ラジオドラマ一考。


 某所では既にカミングアウトしていることなんですが、実は私、 「物語に触れる」つーことが大の苦手でして。映画にせよドラマにせよ 小説にせよ、フィクション物を30分以上見続ける読み続けるってことが できない人間です。

 理由なかなか言葉で説明できないんですけど、何見てても感情移入 できないんですよ。だんだんイライラしてきて、その内画面を見続ける こと自体が苦痛に感じてくる。ですので、家でテレビ見るときはドラマを 避けるようにしてチャンネル替えてます。読む本はもっぱらノンフィクション もしくは4コママンガ。映画に至ってはもう何年間 見てないことやら。最後に何を見たかすら覚えてません。 学生の時位まではこんなことなかったんだけどね。まぁ別に ドラマ見なくたって死ぬ訳じゃないですから放っているんですが。 つうか好き嫌いの問題だけか。

 こんな人間なもんですから、まぁこのページやる上でも弊害あります。 例えば普通のトーク系番組でもドラマや映画が話題になると黙りこくしかなく なります。言ってることがおもろいのかつまらんのかすら判断できない んです。

 でもまぁこれはいいです。言ってしまえばその時間帯だけ音声流しつつ よそ事していればいいだけですから。私はほぼすべての番組を「ながら」 で聞くのでその辺で苦労は感じないです。

 ただ、これよりももっと深刻な弊害が存在します。

 そ、ラジオドラマ番組。

 インターネットラジオの中でも、本数数えてみると結構な数に なりますね。例えば 「ふたえボンのインターネットDJ」の制作サイトWalking in Space 2 とかも本格的にラジオドラマ制作(メインはこっちでしょう)してますし、 その他にも特に声優、もしくは声優志望系サイトではラジオドラマは 熱心に作成・制作されています。ひょっとしたらトーク系サイトよりも 本数は多いんじゃないかしら。

 しかしながら今までにリンクされた番組一覧を見ていければおわかりのように、 ラジオドラマメインで扱っている番組はほぼゼロというのが今の「ハック」の現状、 つうか惨状です。

 すまん〜。マジですまん〜。客観的判断をする以前のところで どうしても生理的な拒否反応が先に起こってしまうんよ〜。

 これが例えばRADIO-DONTACOSGolden Bellのように長くて5分、 短いとそれこそ1分で終わるような物語(つーかネタ)だったら、 違和感なく聞くことできるんですよ。でもこれが15分、20分と なるにつれ次第に拒否反応が起こるようになる。 いわば制作サイドが力を入れれば入れるほど、私は 受け付けられなくなるという、見事なまでの悪循環が産まれて しまってるんです。

 これって批評やる立場にしたら致命的な欠陥なんですけどね。 今の所、これを克服するにはまだ当面の時間かかりそうです。 ごめんね、気長に待ってて。

(誰か、ラジオドラマサイトの便乗サイト作ってくれないかなぁ・・・。 固定ファン層がつきやすい土壌はあるから、実現難しいことでは ないと思うんですけど・・・。結構切実な問題点だったりします。)

 ただそれでもドラマ嫌いだからこそわかる、というのもヘンですけど、 いくつかふと思うことはあったりします。せっかくカミングアウト(笑) もしたことですし、ちょっとこの辺を扱ってみたいと。

 というのも、だだぁ〜とラジオドラマ系のサイトを眺めていると、 ちょっと気になる点がある。 メールの呼びかけ、掲示板、チャット、ICQ、IRC、その他もろもろ。 使える手段全部使って、感想を求めるような雰囲気。 必要以上に「レスポンスを求める」姿勢が強すぎる気配があるんです。

 ただ、これに対して聞き手、特に一見さんから見るとかえって 感想とか出しにくい要因になっちゃってるんですよ。 これはラジオドラマという企画そのものが抱えているジレンマだと 解釈しています。

 基本的にラジオドラマって、その番組の中で完結する世界じゃ ないですか。つーか完結することで初めて成立するコンテンツでしょ。 そこに聞き手からコンタクトするってのはやっぱり躊躇しちゃうんです。 私のような人間はともかく、ほとんどのユーザは熱心に聞いてくれても、 だからといってレスポンス返してくれるとは限らない。

 わかりやすい例挙げるとすれば、書籍やCD買うとついてくる アンケートカードあるでしょ。プレゼント付きとかでいろいろ募集しても、 それでも大抵は1%ハガキ来たら万々歳の世界なのよ。本来、 そんくらいレスポンスって少ないもんなんです、どこの世界でも。

 だからこのことに気が付いている地上派の声優ラジオドラマ番組とかは こんなことをやってます。30分番組があるとすれば前半15分は 声優が普通のパーソナリティとしていろんなことくっちゃべる。そして 後半15分でメインのラジオドラマを聞かせる。感想とかは 前半の部分で募集や紹介をして、今後の制作にフィードバックさせる・・・。

 こんな感じ。よくこの形式とかだと、人気声優主体だの筋違いの バッシングが起こることありますけど、こうゆう風にでもしないことには レスポンスが返ってこないというある意味切実な問題を抱えてる んですよね。

 で、なぜこんなことを書くか。何もラジオドラマだけじゃなくて フリートークもやってくれとか、そうゆう事を言いたいんじゃない (って書いてるけど)。

 私、ラジオドラマ系って、トーク系以上に「いい意味で」聞き手を 無視できる企画形態だと思うんですよ。極端な話、作品の質さえよければ それこそ、アマチュアでも十分に渡り合えるんちゃうかな、と思って。

 ただし、作品主体で勝負するのであれば、ある程度聞き手からの レスポンスは切り捨てるくらいの覚悟も持ってねってことなのよ。 これはラジオドラマを表現として選択した以上、宿命的につきまとって くることだと思うんだ。「なぜこんだけのモノ作ってるのにレスポンス 来ないの〜」と嘆き悲しんだところで、どうにもならないもんの ような気がするな。

 だからもし純粋にリスナーからのレスポンスを第一目標として 掲げるならば、言っちゃ悪いけど「いい作品を作ればいい」では 不十分なんだ。それとは別に「いかにレスポンスもらうか」の 戦略が必要になる。単に入口の数増やしても絶対数増やさないと なしのつぶてだよ。

 なぁんかせちがらいけどね、こればっかりはしょうがねぇ。

 作品のクオリティ、及びリスナーの開拓・固定化。まったく無関係、 下手すりゃ相反しかねないこの2要素をうまく伸ばすのって 至難の技かもしんない(ごめんな、俺にもまだ名案は浮かばない)。

 けど、なんか策はありそうな気がするんだよな。あきらめずに 試行錯誤続けていく必要、ありますね。


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