「髪、から考えてみよう」


 今回、人に見せるため、というよりは自分で頭の中整理するため、といっていいです。この文章支離滅裂御勘弁。


 言われるとは思ってたんだけどね。覚悟はしてたんだけど。やっぱり言われた。

「まず一言言っておきたいんだけど・・・」

 ここは会社。今から今後の契約関係について話し合いを始める、というわりかしシビアな場面の冒頭。

「その髪。切りましょうね。」

 今、私の髪、結構長いです。今年の春先から伸ばしはじめて、今ようやく後ろの髪が肩にかかるかな、という所まで伸びてきました。 ちなみに以前は約2年かけて背中まで伸ばしてました。 途中でうっとおしくなってばっさり切って、でもまた寂しくなってまた伸ばして・・・という段階。当然会社にしてみれば良くは思わない。以後、こんな言葉によって説教、というか説得が行われました。約3分間。

「やはり社会人として・・・」
「今度また後輩が入ってきますし・・・」
「周りは周りだから」
「見られている、という自覚を・・・」
「第一印象、というのもありますし」
「合わせてやっていきましょう。お願いね」

確かこんな事言われたのでしょうか。聞き流してるんでうろ覚えですが。 私はこの間、「はい」とも「やだ」とも言わず、ただ笑ってごまかしていた事を付記しておきます。

 ちなみに私、今は髪にはそんなにポリシー持ってないので念のため。 正直自分でもまたうっとおしくなってるのよ。風呂のあと全然乾かないし。リンスの消費量早いし。朝寝グセ直すのすんごくめんどくさいし。冬は乾燥してぱさつくし。
 髪の長さはともかくそろそろ切り揃えないと自分でも収拾がつかなくなっている&髪痛んでるのでそろそろまた美容院行かなきゃ(床屋キライ)と考えてます。切らないかもしんないけど(笑)。

 それよりもこの会話(?)から本来とは全く別の論点で考え込んでしまいました。帰りの電車の中で、車の中で、ご飯食べながら、お風呂入りながら、布団で寝っ転がりながら考えてたら夜更かしして次の朝寝坊しました。あほですね。

 ちょっと自分の頭の中の整理も兼ねて、テーマ絞ってみましょうか。

 そういえばちょっと前にこんな事もありました。今の派遣先に来てたメンバーの一人が、自社の都合で本社に帰ることになったんです。 ちなみにそのお方、少しだけ髪を脱色してまして。 今時脱色なんぞ珍しくもなんともないでしょ、と思っていたら、送別会の時になんと髪を黒く染めてご登場。 「えぇ?なんで染めちゃったの?」と聞くと曰く、「今度の契約先と派遣契約のための打ち合わせするんだけど、その時だけでも頼むから黒に戻してくれ、ってすがられた」との事。 「打ち合わせ終わったらまた染め直すから大丈夫」と本人はけろっとしてたのでまだ救われた感もありますが、それでもやっぱり複雑な心境でした。
(Sさんお元気ですかい?)

 さて、根本的な疑問。なんで「染めてくれ」って頼まれたんでしょう。 ま、どう考えてもまず「髪を染める事自体をよしとしない」ってのが大前提なんでしょう。でもこれだけが原因なら「君!何なんだその髪は!染めなさい!」の一喝で終わり、のはずでしょ?でも実際は「お願いだから」ってなってる。命令じゃなくて頼まれてる。この辺に糸口が見えるような気がしますな。

 もう少しツッコんで考えてみましょう。「取引先が・・・」と言ってる。パターンとしてはこのどれかでは。

  1. 自分の意見のみでは自信が無いから取引先という言葉を使った。
  2. 自分の意見とは関係なく外っ面のイメージを気にしている。
  3. 本当に取引先がそうゆう行為を嫌っている。

ま、書いてはみましたけど(3)は無さそうな感じですね。もしそうゆう具体的な情報が入ってたら、本人が知らないわけが無いですから。となると(1)か(2)か。どっちにしろ説得するにしては情けないやり方だよな・・・弱腰。てめぇ自分の意見で勝負してこいよ、とは思わなくないですけど、それはおいときましょう。それよりもこの2つでなぁんか共通点ないかな、と考えてたらいっこ見つけました。

 キーワード。「横並び」。「平等意識」でもいいや。

 制度上では確かに横並び意識は崩れはじめているかもしれません。仕事するヤツもしないヤツも給料一緒、なんてことはなくなってきましたし、競争する事で意識を高めようという動きもあるにはあります。
 でももっと基本的な所、たとえば日常の会社内での生活とか規律とか、その点では典型的な横並び状態、ぬるま湯に浸かりきってます。人より目立ってはいけない、人より劣ってはいけない、一番いいのは平均点。バランス感覚。みんないっしょでみんな平等、優越なければ不満もないよ。赤信号・みんなで渡って・轢かれましょう。言葉だけならいっくらでも出てきますね、やめましょう。

 この点から照らし合わせてみると先の例、(1)だろうが(2)だろうが説明つきます。(1)なら自社内における横並び感覚の統制、(2)なら自社と取引先における統制。
 で、こんなあいまいな説明しかできないのかもはっきりしてきます。だって横並びにすることで生まれるメリットって全部管理する側にとってのものだもん。横並びにされる側にとって横並びってのは押し付けられるだけの話で、メリットなんてもんは存在しないじゃんか。「理論的に説得できる理論」なんてものははなから無いんだもんね。だから協調性とか周囲の目とか精神論とか、崇高そうにみえるメッキの戯言並べてなんとか引き止めようとする、もしくは「人と違う事の悪」をやたら誇大して心理的に脅す。この2つしか語り掛ける方法無いじゃん。

 あ、そっか。こうやって考えてみると「言ってる単語はリッパだけど説得力全然無いぞ」って思った疑問、なんとなくわかるような気がするな。
 髪を黒くしろにしても髪切れにしても、みんなと違うから、つまり横並びの精神に反するからダメってことになると。でもそのさらに根本となる並びを否定してしまうと、根っこから総崩れしてしまうと。う〜む、結局学校の校則も会社の規律も要は何にも変わっちゃいない、って事なんだな。なんか悲しい結末のドラマ見てるみたいで悲しいんだけどね。

 こうやって考えてみるとかなり横並びって凶悪なのかもしれんな・・・もちょっと考えてみよう・・・・。

 こうゆう事ばっかり考えてるからまた次の日寝坊するんだっての。


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