ロシアントーク裏表。

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 フリートーク。まぁさぞかし難しいんだろーなつーことは 経験ない方でもおぼろげながら想像できるんじゃないでしょうか。

 フリートークに比べりゃ文章なんてラクなもんですよ。 だって、文章は公表するまでは、いっくらでも書き直しが できるんだもん。喋りの場合、一度言ってしまったらはいそれまでよ。 これで今までに何人の政治家が失脚したか見ても、その差は 歴然としたものがありますよ。

 基本的に「フリートーク何しゃべろうかねぇ」というのは 収録前の「雑談」と称した打ち合わせの中で行われることが 多いようです。

 でも仮にネタがあったとしてもそれを消化できるかはあくまで 喋り手さんのセンスですしね。いやはやなんともご苦労様です。

 さてそんな中、ちょっと興味深いことをやってるのがあるので 今回はこれにスポットを当ててみようかと思いまして。

 くりらじ・ベルエキャップで毎週行われているロシアントーク。

 ルールはいたって単純、「いたずら」「お宝」といった アトランダムな単語が書かれたお題カードと当日参加者の 名前が書かれたパーソナリティカード、この2種類を1枚づつ ひいていって、当たったパーソナリティが当たったお題を 元に番組を進行していく、というものです。

 お題に関しては事前に知らされているようですが、実際に 誰が何を喋るのかはカードひかなきゃわからないこと、進行に 相当なアドリブ能力が要求されることから、実質には フリートーク能力がかなり要求されるものになると思います。 (ですからお題に関しては縛りというよりはフリートークの 助け船という位置づけになるんでしょうね。)

 で、まずは正直なところの感想を述べてしまいましょう。 一部Webラジオ徒然草さんとダブる部分がありますけどご了承を。

 単純に聞き手として聞いてる場合、やっぱりどうしても パーソナリティが誰になるかによって、面白味にバラつきが 出てしまう傾向はありますね。何も考えずキャッキャ 喜びながら聞ける回もあれば、聞いてて途中で寝てしまう回もあります。

 そして、面白かった回にせよ、なんらかの形で主宰はまかわ 氏の助け船が作用してると思います。やっぱりはまかわさんの レベルって総合的に他メンバーより頭ひとつ飛びぬけてるんじゃないかな。 「いや違う、人一倍出たがりなんだ」という声も聞こえてきそうですが・・・。 (この辺の個人差の資質に関しては稿を改めて書く予定ありです。)

 というのが単純に聞き手として思った感想です。

 じゃ、せっかくここまで材料揃ってるので、そこから飛躍して 考えてみましょうか。妄想とも言いますが。

 このロシアントークによる効果って次のふたつなんじゃないかな、と 思います。ひとつめが「各パーソナリティの経験の積み上げ及びレベル向上」。 ふたつめが「ギャンブル要素によるハプニング的な面白さの追求」。 こんな感じ。一方は自分達(作り手)に向いたベクトル、他方は 聞き手に向けたベクトル。

 で、これらのベクトルって正反対の方向を向いてるんですけど、 うまく行ってる時は、相乗効果でどっちの狙いも上手くいったり するもんです。この辺不思議なもんでして、波に乗ってしまえば 「作り手のスキルアップにもなりかつ聞き手も楽しませる」放送ってのは 意外とできてしまうもんなんですよ。

 ところが厄介なのは、波に乗れない時なんですよね。 作り手はアセる、聞き手は退屈。こうゆう展開になってしまうと 完全に狙っていた目論見は崩れ去るんです。

 これがこの企画の恐いところなんじゃないかな、と思うのですが。

 で、仮に波に乗れずうまく喋れずでボロボロになって しまったとしても、それをそのまま続けて作り手を「さらし首」 にする必要性は無いと私は思ってます。

 理由はふたつ。ひとつめは言うまでもなく聞き手の存在ですね。 放送と称して公開する以上は、常に一定のラインを求めていって欲しい。 常に最高とは言わなくても、悪いなら悪いなりにまとめていって欲しいんです (これができるかできないかがむしろ重要だと思うな)。 聞き手はシビアです。寒い放送に対して寒い以上の感情は 持ちません。つまんなかったらリアルプレイヤーの終了ボタンをぷちっと。 これで終わり、THE ENDです。

 で、もういっこの理由、こっちの方が重要なんですが、 「反省なんか後でいっくらでもできる」つーこと なんですよね。何も悪い状態を5分も10分も続ける必要性はないです。 放送終わった後で「ここはちょっとダメだったねぇ」と感想戦するだけで 十分。敢えて冷たい言い方すれば、これで吸収できないなら、 いっくら本番で体に覚えこませようが限界は見えてます。

 という訳で、私個人的には悪かったら悪かったで、周りがガンガン 助け船出すべき、と考えますねぇ。いかに相手のフォローができるか、 というのも重要なスキルになってくると思いますしね。 たとえその結果としてはまかわ氏の 独壇場になってしまったとしても、私はそれはそれでありだと思います。 逆に「今回はいいな」と思えばはまかわ氏は敢えて引いて見守る。 これくらいのスタンスがちょうどいいんじゃないかな。

 それよりはその後で「なぜはまかわ氏が出なきゃいけなかったか」を 考え、そこから次につなげることの方が重要だと思います。 これを心がけるだけでも、作り手のスキルアップと聞き手への エンターテイメントの提供の両立は十分可能になってくると思いますよ。

 とまぁ大体こんな感じのことを思いましたです。参考にするなり、 破り捨てるなり、お好きに料理してくださいませ。

 ただこれ、決してくりらじだけに当てはまることじゃないと思うな。 いかに作り手のスキルアップと聞き手への提供を両立させるか、 どこも重要な命題になってくると思います。


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