お外に飛び出せMP3


 ここ数ヶ月、またMP3関係の動きが面白いことになっています。

 もはやパソコンで音楽を扱うフォーマットとしては十分に浸透した感のあるMP3ですが(もはやATRAC3の入る余地はないような気がするな)、ここんところの動きとして面白いのはソフト面よりもむしろハード面なんですよね。

 まず、各社が競って低価格帯(1万前後)の携帯MP3プレイヤーを発売したことで、普及率がどんどん高くなってること。次にPDAのMP3対応ね。ザウルスは既に別売で、MP3再生キットを発売していますし、Palmの方もVisor用MP3プレイヤーが既に売り出されてます。携帯電話では、ドコモがソニーのメモリスティック使って音声を再生する(だから正確にはMP3ではない。ATRAC3かな?)SO502iWMを発売しました。今マジで売れてるらしいです(^_^;;;。

 今まではPCか専用プレイヤーしか聞けなかったMP3が、どんどん他の媒体に輪を広げてる。これは確実に言えるでしょう。

 さて。となるとラジオ偏向かかってる人間としてはこんなことを考えますな。

「電車の中とか車の中とか、もしくはパソコン切ってベッドに寝っ転がりながらインターネットラジオ聞けりゃシアワセじゃん。」

 自然な発想でしょ?と力ずくで己の願望を正当化する私(笑)。

 しかし現状のところどうなんだろ?これから外でこうゆうのを使おうと思ってる人間にとって、今のインターネットラジオって聴取のターゲットに入ってるのだろうか?

 そんな疑問もあり、ちょいと前にTOPのちょっとだけニュースで「MP3ってどうなんだろうね?」つーお話をしたんです。

 そしたら食いつきがありました。ハックでは初登場になりますN-MIXさんから反応がありまして。

 「とりあえずうちの現状としてはこんな感じですよ」とデータを頂きました。やた〜。ありがとうございます〜。

 で、ちょっと見て欲しい、これ。N-MIXさんの中で配信された番組のタイプ別アクセスカウントの集計です。

過去3回の種類別アクセス数
配信方式ファイル形式アクセス数
ストリーミングRealPlayerG2383
ストリーミングRealPlayer3.0760
ダウンロードRealPlayer3.0140
ダウンロードMP372
ストリーミングRealPlayerG2193
ストリーミングRealPlayer3.0368
ダウンロードRealPlayer3.057
ダウンロードMP324
ストリーミングRealPlayerG2110
ストリーミングRealPlayer3.0535
ダウンロードRealPlayer3.027
ダウンロードMP312

(*数値に関しては計算時点での累計とのことです)

 ということなのですが。私が見て「おや?」って思ったのは、数値そのものよりもその比率なんですよ。MP3でのダウンロード比率がかなり低いです。RAの半分以下。ちょっと、というかかなり意外。

 ストリーミングがダウンロードに比べて数倍ってのは納得いくんですよ。リピーターはともかくとして「試しに聴いてみよう」という方が選ぶのはまずストリーミングでしょうし。(あ、でもその割にはG2選択率は低いな・・・これは圧縮率の反映かな?)

 でも、ダウンロードしてく人が圧倒的にRAを選ぶとは、ねぇ。ここまで明確に差が出るとリスナー側が意図を持ってRAをダウンロードしていると汲み取った方がいいかもしれません、この格差を見ると。今既にストリーミング環境に慣れている人にとっては、無条件にRAを選ぶ、みたいな習性があるのかな?確かにファイルサイズそのものを見ればRAの方が小さい訳ですしね。

 ということは、今のところはまだまだこうゆう配信方式が、パソコンの世界からはいまひとつ抜けきれてない、ということも同時に言えるんだろうなぁ。うーん、ちょいと現実を見たような気分。

 ただ、この後のメールとかでも話してたんですけど、じゃあ今後どうなるか、となるとMP3を切ってRA一本にする、逆にRAを切ってMP3一本にする、この両方にもリスクあるよなぁ、というのを感じるんですね。

 つーのも。どっちも可能性あるんよ。優柔不断な判断だけどさ。

 まずRA。ストリーミングメディアとしての地位は既に確立できてますよね。この点でダウンロードが主体となるMP3との棲み分けもできてますし。今のところ希望的観測でしかないとはいえ、高速な常時接続環境が一般的になれば、それこそ湯水の如くストリーミングが使われるのもまず間違いない。はず。となると、「聴いてもらうため」の現段階であり得る最大公約数的な選択肢を切ってしまう度胸が果たしてあるのかどうか。はっきり言ってないぞ、俺には。

 一方のMP3。今後さらに普及していくとなれば、どんどんMP3がパソコンという閉じた世界から抜け出していくことは間違いないと思うんよ。となれば、作り手・送り手にしてみたら、これに飛び乗らない手はないよね。(確かにRAでダウンロードしてから別ソフトでMP3に変換・・・という方法も既にあるといえばあるけど。一般的なリスナーがわざわざこうゆうめんどくさいことやるかどうかとなると疑問)

 となると。両方とも、一応明るい未来が見えている、ということは喜ばしいことなのかもしれんけど。今使う人間としては非常に悩むよね。これは。

 もちろん理想としてはN-MIXのよにMP3もRAも両方できます、ってのが理想なのかもしれないけど。これもサーバ容量の関係や作業時間等が絡むから一概にやれということもできませんし。

 うーん、悩ましい(笑)。

 となると、やっぱり結論的には「留意して見守ろう」的なことになっちゃうのかな。うわーなんか日本人的だけど。でも断言できないもん、こればっかりは。

 今回は話題から外してますけど、WMPもまだ「死んだ選択肢」ではないですし。ストリーミングの世界では完全にRAに負けたとは言え、音楽配信や著作権保護、並びにピア・ツー・ピア通信の分野では虎視耽々と準備進めてるようです。他にも有象無象がメインを狙おうと市場の中や外でぐるぐると回りながらエモノ狙ってますしね。バターになっちまうぞ。

 当面の間としては作り手側も、聞き手側も、この時はこれ、てな感じで使い分けていくのが結局は一番カシコいのかもしれませぬ。

 現実的には・・・ストリーミングを重視したければRA、携帯MP3などでの聴取を頭に入れるならMP3・・・的な選択肢になるのかな?

 ま、結局最後はコンテンツの優劣がこうゆう市場動向も握ってくるのでしょう。むりにひとつに賭けて玉砕するなんてバカみたいですしね。お互い濁流に飲み込まれない様気を付けましょう(笑)。

 という訳でN-MIXさん、貴重な情報ありがとうございました〜。

<追記(00/12/20)>ごめんなさい〜。サイト名をK-MIXと間違えて載せてしまいました〜。これは静岡のFM局だ〜。大ポカ。すんませんすんませんすんません。土下座。


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