焼肉とインターネットラジオ


 その日の夜は成り行き任せに案内された食堂で焼肉かっ食らってました。

 大量の肉、野菜、幾多のキムチ、次々開けられるビール。 「焼肉屋で食ったら1万円は覚悟だなぁ」と思いつつ肉をほおばってました。

 いいんか私。そんなに悠長に肉食ってて。他にやることあるだろ。

 周りを見ろ周りを。鉄板囲んでる面子に刮目せよ。 WIBC五村富士Radio13。 在阪インターネットラジオサイトの御三家揃い踏みしてるじゃねぇか。 しかもほぼオールキャスティング。

 「金5倍払ってでもこの場に入りたい」と思ってるヤツいっぱいいるぞ。 それに対して所詮はインターネットラジオのコバンザメサイト、しかも 開設してたかだか3ヶ月の人間がこんな豪華な酒席に参加できてるんだぞ。

 こんな完璧なシチュエーション滅多に訪れないぞ。最初で最後かも しれないんだぞ。もっと積極的に動けよ。そしてネタ見つけろよ。

 わ〜っとるわ!黙れ冷静な性格の俺!あ、すいません、思わず二重人格。

 実際ビビりましたよ。だって、普段それぞれの番組で聞く声が そのまま目の前で聞けてるんよ。しかも通常コンタクト取ろうと思っても そう簡単にアポ取れないような方達ばかり。

 そんな方々目の前にして、しかもその方々全員に日本一会話速度が 速いと言われる関西弁で会話展開されてみなさい。100人中99人は 口挟めないっつーの。

 ただひたすら場のパワーに圧倒されてました。せめてもの 抵抗として肉食らいつつ烏龍茶をすすりつつ話に聞き入ってたのですが。 それのどこが抵抗だ。

 やはり集まってる面子が面子なので、話題もインターネットラジオの 方に触れがちになります。

 数多のラジオサイトの中でも確実に中核に存在するであろう各サイト ですが、それでも言葉の節々から、不安感・危機感も見え隠れするのが わかります。

 今後果たしてインターネットラジオは成長していくのだろうか。 成長するならどのように。それとも衰退もありえるのか。それを 阻止するためには。

 なかなか難しいよなぁ。というかそんなこと誰にもわかんないような 気がするし。一番堅実な手段とすれば各々自分の作ってるモノを 自分の作りたいように作り上げることなんだろうなぁ。無難な結論だけどさ。

 といった主旨の発言をしようとすると、とうの昔に話題は目前の のりキムチに移ってます。

 話題の移行、とっても速いよ、カンサイジン。

 字余り季語無し。

 のりキムチと一緒に出かかった言葉を飲み込みます。ん、うまいですなこれ。 調子に乗って食い過ぎてむせてる間に、こうゆう企画やったらおもろい のではないか、これやったらバカそうといった話題に入ってます。

 その中で「宣伝のためにインターネットラジオのリングページ 作らない?」といった話も出てきました。ちなみにリングページ(RingPage=輪) てのはリンクページをもじって作られた造語で、共通の内容を扱うWebページ同士が それぞれ共通のリンクページを作成すること、とでも言えばいいかな。 結構いろんなジャンルのWebでお目にかかれます。探してみましょう。

 ですがこの提案はWIBCたおきち氏が「ダサい」と却下。 この一言が本会で一番印象に残った言葉。だからここまで記憶してるんですが。

 うん、この判断極めて正確です。確かにリングページって作る側に したら思い付きやすいし作りやすい。参加サイト数に比例して量も 増えるから作った充実感もある。でも、読み手からこれ見ると どこのWebも同じリンク張ってるようにしか見えないから、そこに 個性を感じない。下手すりゃ「手抜き」と見られちゃう。 意外に読み手にとっては使えないんすよ、リングページ。

 即座にこの判断ができるってことは、作り手でありながら 聞き手の視点を失ってない証明になるんじゃないかな。

 ついでに言うなら「新規リスナーを開拓するために企画を起こす」 こと自体に私は懐疑的。それが放送内での企画であれ、Web内の 企画であれ。プレゼントしました、イベントあげました、それで 一時的にはアクセス数は増えるかもしれんよ。でも、イベント 終わってアクセス数元に戻りました、じゃ何の意味も無いんよ。

 これはインターネットラジオだけに限った話じゃないよ。 100人の一見さんよりも1人のリピーター獲得することの方が 難しい。でもこっちの方が絶対に重要。リピーター獲得するためには もう普段やってることの質を上げていく、もうこれしかないです。 だから仮にイベントとかやるにせよ、常に「どうすればこれ聴いてくれた 人が次回も聞いてくれるか」を意識しなきゃだめ。アクセスカウンタ吊り上げるため だけのイベントなんて愚の骨頂だよ。作る立場の人は全員 よぉ〜く頭に叩き込んでおいて。

