roots(1):プロローグ&Radio13


 「うーん。どう書けばいいものか・・・。」

 先々月のこと。結構悩んでました。「総ざらいチェック」潰すはいいん だけどその後どうやって本来の目的である「サイトの紹介」を展開 していくか。

 その中で、いっこ実験的に文章を書いてました。「インターネットラジオの 歴史考察」的な文章。

 まぁ結果としてこの文章自体は「書いててつまらないし読んでもつまらない だろう」と8割書いた所でゴミ箱に叩き込んだのですが、これ書く過程で ちょっと別の興味が湧いてきまして。

 文章を書こうとすると、どうしても必然的にRealAudio発表以前のことを 書く必要が出て来る。何のことか。

 ミニFM。

 要は個人で送信用の機材を揃えて、ご近所に送信するタイプの 小規模FMのことです。
(今は免許受けて放送している小規模放送のコミュニティーFMと 区別するためにマイクロFMという使い方をするようです。 今回は過去の確認作業的意味合いも強いのでミニFMという言葉で 敢えて統一させていただきます。)

 今でこそ、「自分で番組作りたい→インターネットラジオ」と 矢印が直結できますけど、インターネット登場以前は当然ながら RealPlayerも存在しない。そんでも番組は作ってみたい・・・、 と言う訳でミニFMを経験している方が結構いらっしゃるぞ、と。

 半分は興味、もう半分は「ネタになればいいな」の期待を持ちつつ、 何局かに取材メール送ってみました。

 したら面白い反応が返ってきましたねぇ。収穫でしたよ。


 <調査方法>

 この企画に御協力して頂いた皆さんに、一括してこうゆう 質問を投げました。

「ミニFMからインターネットラジオに移行するにあたって、 ・インターネットラジオ移行を決断したきっかけ・判断材料 ・その際のミニFMに対する感情 この辺を、個人感で結構ですので、つらつらと教えてください。」

 回答形式はフリーフォーマット。敢えて指定しませんでした。

 これが奏を効してか、興味深い回答が返ってきましたよ。

 という訳でこれを基に、文章に起こしてみたいと思います。 ミニFMという観点から現在のインターネットラジオを掘り起こして みる逆転企画。

 一口にミニFMと言っても様々な反応があって面白いよん。


 まずは初回に登場して頂くRadio13さん。メール及び 放送内で感想頂きました。

 で。

 まぁある程度の予想はしてたんですけど、その予想すら越えてしまう 程、あっさりと切り捨ててましたね。

「うーん、ミニFMとインターネットラジオの差、ねぇ・・・」
「差っつってもねぇ。」
「お話になりませんね。」
「確かに。」
「近所のおばさんと大女優比べるようなもんですか」
「うん、そうそう。」

 つーかここまでいくともはや八つ裂きと称しても過言ではないな。 ちょっと不憫。

 でもまぁ、ここまで言われるだけの根拠はあるんですな。

 まず第一に挙げられていたことが、やはりとは言え「リスナーの不在」。 正確に言えば聴取可能な人数の違い。

 この辺はツジさんが自身のコラムにてこう書いてます(全文はhttp://radio13.gtr.to/mailmag/980920.htmをどぞ)。

今から6年程前にやった前回のラジオでは、Aの言葉通り送信距離が短く、 かつ不安定であった為、番組に対しての外部からの反応がゼロだった。当 時僕の近所でやっていたミニFMが、強力な電波を流した事で摘発され、そ の為本格的なミニFM送信機が、電機街でほとんど売られなくなっていのだ。 僕らは仕方なく、ワイヤレスマイク用の送信機にブースターをかまし、何とか 100m前後まで飛ばしたという騙し技を使ったていた。しかも、その日の天気 で大きくその距離が変わったりした(ほとんどの場合、送信範囲縮小)。

結局、設備の不徹底さ(勿論、番組自体の未熟さもあろうが)と、それによ るリスナーの無反応、それとメンバーの仕事の繁忙等が重なり、FM三和町 は自然消滅してしまった。こんな過去を踏まえて、再開の際「本気」という言 葉が全員の一致をみたのだろう。

 うーん、確かに現実はこんなもんなんだろうなぁ、素人ながらも わかるような気がする。

 で、基本的に規定された以上の電波を出すことは明確に電波法違反、 捕まれば即、前科一犯の身分となります(この辺はまた続項にて詳しく書きます)。 したがって、適法の範囲内でたくさんの人に聞いてもらおうという 事自体に無理がある。

 その点、インターネットならそんなことないもんなぁ。Radio13さんが 存在を知った瞬間に移行したのもうなずけます。

 で、やりとりの中でも強調されたのはやはり リスナー数ですね。正確に言えば将来におけるリスナー増の見込数。

 ミニFMの場合、受信エリアが限られるため、必然的に上限は 決まってしまう。したがってそのエリアの中での聴取率を上げるしか、 実質的に知名度を上げる手段がない。

 で、順調に聴取率が上がるならまだしも、そうとは限らないのも実情。 相当の精神力持ち合わせてないとかなりキツい(現に一度休局に 追い込まれています)ってのは、私でも想像できます。

 そっかぁ、今でこそトップランカーのRadio13 でも、こうゆう時代があったんだなぁ、とちょっと感傷に浸りつつ。

 あと上のコラムでも、番組のレスポンスでも同様に取り扱っていた のがこのエピソードか。だんだんどこぞの人生傍観番組に構成が 似てきたな、まぁいいか。

 インターネットラジオ初めて4ヶ月、初めてリスナーからの レスポンスが来た時のことは今でも忘れられないそうです。

 今までさんざミニFMと格闘しても1通ももらえなかった 外部からの反応。

 これWeb制作経験ある人なら少なからずわかるんじゃないかなぁ、と 思いながら聞いてました。

 やっぱり、ミニFMにせよインターネットラジオにせよ、外部からの レスポンスあってなんぼ、という側面は多大に持ちあわせてます。 聞いてもらうために作ってるんだし。

 この反応ゼロの時って相当ヘコむんよ。これ本人にしてみたら 想像以上よ。でも、これがたった1通レスポンスが来るだけで 全然気の持ちようが違ってきます。1通来ることで、どんなに 遠くても「目標」が見えてくるんよ。道標ができる。

 ローレル・ランプ両氏の「やっぱり『いつか』という言葉がないと やっていけない。」の言葉は重みあると思いますよ。

 ・・・・んで今の目標は?Radio13さん。

「そりゃあ、がんがん表出て、テレビも出て」 「両端にパツキンねーちゃん連れてもーうはうは。」

 言うだけはタダだし。言っとけ言っとけ(笑)。


 「roots」。しばらく続きます。


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