オーバーワーク警報発令
基本的に個人運営のラジオサイト1つにつき制作している番組ってのはせいぜい1つか2つ、というのがほとんどです。
そりゃそうだわな。本業持つ傍ら片手間に更新を続けているサイトがほとんどですし、時間が無限にある訳でもないですし。そもそも無闇に番組数を増やしたところで、それがすべて面白いという保障もどこにもない。だったらむしろ1本の番組に集中させてそこに全精力を傾けた方が結果としては効率がいい。
というのが、トーシロの私としては思うところである訳なんですが。
そんな考えに完全に逆行して突っ走ってるサイトが存在します。もうここではお馴染みになりましたね。下関のラジオサイトくりらじ。
これ執筆時点で制作番組数14番組、内12番組が毎週更新と、量の上では完全に他サイトを圧倒しています。こんだけ作ってると質の方に懸念を持ちたくなるところなんですが、今のところ「程よいマニアック指向」が幸いして、質的にもいい所をひた走っております。
短期的には結果は出ないかもしれませんけど、この質を維持できれば着実にリスナーは増えていくと思います。つー訳でこの点では心配していない、のですが。
実は私、番組とは全然違うところで、ちょっと懸念を抱いてます。今回ちょっとこれを書いてみたくて。他サイトの制作者さんにも聞いてもらいたいので、メールではなくここに載せてみたいと思うのですが。
番組数が増える、ということは当然ながら比例定数にしたがって、制作にかかる時間ってのは増加していきます。
制作時間が増える、ということは当然その間、制作者さんはこの時間中、拘束される訳でして。
で。ちょっと思うんですけど、くりらじの制作者さん、というか全番組のエンコード・編集・Web管理を一手に引き受けてるB.J氏の作業量、既に臨界点超えちゃってませんか?
既に兆候はちょくちょく見られるんです。ここ1ヶ月近く、raファイルへのHTMLリンクが間違ってたり、番組が更新されていなかったり、またはファイルが無かったりといった、単純なんだけど聞き手にとっては致命的なミス、というのが頻発してるんですね。
B.J氏もこの事はもう既に十分認識しているみたいです。他番組中に他メンバーに「頼むから自分の出てる番組チェックしてくれよ!」と頼みこんだりしていますが、そのチェック機能も十分には働いてないみたい。少なくとも事務レベルにおいてはもうB.J氏一人では手が回らない状況に追い込まれているような気がしてなりません。
さらに客観的に見るために、ちょっと数字を出してみましょうか。えっと・・・・・ちょっとごめん。ひきあいに使わせて>五島氏。現在定期更新番組を3つ回してる五村富士を見てみると。
- 週当たり収録本数 2.5本(隔週更新1本)
- 週当たり収録時間 75分
- 週当たり編集時間 75分
- 週当たり合計作業時間 150分=2.5時間
こんな感じ。編集時間は上下あるんだろうけど、収録マスター時間と同等として換算しました。これを月(4週間)に累計しますと。
- 月当たり収録本数 10本
- 月当たり収録時間 300分
- 月当たり編集時間 300分
- 月当たり合計作業時間 600分=10時間
つまり月当たり10時間は五村富士のためだけにプライベートを割いてる事になると。で、私的にはこれが「本業を他に抱えてる一人の人間が割く事のできるほぼ限界値」なんじゃないかな、と思っています。これでもちょっとオーバーワーク気味かな。
んじゃ、問題のくりらじを見てみますね。
- 週当たり収録本数 12.75本(隔週1本、月一1本)
- 週当たり収録時間 255分
- 週当たり編集時間 255分
- 週当たり合計作業時間 510分=8.5時間
番組の収録時間は1本当たり20分として計算してみました。編集時間は収録時間と同様にかかったと判断。
これを月で見てみると。
- 月当たり収録本数 51本
- 月当たり収録時間 1020分
- 月当たり編集時間 1020分
- 月当たり合計作業時間 2040分=34時間
こうなっちゃうんですよね。確かにこの計算値はこちらの勝手な推測値でしかありませんので、現実値とは食い違ってるかもしれません。ただそれでも、この計算にはWebページそのものの修正作業やアップロード、企画編成やメールの処理、メンバー間のスケジュール調整などは含まれていませんので、最終的なトータルを考えれば、あながちかけ離れた値でもないと思います。
他サイトの皆さんも一度この計算はやってみることをぜひお勧めします。自分のやってる作業が果たしてどれくらいの負担になっているかを客観的に捉えることは絶対に必要ですので。
で、このくりらじさんの数値。どう考えても趣味の域は越えちゃってます。完全に副業状態(しかも無報酬(^_^;))。
