roots(3):Webfribs

*注:現在FR-FMはWebfribsと名称変更しています。文中では、当時の名称をそのまま残させて頂きました。


 なんだかんだでこの短期連載も第3回。展開の方も佳境に入り 始めます。

 つー訳で今回はさんにお話聞いてきました。実際はメールなんですが、 仮想対談風に構成させてもらいましょ。細かい語尾の表現とかは 私が書き換えたものですので気を付けてね。

 ・・・・・・あ。FR-FMは「ハック」初登場だ。えっと簡単に紹介を。

 1999年開設のインディーズサイトなんですが、FR-FMの開局自体は 1986年。主催者のFRさんはずーーーーーーっとミニFMの制作に 関わっていた、ほとんどプロ的な存在の方です。 音関係の技術にも相当精通されております。この辺にも期待しつつ。

(ちなみに、このFR-FMのヘビーリスナーだったのがNR-FMのチェルノブ氏。 なるほど、こうゆうつながりなのか。)

 番組の方は御本人出演の「ネットワークPON!」を始め、 既にいくつかの番組がアップされています。この辺の感想レビュー等は またいずれ稿を改めて。

 んでは本題ね。もともとミニFMからインターネットラジオへの移行 へのもっともキーポイントとなったのは何だったんでしょう?

 「直接のきっかけとなったのは自前でサーバ持っている知り合いに 『インターネットラジオをやりたい』と持ちかけられまして、その際に ソフト関連の管理を任されたものですから、じゃあ自前でもやってみるかと なったわけです。」

 ・・・・・?

 ・・・ということは、ミニFMがこうだからとか、現状技術が ああだからといったことは・・・・。

 「ないです。正直な話、知り合いの持ちかけがなかったら、 未だにインターネットラジオはやってなかったと思います。」

 ・・・・・ほぉほぉほぉ。

 いやね、この問答は重要な意味合いを持つんですな。つぅ訳で ミニFM当時のお話を根掘り葉掘り聞いてみました。

 要約するとこんな感じ。

 1988年、FR-FMが開局した時には、既にミニFM自体がブームの 真っ只中にいました。ある意味ミニFMがメディアとして頂点を 極めていた時期とも言えるでしょう。 そんな中ででもFR-FMのエリア(自宅)は特にミニFMが活発な 地域だったようでして、FMのチューナーひねればいたるところで 個人発のミニFMが聞けれるという状態。

 こうゆう状況のため、既に過当競争。聞き手もその事を 十分認知していたため、ミニFMそのもののリスナーを ある程度見込むことができた、というのがあります。 この辺はリスナーをゼロから開拓しなければ ならなかったRadio13やNR-FMと比べて幸運だったということは 言えるでしょう。

 そのため、ふつーにやってるだけでは「目立つ」ことは できなかった。そこでFR-FMは「イベント」という概念を 持ち出して、そのイベント(LIVE)を行うための宣伝媒体として ミニFMを使用する、という手段に出たんです。

 結果としてはこの方法は成功をおさめ、数々の武勇伝(この辺は FR-FMホームページの年表に書かれていますのでご覧ください。 ・・・すげぇな、数百人規模かよ。)を産み出しました。

 とまぁこんな経緯を持っているのですが。

 ・・・え?ギモン?うん、わすもギモンもった。じゃあ 素直にぶつけましょう。

 FR-FMさんはミニFM経験者の中でも数少ない(であろう)勝ち組で あるにも関わらず、ミニFMの技術的な特性やメリット、もしくは 感情的な思い入れ、の要素がまったくと言っていい程記述されて ないんです。

 これは一体?

 「私の場合、ミニFMってのは、1つのツールでしかなかった んです。簡単に言うと『リスナーを掴んですぐLIVEをする』ってのが、 本音でした。」

 つぅ事だそうで。あくまで目的はLIVE。ミニFMは目的果たすための媒体。

 当時として、もっともイベントを浸透させるのに適していた媒体が ミニFMだった、ということなんでしょうね。100mしか飛ばせなかろうが、 時間的制約があろうが、今そこにある道具が便利だ、と判断したから、 冷徹なまでに割り切って使った、言い方変えれば利用した、つう意図が 見え隠れします。

 実際、現在FR-FMさんが所有している機材、ハンパじゃないんですけど (この辺もWebをご参照のこと)、ミニFMを目的にしたから、と言う目的 じゃないんだそうです。あくまで興味対象は別にあって、その延長上として ミニFMというのもあったので、それを利用しただけのこと、となるんですね。

「所詮、電波の中だけ。薄いつながりなんですよ。だから、ツールとして 使ったんです。確かに番組やってってお手紙なんか、来るとすっごく うれしかったんですがどうも、しっくりこなかったんですよ。」

「だからただ集まるだけの「リスナー集会」ではなく、「LIVE」を やるんです。そこで気の合うメンバーと、電波と関係無く 遊んだりするって方向にいったんです。だから、大阪のミニFM局 としては異端児だったと思います。」

 この辺は「やっぱ着目点が違うとこうゆう見方もできるんだなぁ」と 興味深く聞かせてもらってました。

 例えば今のインターネットラジオでもそうなんですけど、私ら聞き手は 「まず番組ありき」という聞き方をします。あくまで番組という コアがあって、イベントとかはそこからの発展系、という 見方をするんですな。多分、ほとんどの作り手もこうゆう考え方だと 思うんよ。

 この考え方だと、当然ながらコアな部分がしっかりしていないと、 発展させてもうまくいかないと考える。だから普段の放送とかの作りを しっかりしよう、だったらネタしっかり考えよう機材グレードアップ しよう・・・こんな思考回路を辿るのが普通。

 でもこうじゃないんだよな、FR-FMの話聞いてると。

 目的は別のところにあって、目的の実行に添った媒体を選択し、 ツールとして使用することに徹する、か。

 逆を言えば、ミニFMもその目的と使い方を間違えなければ十分に 「道具」として確立できるってことも証明してるような気がするな。

 よく考えてみればインターネットラジオだって普通のWebだって 根っこは同じなんだよね。モノ作った、じゃあそれ使ってどう行動する。 ここが一番大切な訳ですから。

 ちなみにFR-FMさん、今回のインタビューと平行して雑談的にいろいろ くっちゃべってたんですけど、なかなかに色々企んでるようです。 この辺のスタンスはミニFMであろうがインターネットラジオであろうが 変わらない、言い換えれば「自分のやりたいことやり続けている」。

 そんな印象を受けました。


 「roots」、もうちょっと続きます。


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