 なんてことは、またまた口に出すこともできず、話題がぐるぐる 回り続けるのでした〜。気分は130km/hで回る回転寿司((C)嘉門達夫)。 ぐるぐる〜。

 もっとも、仮にこの場面で私に意見感想求められたとしても、 鉄板で答えられなかったと思いますが。なにせ↑こんだけ書くので 既に3日費やしてますから。3日考えてこれかい。

 ちょっと余談。これはRadio13さん所での収録ででも思ったことですけど、やっぱり 考えてから言葉として声に出すまでの「頭の中での処理時間」が ハンパじゃなく早いですね。一シロートとして素直に思いました。

 やっぱりラジオの場合黙っちゃうことは禁忌(インターネットラジオに 関しては放送事故という概念の存在理由がないため、そこまで厳密に行う 必要性はないんですけどね)。 たとえ頭の中で考えまとまってなくても口は動かさなきゃいけない。 この辺センスと経験と両方必要なんだろうなぁ。なんてことを 思いつつ素直に感動したりしてました。

 そんなこんなで鉄板の肉もあらかた食い切りおなかいっぱい (そんでもまだ焼ききれない肉がテンコ盛りにあった。食べきれなくて ごめんなさい〜>五島氏)。あ〜もう食えないと思いつつも、 まだ話題は巡ります。この時点で既に2時間以上会話が途切れてません。

 オソルベシ、カンサイジン。

 するとこんな話題に巡り合いました。今後このシーンが盛り上がるとすれば、 インターネットラジオサイトはもっと増えていく。この場に集まっていない サイトとかに、我々は声をかけるべきなのか。連帯を推し進めていくべきか。

 ちょっとディープ。この時一瞬ですが初めて応え難い空気が流れました。

 これ、考え込んで当たり前なんですよね。 サクッと答え出る訳ないんだもん。

 その後いろんな意見、考え方が出てきて、 そっから話題が生まれて・・・と酒宴らしく話は拡散していきました。

 WIBCさんが明日のお仕事の都合で和歌山に戻る時間になり、 んじゃお開きにしますかとお片づけをし、お疲れ様でした〜と 散り散りになった後でもこの疑問はずっと脳裏に残ってました。

 んで私なりにいろいろと考えてたんですけど。 とりあえず思ったことをそのまま書いてみよう。

 要は言葉のとりようなんだよな。下手に連帯って言葉が 重みを持っちゃってる分、さまざまな考え方に至ったと思うんだけど。 逆を言えば酒宴では格好の肴だね。

 んで、もしこの言葉を「運命共同体」レベルの強い連帯として 捉えるとするならば。

 悪いけど私は否定するね。もっとも否定する以前に、目的果せずに 朽ち果てるか、達成できても後に崩壊するのが関の山でしょ。

 一度強くなったとしても、それがブッ壊れた時のダメージって 計り知れないもんがあるよ。前例掃いて捨てるほどある「親亀コケたら 皆コケた」をわざわざこのシーンで再現する必要はないでしょ。

 強い連帯を考えてしまう理由に「インターネットラジオ全体を考えて」 つうのがあると思うんだ。でも、強い連帯を作ることと、シーンを 盛り上げていくことは、私は決してイコールにはならないと思う。

 インターネットラジオ全体を考えるんだったら逆に「弱い連帯、適度の連帯」 の方が逆境に強いんよ。1局位潰れようがうちはやってく。他がそっぽ 向こうがウチはやってく。かえってこっちの方が融通は聞くと思うんだけどな (どうせモノ作るんだったらこの位の傲慢さは欲しいよな)。

 だから私としては連帯つっても「一緒にやったらメリットあるからやる」 「一緒だとなんか面白そうだからやる」程度でいいですよ。それ 位ライトにいかないと、メリット・デメリットの判断ができないと思いますし。

 まず自己チューで考えちゃって、自分の判断素直に信じて、それで 他とタッグ組むなり、駆け引きするなりで十分だと思います。

 とまぁこんな感じですか。考えれば考えるほど泥沼な気もする。 さくっといきましょうや。現実、どんなに連帯考えようが、まず 自分でオモロイ番組作らないことにはリスナーは見向きもしないぜ。

 話はそれからそれから。はい、この話終わり終わりっと。

 んな訳でいろいろと考える材料提供してくれました。 すっげぇ有意義な時間。今考えても貴重だったと思いますよ。 月並みなご挨拶になりますが、WIBC・五村富士・Radio13各サイトの 皆さん、どうもありがとうございました。ぺこり。

 

 

 

 それにしてもなぁ。いっこ素朴な疑問。

 せっかくこうゆう飛び跳ねて喜ぶべき場に御招待受けたのに、 それでもこうゆうこと考えてしまう、しかもネタにしてしまう私。

 ひょっとして、私って相当性格歪んでます?


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