インターネットラジオにバリアフリーを
えっと、今回はちょっと真面目に書きます。前フリなし。 わざわざ前フリないことを断らなきゃいけないってのもどうかとは 思うが。
各種の障碍者にとってパソコン、そしてインターネットが、 健常者が考える以上に重要な道具となっている、という話は どこかで聞いたことあるのではないでしょうか。
例えば、体が自由に動かせないために、満足に動き回ることが できない。そのためにどうしても行動範囲は限定されたものに なってしまう。結果、情報も人間関係も狭いものになってしまう。
視覚や聴覚の障碍者にとっては特に「入ってくる情報量の少なさ」 の影響がすごく大きいです。音声、映像、文字といったものが 物理的に受け取れないために、どうしても入ってくる情報は限られる。 この事による精神的なストレスって相当のものがあります。
そんな「壁」を打ち破るための手段として、パソコンやインターネット といった新しく手頃な「道具」はムチャクチャ有功なんです。ただでさえ インターネットは秒単位で新しいモノが入ってくる情報の宝庫。テレビや ラジオと違って好きな時間に見ることができますし、伝達方式も自由に 選べる、保存も 編集もずっと容易、と劇的な環境変化をもたらしました。
つー訳で、インターネットラジオが、障碍者に対してどんな「手助け」が できるのかな、っつうことをちょっと考えてみたい、と思う訳ですが。
つっても結論は決まってるんだよね。絶対に有用。特に視覚障碍に 関しては鼻血出るほど有用。
私、なんでインターネットラジオのこうゆう利点が既存媒体で取上げ られないのか、不思議でしょうがないんだけどね。音声は耳のみを使って 100%の情報を伝達できる重要な情報源。しかも従来のラジオと違って、 好きな時に好きな番組を聴きたい分聴けるんだぜ。繰り返し再生や 保存だって可能。
今はまだ目新しさだけで見られてる面大きいけど、こうゆうはっきりと した利便もあるんだから、ちゃんとそこにも目向けろってーの。
さて。では視覚障碍者のためのインターネットラジオを考えた場合、 健常者の立場からするとこうゆうギモンが浮ぶと思うんだ。この辺を ちょっと考えてみたいと思うんですけど。
ふと浮ぶ素朴な疑問点としてはこの2つ。
- 番組作成とかの際に障碍者向けに特化したコンテンツを提供する必要性ってあるの?
- 視覚障碍者が問題なく番組にアクセスできるようにするために必要なことは?
でこれに対する回答ってのを自分なりに考えてみたんですけど。
まず(1)なんですけど。これはあくまで個人的な答えだってことを 予めお断りしておきたいんですが、特に障碍者向けという番組を特化して 作成する必要があるのかな、というのがありまして。
もし既にインターネット接続できる環境があるのであれば、ニュースにしろ 地域情報にしろ、大抵のものは既にWebから取得することができるんですよ。 既存するものをさらに手間をかけて焼き直す必要はあるのか、と。
それよりは、通常通りに番組を作って、健常・障碍の区別なく楽しめる エンターテイメントを提供できる意義の方が大きいんじゃないかな、と 思います。つーかエンターテイメントこそもっとも提供していかなきゃ いけないコンテンツじゃないかと。そんなことを思うんですよね。
そもそもラジオ自体がバリアフリー的要素を持ったメディアなんですから、 その恩恵にただ預かれればいいと思うんですよね。だから既存情報とかに 関してはもうWebに頼っちゃって、ラジオはラジオならではの「楽しみ」を 提供していく。最小限の手間で最大限の恩恵。基本。
という訳で(1)に関しては各制作サイドがそれぞれ「これはおもろい」 と思えるものを積極的に作っていくことがそのまま、この方面への 恩恵につながる、と考えています。
さて、次に(2)なんですが。
基本的に視覚障碍者がWebを見ようと思った際には、「テキストブラウザ+ 音声出力ソフト」の組み合わせを使用することが多いです。 テキストブラウザにてHTMLをテキストに整形したものを内部で キャッシングして音声出力ソフトに送る、という形を取るんですね。 ((1)で既存媒体焼き回しにギモンを呈したのもこれが理由なんですな。 文章として存在していればパソコンが読んでくれるんだもん。人力使う 必要ないんだもん(^_^;。)
以前はアホみたいに高かった音声出力ソフトも最近は値段がこなれてきて、 教育機関や医療施設、個人でも導入ペースは早まっています。 このことからも需要自体は絶対にあると私は踏んでる。
ただ、せっかくインターネットラジオコンテンツを用意していても、 聞き手側がそれにたどりつけなきゃなーんの意味もないんですよ。
その典型が今のHTMLに関してなんですよね。確かにいろんな機能が 使えて、ド派手な画面が誰でも作れるようにはなりました。しかし、 それらの機能が却って障壁となってしまう場合ってのがあるんです。
そーゆーのはいかんのではないかと。
つー訳でハックからすべての制作者さんに提案があります。
「自分のWebをテキストブラウザに対応させませんか?」
はー、やっと一番書きたいところ書けた。
テキストブラウザに対応させる、ということは、すべてのHTMLに描かれている 情報を文字で表示できる=音声で読み上げることができるということを 意味します。つまり、TOPページから迷うことなく.raファイルまで辿り着く ことができる訳です。ここまでお読み頂いた方はこれがはかりしれないメリットに なるということは、容易に想像できるでしょ?
え?テキストブラウザ対応なんて難しそう?せっかくグラフィックばりばりで かっこいいページ作ってるのにそれ崩れるのイヤ?
だいじょぶだいじょぶ。いくつかの注意点さえ守れば、見栄えを変えることなく テキストブラウザ対応にすることだって可能だから。ついでに言えば、 テキストブラウザに対応させようとするとレイアウト崩れるってことは、もうその時点でそのHTMLが正しく表記されていないという証明にもなるんだ。
自分のWeb見直すいい機会でもあると思うので、ぜひやってみてはいかがでしょ?
実際の作り方ノウハウに関しては別ファイルにてまとめましたので御通読を。 難しいことではないのでぜひ。
重要なのは、せっかくあると見込める需要を、たかがHTMLなんかで供給側が 締め出してしまうってことなのよ。聴ける、聴いてもらえる、両方の希望が 叶えられないってのはものすごく不幸なんじゃないの?
自分にできることで、かつ手軽にできる範囲でもいいから、できることをやる。
万物の基本、だよね?