作ってできてはい終わり。


とある午後の昼下がり、やる気無い高校生が 授業さぼってトイレでタバコふかすのと まったく変わらない心理状態のまま「たっかりぃなぁ」と 喫煙室にてだらけまくっていた時のこと。

 ふと隣の方からこんなお話が耳に入ってきた。 盗み聞き、という訳ではないが興味深いので要約抜粋。

「昔はさぁ、ホームページ作るの面白くてさぁ。」
「へぇ、作ってたんだ」
「前はね。でもつまんなくなっちゃった」
「なんで?」
「だって今簡単にできちゃうじゃん。ツールもあるし。1から作る必要も 無くなったし、当たり前のようにできちゃうから、作る気なくなっちゃっ たんだよね」
「ふ〜ん」

 思わずこっちまで「ふぅん」と言ってしまいそうになりました。 慌てて口をふさぎました。

 なかなか貴重な意見を思わぬところで得る事ができました。 これ、典型的な「作る過程が大好き」なタイプですね。

 もともと文章をHTMLにしてアップするだけなら誰でもできます。 3日でできます(いや、まじで)。ただ、これをベースに していろいろやろうとすると結構奥が深い。だからホームページ を作る事自体に目的意識が発生するし、作ってるだけで楽しい、 という感覚も存在します。プラモデルと同じですね。

 ただ、この会話聞いててやっぱり気になったんです。あれ? 何かずれてないか?と。

 確かにこんだけいろいろやる事あると作り手側に純粋な楽しさ、というのは 芽生えます。でも、これのみ、を追求してしまうと「完成した瞬間に 目的達成してしまう」んです。よくできたばっかりのページなのに やたら豪華で、作った本人はいたる所で自慢しまくってるけど、 そっから全然進展ないページとかあるでしょ。HJとか(おい)。

 ホームページって、作ったモノを見てもらって初めて成り立つものでしょ。 見てもらうための様々な表現の手段として、いろんな技術がそれを支えて いるわけで。

 だから上の会話聞いて「あぁ、作る側のみの論理だなぁ、それ」って 思ってしまいました。完全な自己完結の世界になっちゃってるのね。 ホームページを作った時点で目的は完成しちゃってるから、そこから 精度を上げていこうとする気もしなくなるし、あとは廃れて朽ち果てていくのみ。

 企業のホームページなんてほとんどがこの自己満足に浸りきってるじゃん。 (もちろんわかってるページもあるけど) 絵ズラだけ立派で中身スッカスカのページ作って、異常に宣伝してるけど 何の役にも立たない、暇つぶしにもならない。創設者の銅像と同じ。 それで作り手側は大満足しちゃってるんだからさ。 勝手にやってろ、って感じですけど。

 作ってそんだけのスカスカページなんて見たくもないもんな。時間のムダだし。 こうゆう所からも作る側と見る側のディスコミュニケーション、起こってると 思うんだけどなぁ。


新着別 分類別
Index