目を覚ませJASRAC。


 ちょいと前に相変わらず的にJASRACをクソミソにけなしまくる文章を書かせてもらったのですが、そこからちょいとした進展がありますた。

 読者さんからメール頂きまして。ありがとうございますです。これもらったのが去年という訳で、実は既に決まってから1ヵ月近くが経過してしまっているのですが。ごめんね、遅筆で。

 以前私が突っ込んでいた、JASRACが決めた最終合意の中に定められてた「10曲まで月1000円」という表現。これが文化庁申請の段階で、「1曲年1200円または月150円」という表記に変わったそうなんです。ニュースソースはhttp://www.zdnet.co.jp/news/0012/22/jasrac.htmlをご覧くださいませ。

 これによると、ホームページ上で使われる音楽はBGM的役割で使用されるため、10曲単位での課金は取り過ぎになる恐れがある、というのが根拠みたいです。まぁ私もこの点に関してはこっちの方が妥当だと思います。実際には1曲使うだけであった場合にはボッタクリ率1000%になっちゃいますからね。むっちゃいいかげんな計算だけど(笑)。

 まぁインターネットラジオ的視点からしてみれば著作隣接権の問題は一歩たりとも前進しないどころか後進を続ける一方だし当分未来は暗いとしか言いようがないのですが、それでもことラジオでMIDIを使う場合の著作権に関してだけはかなりクリアになるな(逆言えば、はなからMIDIをBGMに使いたかった人とかにとっては朗報だろうね)、と多少なりとも考えてたのですが。

 やはりというか、予想以上に反発は強いようです。反発してるのは自作MIDIを公開しているサイトや、携帯着信メロディを公開しているサイト。これらのサイトのJASRACに対する不信感って相当のモノがありますね。いろいろWeb回ってたらいつの間にか興味対象がこっちに移っちゃって。

 この辺のお話ってついつい「インターネットラジオには関係ないや」と見逃してしまう方とかもいると思うのですが、これ決して他山の石とするべきではないと思うな。という訳でかなりざっくりとですけどまとめてみました。この辺の複雑な事情。

 MIDIにせよ着メロにせよ、既存曲を公開した場合、このファイルなりの作品には、作り手の編曲・編集・ミックスダウンなどによる著作隣接権というものが発生します。

 つまり、MIDI作品を発表する人ってのは、一方では他人の著作権を使わせてもらっている一方で、自分もまた著作権者である、という複雑な立場になるんです。

 一方JASRACからこの作者さん達を見た場合も、取り締まるべき対象でもあると同時に、守るべき対象でもある訳で(現実としてのJASRACはともかく、JASRACの設立目的は著作権者の保護である訳ですからね)。この辺が既にジレンマかかってますわね。

 じゃあJASRACは今までにどうゆう方針でMIDIとか着メロとかに対処していたのか。一応表では「ダメ」という方針を出すと同時に、「実験」という意味合いの元、一定の条件の基で逃げ口上(お金取らないということ)を用意しましたと。これがNIFTY時代のFMIDIであったり、その後のWebであったりする訳ですけど。懲罰的にMIDI等を取り締まることに対して内外からも「文化の摘み取り」という批判をかわす意味合いもあったようです。

 それが今回の最終合意によってJASRACの方針転換が明らかになった、そこにユーザが大反発してる。こうゆう事情がある訳なんです。

 どうゆう風に変わっちゃったか、ぶっちゃけて言ってしまえば、今回の画定ではJASRACは著作隣接権に対する管理をないがしろにしたまま、課金設定(権利確保)に走ってしまった。ここに衝突が発生してます。

 ぶっちゃけて言ってしまえば、JASRACの言い分はこう。「俺らが管理してるのは作曲・作詞といった主著作権だけだもんね、後のことは知らんもんね」。これです。

 もちろんJASRACが面と向かってこんなこと言う訳ないんですけど、ストリーミングで音楽を扱う際、著作隣接権の壁がはるか成層圏をも超える高い壁になってる現状がありながら、その周知宣伝には消極的すぎる態度から考えても、まずは取れるものを確定させておきたい、という思惑が見え隠れするのは容易に検討がつきます。この辺の根っこはおんなじなんだよね。

 で、従来の編曲者とかレコードの制作者とかに対する著作隣接権の場合でしたら、長年の話し合いの結果「クリアしたことにしましょうね」という暗黙の了解的な取り決めがあるけど、MIDIとか着メロの編曲とかに対してはこのお約束がまだ存在しない。