この数字を見てると「体持つんかなぁ」という不安がどうしても拭えないんですよ。
実はこのお話、以前Webラジオ徒然草の植部さんとメールで喋ってた時にも話題になってたんです。「数の増加が質の低下に跳ね返らなきゃいいんですけどねぇ」「それ以前に倒れて更新止まっちゃったら元も子もないですしねぇ」つうことをお互い喋ってたんですよね。ちょっと今のところそんな予測通りの道を走っちゃってるかなぁ、と。そんな気がしてます。
確かにこうゆう指摘をしてみたところでB.J氏が「んなもん大丈夫だって、100時間だろうが200時間だろうがヘーキだって!」と言うのでしたら、こちらとしても止める権利も資格もありません(笑)。それに「逆にこれだけの時間をこれに費やせているということはシアワセな事じゃないの?」といった反論もあるとは思うんだ。
でも、どうなんだろう。私としてはこんなペースで3年も5年も続くの?という疑念がどうしても消えないんですよ。全力投球続け過ぎて体力使い果たして空中分解したWebサイトやらバーチャルプロジェクトやらを腐るほど程見てるだけに。くりらじにこの二の轍は踏んでもらいたくないんですな。5年後10年後ストリーミングがいっぱしに勝負できるようになった時に「黎明期にはくりらじなんていう番組もあってね・・・」なんて話はしたくないんです。
どうでしょう。一度ここらで手綱を緩めてみては?一度「いかに手を抜くか」を模索してみつ必要があると思いますね。
逆を言えば今後は「手を抜きつつ番組の質は落とさない」やり方の模索が必要になると思います。これ掴まなきゃ体持ちません。
もっと言えば「常時全力投球しなきゃいい番組作れない」のであれば、所詮その程度の番組作成能力しか持ちあわせていないだけの話です。
つー訳で。ちょっと考えてみてくれませんか?くりらじの場合、どうやら全番組の更新及びWebメンテナンスを手作業で行ってる雰囲気が強いので、この辺に取られる時間の短縮化&ルーチン化をするだけでも相当体ラクになると思うんですよ。おそらく現段階ではまだ不人気番組の打ち切りを判断するには早過ぎますし。後方過程をラクにしていく作業の方が急務かと思われます。
あとは、下手に人海戦術で切りぬけようとするよりは「一人でやった方が早い」と思われるまでに徹底して作業のルーチン化を進めてしまい、その後ルーチンワークそのものを情報共有することで、個人負担を分散させた方がいいと思います。はじめは却ってしんどいかもしれませんけど、それ超えたら作業時間格段と違うはずですから。
(ついでに言うと「ミスがみつかったらその時点でみんなでよってたかって直そうね」という観点はシステム的にあまりよろしくありません。ミスが出る根本の切り離しができてない訳ですから、もぐら叩きの永久ループなんてことにもなってしまいます。あくまでヤバげなところは元から断ちませう。)
まぁここらへんから手をつける感じですかね。具体的な策とかは、助言くらいならできるかもしれませんので、もしよろしければメールでも下さい。番組で呼びかけてもらっても可>関係者御中。
んで、長々と書いてきたんですけど、こうやって全員に見られる場所に書いたってことは、これを決してくりらじだけの対岸の火事だとは思わないで欲しいという意思表明でもあるんですよ。
モノ作ってる以上は衝動的に「あれもやりたい」「これもやりたい」つう欲求てのは必ず出てくると思います。というか絶対に出てきます。でも、「じゃあそれ全部やろう」だけではクビを絞めることもあるんじゃないの?というのを覚えておいて欲しいんですな。
「んなもんやってみなけりゃわからんじゃん」つー反論もあるとは思います。でも、こうゆうセリフを言うときってのは十中八九、「どこからは明らかにできないか」を見失ってることがほとんどです。B29に竹ヤリで突っ込んだ所で千回中千回撃ち殺されるのがオチ。
頭のどっかでは冷静な部分持ってような。ホット&クール。
万物の基本です。どうせなら勝ち戦をしようぜ。
(後日談:00/06/07)本文章アップ後、早急にくりらじにて緊急MTGが執り行われ、 更新作業の作業分担化および軽減化が確認されたとのことです。 なんかこう書くとどこぞの市議会の質疑応答みたい(笑)。
まぁそれはそうと、もうくりらじに関しては心配ないでせう。 意識持ってやってる限りは大丈夫だと思いますので。頑張ってくらはい。
くりらじと同じようにオーバーワークのジレンマに悩まされる サイトってのは今後もおそらく出てくると思います。まぁモノ作る人間なら 誰しもがブチ当たる壁なんじゃないかな。理想論と現実論を巧みに使い分けて 切りぬけていきましょう。