは従来からあった手書き入力機能。もうひとつが満を持して、とでも言うべきか。グラフィティエリアでのひらがな入力。んでは順番に試してみましょう。
★手書き入力
従来版ではひとつしかなかった入力ボックスがふたつに増えたことで、認識効率が格段にあがったとのこと。うーん私、かな入力に関してはザウルスですっかりトラウマになってしまったからなぁ・・・まぁいいや。とりあえずやってみます。
「今日はみんなでハイキングに行きました。お弁当にはおにぎりを食べました。」こんなん入力。
で。こんなん出ました。
「今日はみんるでハイキングに行きまレた。お弁当にはおにぎノさ食べまレた。」
うーむ。漢字の変換効率はそこそこ合格点かな。まぁ漢字認識の特性上当然のことなのかもしれんが。鏑木ビルの読みがわからんけど書きたい時なんかには有効かも。
ただ、日常メイン入力に使えるかといったら、私は×つけます。ポイントは2点。
ひとつはザウルスとかにも共通する弱点なんだけど、悪筆であれば悪筆であるほど、ひらがなカタカナの認識正確性の早さが、そのまま入力スピードに直結する点。普段の日本語の場合、全体の漢字は多くて2〜3割。残りはひらがなカタカナですからねぇ。正直私にはこれはストレスにしかなりませんでしたな。えぇ、折り紙付きですとも、私の悪筆は(笑)。
もういっこ。これはあくまでVisor Deluxeという、今となっては旧機種だからということなんですが。
遅ぇぇぇぇぇぇぇぇ(笑)。
連続して書くと「あ、考えてはる考えてはる」とVisor応援したくなる位遅いです。まぁしゃーないわねぇこればっかりは。今のm50xとかCLIEなら、こうゆうのは発生しないでしょう。うむ。
★ひらがなGraffiti入力
んじゃ気を取り直していくべ。今回のホントの目玉。グラフィティひらがな入力。同じ文章を書いてみましょう。敢えて誤認識は直してません(漢字変換できたのは正しく入力された証拠)。
「きょづはみんるでハィキングに行ききした?お弁当にはおごぎ?さたべきしだ、?」
・・・・・・。
えっと。すいません。一言いいですか?
メガホン電源オン。音量最大。
俺には使えねぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!
俺には、ってのがポイント。
まぁ変換率とか細かいことはいいねん。むしろこちらの方はVisorでもまぁ許容範囲内の速度で動いてくれて、この辺ジャストシステムはムキになってチューニングしたなというのもよくわかるだけに、こんな事言うのも心苦しいんですけど。
ホントすいません。俺これはダメだ。完全に×。
まずねぇ、どんだけ頑張ってもこれを認識してくれないんよ。「。」←これ。モーニング娘。の略称につけ忘れると即座にモーヲタに袋叩きにされるというこれ(嘘です)。一回「。」出すために30回はエリアに丸を書きましたよ。それ位シビア。多分「まる」って単語登録した方が早いぞ、俺の悪質だと(笑)。
あともういっこ。これもあくまで私の問題なんですけど。
例えば「こんにちはきょうはいいおてんきですね」と書こうとするじゃないですか。そん時に脳内に思い浮かぶ単語は完全にローマ字になっちゃうんですよ。「konnnitihakyouhaiiotenkidesune」ね。完全にキーボードに慣れ過ぎちゃった悪影響。これをPalmに書こうとした時にあらためてローマ字をひらがなに脳内再変換しなきゃならん訳で。
これねぇ、想像以上に耐え難いストレスでしたわ。5分で挫折。
なので改めて言いますけど、万人に使えないという訳でもないと思うんですよ。これからPalm触ってみようと思うけど、Graffiti覚えるのもなんかおっくう、って人にはそれなりに役に立つと思う。
でもね。既にパソコンのキーボードとかでローマ字変換に慣れてる、という方の場合は、間違いなくGraffiti覚えた方が早いです。これ触って確信しました。ローマ字バンザーイ!アルファベットバンザーイ!!
落ち着け>俺。
★普通に使う。
ええい!漢なら小細工に頼るな!正面から強行突破だ!死して屍拾う者なし!
だから落ち着け>俺。
という訳で普通に使ってみました。従来の英字Graffitiで、変換だけにATOKを使用して書き書き。
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・(^^)。
顔文字で表現すんなよ俺。いやねぇ。やはり時代はシンプルイズベストですよこれ。
今までPalm標準の辞書と変換に慣れきってて、かつそれほど入力にこだわってる訳でもなかったからそうは思わなかったんだけど、やっぱ違うなぁ。
簡単な変換なら、まぁ大抵は一発変換してくれますね。さすがここがジャストシステムの生命線なだけのことはありますです。これがダメになった瞬間、ジャストシステムは滅ぶ(笑)。
で。PDAの入力って、スケジュールにせよTODOにせよ、入力する絶対的な文字数って少ないじゃないですか。「加藤係長ミーティング 第3会議室」とか。こんなもんでしょ?でたかだか十何文字かを打つのになんでこんなことせなあかんねんキーッ、ってのが随分と解消されるんではないかと。
あと「これはPoBoxのパクリですか?」と聞きたくなるような(失礼)、数文字で推測変換してくれる機能もかなりグッド。まぁこちらの方はあくまでここ最近の履歴を追ってるだけに過ぎないですので、単純な比較で終わらせるには若干まずいのですが。それでも正直これがVisorで使えるとは思ってなかっただけに(スピードの面でね)、ここに来てようやく面目躍如という感じですな。
やっぱりメインはこれなんだよ、と。他の手書きとかはあくまでサブなんだよ、という印象を強烈に感じましたねぇ。
★総評
という訳で、じゃあ結局ATOK for Palmはどうなのよ?という話になるのです、が。
まず購入対象を絞りこんでみましょうか。
- 入力に対する手間は省きたい
- けど、PoBox辞書作るような手間は割きたくない
- 手持ちのデバイスにATOK(旧バージョン含む)がバンドルされていない
- 標準インストールに必要な約3.1M(余裕もって4M)が確保できる
- 手書きが少々使えなかろうが許せる広い心を持つ
こんな感じになるのかな?随分と主観混じってますが、これ全部当てはまる方は、興味次第で買ってもいいんじゃないですかぁね?
でも逆に、既にある程度の環境ができている(ATOK持ってるとか、PoBoxが手に馴染んでるとか)人が、無理にこれに金払う必要があるかといったら、無いよーな気もします。
何分旧バージョンのATOKを触ってないので、肝心の文字変換の比較ができないのが痛いんですが、単純な効率だけの問題ならその旧バージョンでもそれなりの水準はクリアできてるんじゃないのかな?というのがあるんですわーな。同じようなことがPoBoxで実現できてるなら、わざわざそれを手放す必要もないと思うしね。あと、特にバージョンアップの場合なら、それなりにみんなGraffiti慣れてるでしょ?という読みもある(笑)。
あとは・・・単純に文字変換をする、という行為にお金を出せるか出せないか、で決めちゃっていいんじゃないですかねぇ?というのが正直な感想。私自身は多分これでATOK使い続けることになると思うので、それなりの適正価格で手に入ったかな?程度に考えてます。
というのが実際に触ってみての私の思うところかな?まぁ買おうかやめよかどうしよう、て方は適時ご参考に。
しかしまぁ、本来ATOKのレビュー的文章になるはずだったのが、まさかGraffitiばんざい文章になるたぁ自分でも思わなかったな。
なんだかんだで毒されてんのね。それが一番意外だったりして。