 こんな状況で料金だけ決められたところで、じゃあ編曲者に対する著作隣接権はどうすんねん、配布者としての権利はどう約束してくれんねん。こうゆう問いにまったくJASRACが応えてない。ここに根本(のひとつ)が存在してるんですな。

 ふーーーー。長かった(^_^;;;。

 で、こうゆう曖昧さ&傲慢さが、ユーザサイドの人間不信に拍車をかけてるような気がしてます。

 例えば「著作権料払ったとして、テメェラほんとにその金アーティストに渡してくれるんか?」と言った問題。実際JASRACはこんなページ立ちあげて対策にバカスカ金使ってる現実があるだけに、果たしてJASRACは著作権者守る気ホントにあるのか?と疑っちゃう訳(俺、この点に関しては私も不信感大。JASRACのやり方ってドロボウ相手に商売してるようなもんだよな。他にやることあるだろバカ)。こうゆう信用問題ってこじれちゃうと(つーかもうこじれてるのか)ホント尾をひくからね。税務署員=友達になりたくない=大馬鹿野郎の図式と一緒(笑)。

 で、もはやこれってこうゆう感情問題にまで発展しちゃったと思うんですよね、個人的には。JASRACの手の打ち方が今まで遅すぎた、しかも今度は早すぎる、常に自分の都合のペースだけ考えてきてやってきたツケが一気に噴出しちゃったのかな、と。そんな印象を持っています。

 うーん。

 ホントにこの問題、解決できるんか?個人的にはかなり懐疑的になってきちゃってるんですけど。この著作権問題追っかけててずっと思うんですけど、もはや今の著作権法って、このアホみたいに発達したネットワークコミュニティの中では風化、というか無力化してるような印象がありますです。

 この無力化してしまってる法律を顔真っ赤にしながら意固地に守り続けてるような印象がありますね。日本国内を見てても、アメリカとかの海外の動き見てても。踏ん張りすぎると脳溢血で黄泉の国直行しちゃうっつーの。

 これを壊せっつってもなぁ・・・・できないかもなぁ・・・(^_^;;;。

 まぁ今後もお互いの利権巡って血みどろの闘いは続くんでしょうけど。ユーザサイドから言うとするならば、誰だって犯罪者にはなりたかねぇよなぁ、つー小心者根性はやっぱり大抵の方は持ってると思うんですよね。それが有料にせよ無料にせよ、公明正大に音楽使いたい、というのは一致した意見だと思うんだ。これはJASRACにしたって一緒じゃねぇの?使ってくれなきゃ権利料入らない訳だし(笑)。

 そうゆう意味からとっても、料金があーだこーだ、制限があーだこーだという細かい線決めをすること自体が既に無駄な労力と化してるんじゃないのかなぁ?どんなに繊細に描こうが、絵に描いたモチは食えやしねぇぞ。一度ビルド&スクラップでもして、ベストとは言わなくてもベターな選択肢を作らなきゃいけないような気がしますね。

 まぁなんにせよ、インターネットラジオだろうがMIDIだろうが着メロだろうが、細かいジャンルなんぞ関係なく、ビクビクすることなく音楽流せる世の中に早くなってほしいもんですね。贅沢な悩みなのかな?これって。

 今まで散々デブだの手術必要だの利権害悪のクズだのと散々罵倒してますけど、これ打開するには、結局はよくも悪くもJASRAC次第だと思うな。もうユーザとしての意見は十分に挙がってる。これを咀嚼するか唾棄するか。これはもうあんたら次第だと思うぜ。

 どうなの?ホントのところ。


 という訳で。ふー長かった。

 で、何回かに分かてこの著作権問題書いてきましたけど、もうそろそろいいや、つー気が多大にしています。つーか結論出てるし。既に今回の文章にも意見の重複とか出始めてますしね。もちろん進展とかありましたらちょっとだけニュースで取り上げるつもりではいますが、こうゆう風に突っ込んだ文にするのは今回で最後にするつもりです。他にやることあるしね。

 インターネットラジオにおける使う・使わないの最終判断は各サイトに委ねますが、無理に固執することないんじゃない?ってのが現実的な結論かな。卑怯なのは百も承知だけど。BGMの有無如きで番組の質が上下するなんてこたあまりありませんし、そもそもあっては困る。聞き手が。

 今何ができるのか、を考える方が現実的だと思いますよん。

 あ、最後に。各MIDI制作サイトさんや着メロの制作サイトさん。ひきあいに出しちゃってごめんね。なんとかいい方向に話が進むよう、陰ながらお祈りさせて頂きます。がんばってね。


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