背広とネクタイで仕事をしよお


 「・・・ヲエッ!」

 私の平日の朝は大抵この吐き気から始まります。理由はこの首に絡み付くYシャツとネクタイ。その上からのしかかってくる背広。朝一番にかならず受ける肉体的苦痛です。

 すいません、いきなりですがちょっと叫ばせてください。

 どこのどいつだ!スーツにネクタイなんで糞忌々しい格好思い付いた奴は!こんな拷問服考え出した奴は!これを日本でも着ようって決めた奴はどこのどいつだこらぁ!いっぺんしばく!出てこいこらぁ!!!

 ぜぇはぁぜぇはぁ。いや、意味が無いとわかっていてもこれ位叫ばないとおさまらないんで。

 私、昔から首根っこ密着する衣服がまったくダメな体質で(精神的なものだと思う)、こうゆうの着ると喉の奥に指突っ込まれるような錯覚に陥ってしまうんです。もはや一種のパブロフの犬。 しかも不摂生がたたって最近は胃がボロボロになってしまっているため、服着るのが起爆剤になって週2回は本当に嘔吐してしまう毎日(医者行けよ>俺)。

 仕方ないので平日の会社は常にシャツの首のボタンは外す、ネクタイは緩める、あるいは外すの典型的ダラしな〜い格好で通してます。だってそうでもしなきゃ体持ちません。

 とまぁ手始めに個人的な不満から書かせてもらいましたが、例によってこっからダラダラと書き連ねてみようと。

 物心ついた頃から「ネクタイ+背広」スタイルに気持ち悪さを感じていまして。なんて言ったらいいんだろ。根拠も何にも無いんだけど、感覚的に「うっわぁ、みんな同じ格好、気持ち悪〜っ!」などと思ってしまう人間です、私。

 去年、一昨年は特にそうゆう思い強かったですね。よせばいいのに大学6年も行ってましたから、同級生や後輩が先に卒業して社会人になっちゃうんです。で、それから 「久しぶりに会おうか」なんて話になる。するとみんな「会社帰りだから」と背広でネクタイぴしっとしめてやってくる。 普通の人なら「あぁ、こいつもなんだかんだで社会人なんだぁ」と感慨にふけるんでしょうけど、私の場合「あぁ、こいつまで背広なんか着てるぅ、ネクタイなんてものまで付けてる〜。また一人遠い世界に行っちゃう〜」(注:ギャグに見えるかもしれんが本人はマジ)とひとりでダークになっていました。

 で現在、かくなる私も、いいかげんながらもネクタイ着て背広ぶらさげて(?)こうやって仕事してますよ。 始めは慣れれば慣れたでいいや、と思っていたのですが・・・慣れませんねぇ。半年間経ったけど全然ダメ。もうこんな姿してる自分に違和感感じまくり。トイレの後洗面台の鏡に写る自分の姿に「・・・・これ、俺?」と思う事もしばしば。

 自分で言うのもなんですが、なんでこんなに背広やネクタイに関する拒否反応強いんでしょうかね?俺。背広をファッションとして受け入れる事が私にはできません。(それ以前に元々いわゆるふぁっしょん感覚はゼロの人間なんですけどね、私)どうやら「背広+ネクタイ=会社=いやん」の三段論法が頭の中で勝手に完成しちゃってるみたい。

 で、素朴な疑問としてなんて「会社=背広ネクタイ」なんでしょうね?自らを慰めるための言い訳も兼ねて少し考えてみましょうか。

やっぱりぱっと浮かぶ事と言ったら「外っ面でいい顔できる」って事が一番なのかな?
 背広なんか着ないけどハンパじゃない知識と経験持っててバリバリ仕事こなしてる人。仕事なんか全然できないくせに、背広だけはピシッとしてる人。 はっきり言って日本の企業(というか日本人)のほとんどが後者を大事にして前者を足蹴にしてる現実があるでしょ? 極端な話、背広着てネクタイしめてればどんなパープリンだって「会社員」って名乗れるんだもん。俺がそうだし。 背広着てるだけで「あ、まともそうな人」、世間の判断なんて所詮この程度。そりゃ自分に自信の無い奴らが格好にすがりつくのも当然か、って気もしてきます。楽だもんね。

 あと、やっぱり「みんなお揃い、それで安心」お子様感覚が強いんだろうな。出る杭は打たれる。一人の罪はみんなの罪。とりあえずみんな同じ格好にしときゃ目立つ事も無いし、無難に過ごせるからそれでいいや、と。よくよく考えてみれば「なに甘えてるねんこら」なんですけど、なぁんかズブズブと吸い込まれたまま判断停止してる感じがしてくるのよね。着る方が着る方で、「まぁめんどくさいけどこれだけやっとけば文句言われないしこのまま着とくかこれ」と流されたまま従ってる。  で、それを見た「服装の乱れは心の乱れ」(私が大嫌いな言葉)なんていまだにほざくじじい共がのさばり続けるんだよな。とっとと棺桶入っとけやボケ!

 ・・・・あ、本音が。失礼しました。コホン。

 でもなぁんかこうやって見るとわざわざ苦痛な思いしてまで背広+ネクタイを続けていく理由って無いような気がするなぁ。とはいえこれを辞める理由も見出せないからずるずると続けてるって気もする。

 なぁんかこれ考えてたら「100年経っても変わりません、伝統と石頭の日本企業」みたいな結論になっちゃって、書いててだんだんブルーになってきたぞ。 やっぱ変化を極端に嫌う一面を端的に表してるような気がします。外目気にしすぎていつまでたっても うじうじしてるからいつまでもいざという時何もできねぇんだよ!山一證券も北海道拓殖銀行もそれで潰れたんだろうが!いい加減目覚ませや!

 ・・・・うぅん、真面目に書こうとすればするほど感情的になってむちゃくちゃになる・・・。ひょっとして今回のこの文章、大失敗ですか?


新着別 分類別
Index