専門的番組傾向と対策:分析編


 今、個人的に注目してる2つの番組があります。

 いっこはRadio13「NBA Trush Talk」。 もういっこは五村富士「サッカーってdo?」。

 この2番組の共通点をまずは洗い出してみます。

 まぁ当たり前といえば当たり前なんですけど。

 で、一方サッカー、もしくはNBAという視点から見ると、

 それぞれこうゆう特徴を抱えているんですよね。

 で、まずは番組を考えずに、サッカーなりNBAなりの市場分布、というのを 考えてみます。さすがに文章だけだとごっちゃになりますのでグラフにして みました。

ベースグラフ

 まぁ大体こんな感じになると思います。うわぁ、こんな図表書くのガッコで マーケティングやった時以来だよ。

 で、このグラフ、横軸がその興味に対する認識度もしくは知識度。 縦軸がその位置に属する人数。その集合体として、水色で塗られている部分が その対象に興味を示している人達の集合体、というのを示してます。

 で、このグラフの特徴は3つ。 まずやっぱり多いのが興味持ったばかりの初心者層。ここから、知識を 得て中級になるにつれて、人数はゆるやかに減少していきます(番号1)。 で、中級を過ぎると一度ガクッと人数が減る(番号2)。いわゆる 上級者への壁ってやつですか。で、壁を越えた上級者レベルでは またゆるやかな角度に戻っていく(番号3)。

 で、重要なのは、大抵の分野においては、興味レベルとその人数って このグラフと似たような傾向を辿るんですよ。その市場が ゆるやかにでも成長を遂げていて安定状態にあるならばね。

 まぁ蛇足になるんですが、

初心者層の激少  初心車層の爆発

 左(上)のはジャンルが衰退していて新しい人が入ってこなくなった状態。 右(下)のは逆に爆発的ブームの典型例。ブーム終わったら何も残りませんでした的 パターンね。インターネットラジオがこうゆう状態にならんように、常に気をつけて おかなきゃね。

 さて本題。なぜこんなことを書き連ねたかというと、 「じゃあ、NBA Trush Talkやサッカーってdo?はこのどこの部分に食い込むの?」 ということなんですわな。私この2番組、今後はラジオというカテゴリーで はなく、サッカー、NBAというカテゴリーの情報源として動いていくんじゃ ないかな、と踏んでます。

 Webラジオのことなんかなーんも知らないサッカーファンやNBAファンの 間で「こうゆう番組やってるよ」と口コミが回る。ファンサイトの掲示板や MLなどでネタにされて広まっていく。

 こんな予想図を描くことができるんですよね。実際既にかなり現実味を 持ってる訳ですし。

 とは言え、まだ楽観視できない部分もある。サッカーファンに認知された としてもそこで「面白くない」「役に立たない」というレッテルを貼られちゃ 何にもなんないです。ファンの間でも認知してくれるコンセプト・コンテンツ の確立。これ、すっげぇ重要なファクターになると思うんだな。

 つー訳で、ここはひとつ教科書的に狙いしぼるパターンってのを列記 してみたいと思います。他の専門系番組やっている方でも、これは 是非ご参考に。頭に入れておいて損はなし。

*逆言えば、別にラジオに限った話じゃないんだよな、これ。全体論になると思うわ。

 んじゃ順に行きましょう。


(1)入門タイプ

初心者重点グラフ

 入りたての人、入門者向けに絞って展開していくパターン。 作る上でもっとも単純に思い付くパターン。

★メリット:ターゲット対象人数が多い。
★デメリット:中上級者を切り捨てる(飽きさせる)危険性がある。


(2)超専門タイプ

上級者重点型グラフ

 初心者お断りの完全上級者向け。めっちゃマニアック。

★メリット:聞き手側のツボに入ったときの反響はムチャクチャ大きい。
★デメリット:かなりのパーセンテージを切り捨てることになる初中級者を 切り捨てることになる。


(3)中道タイプ

中間層重点型グラフ

 ある程度慣れた人を対象にコンテンツを広げていく。案外作るのはこれが一番ラク。

★メリット:対象人数のカバーがしやすい(初心者でもがんばればついていける、 上級者にとっても許容範囲)
★デメリット:没個性になる危険性を秘めている。みんな思い付く=似たようなのが いっぱいある。


 まぁ大きく分けるとこんな感じになりますねぇ。重要なのいずれもグラフを縦に 割ることによって個性化を図っている、という訳なんですな。

 逆に横に割ると、こうゆうことになっちゃう。


(4)万能タイプ

全範囲包囲型グラフ

 初心者から上級者までオールOKよん、的タイプ。

★デメリット:つーかできるのこれ?やろうとしたら相当のセンスと 努力と覚悟が必要。
★デメリットのデメリット:理想高いと、地に足つかずにこう考えちゃう んですよねぇ。
★メリット:できるなら最強。できるなら。


(5)まだらタイプ

まだらグラフ

 要は何も考えてない状態。

★メリット:こうゆうのが当たっちゃうことがあるんよー。批評家泣かせ。
★デメリット:一歩間違えると即「何やってるかわかんない」状態に突入 しちゃう。その点ではかなりデンジャラス。


 こうなっちゃうと。まぁ世の中には(4)で成功するとんでもない実力の 持ち主もいますし、(5)で当たっちゃうギャンブラーもいるんでしょうけど、 あくまで例外でしょうねぇ。戦略とは言わないな。こうゆうんは。

 つー訳で5タイプ挙げてみました。

 では結論。専門系インターネットラジオサイトはこのどれを目指すべきか?

 私はこう並べます。

 (3)>(2)>(5)>(1)>>>>(4)

 理由を言うとインターネットラジオから見ると(3)中道タイプ って結構なアドバンテージ持ってるんですよ。

 仮に、もしこれが普通に文字でWeb作るだけだったら 中道タイプなんて既に売るほど存在しますから、なかなかに 個性って打ち出せない。

 でも、これを音声でやってる、って所、ほとんど存在しませんよね? 今ならまだ音声を使ってるって事自体が売りになる。 多少なりとも汚い言い方をすれば、(3)にかなりのつけいるスキが ある、と見てます。

 個人的感情では(2)も捨て難いんですけどね。私基本的に 「山椒は小粒でぴりりと辛い」的なサイト大好きなんで。 でもやっぱインターネットの大海で現実的に勝ちに行くならやっぱ(3) だな。(3)から(2)へのシフトって意外に簡単にできますしね。

 で、(1)より(5)を先に持っていきました。うーん。入門者 向けねぇ。つーか「初心者さんがわざわざインターネットラジオ 選んでくれるかな?」というギモンはやっぱり拭えないです。 中級者向けに比べて「インターネットラジオならでは」の押しが やりにくいのではってのがありましてねぇ・・・。そんだったら(5) で自分勝手にやってた方が楽しいのかもしんないね。

 あ、で(4)は知りません。やりたきゃどーぞ。以上。

 こんな感じだな。

 それで、NBA Trush Talkやサッカーってdo?の2番組に関しては既に (3)に進んでるような印象を持ってます。制作者さんの 意図あるなしとは関係なく。わすとしてはこのまま 「サッカーのラジオやってるよ」「NBAのラジオやってるよ」 これで行けるのではないでしょうかね?

 まぁ何にせよ、この2番組の真の評価は、それぞれのファンに認知される にしたがって、順に下されることになると思います。

 ぜひとも頑張って欲しいものです。インターネットラジオが抱えている 閉塞感打破するためにも。


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