遮断される無意味


 という訳でフィルタリング雑談の後編。(1回分の2回に分けたのよ)

 現実に目を向けますとこのフィルタリング機能、 結構売れ始めてきているようです。上で紹介した サイトからもソフトがダウンロードできますし、市販されてる フィルタリングソフトも結構な売れ行きを示しているようです。 誰が買っているかというと、ひとつは子供を持った親、 もうひとつは学校関係なんだとのことで。

 ま、そりゃそうだろうね。確かに授業でインターネット 画面見せて説明してる途中に、外人のフェラチオ写真とか 出てきた日には教師は真っ青でしょうな。子供は大爆笑 でしょうけど。(これ、実際にあったらしいですね)

 え?笑い事じゃないと?大体そんなものを子供に見せたく ないと?だからフィルタリングが重要な役割を果たすと?

 そぉですかあぁそうですか。ではそのケンカ、買わせて 頂きます(って誰に言ってんだよ俺)。

 そもそもインターネット普段から使ってる人間として の素朴な疑問。「すべての有害情報をシャットアウトする なんて可能なんですか?」と。毎日毎日生まれては消えていく ホームページ。しかもとりわけて進化の速い、逃げ足も速い 幾千幾万のページをすべて網羅できる自信が どこにあると?

 人力だろうが機械的にだろうが Yahoo!並の時間・労力・金でも使わないと絶対に無理。 仮にできても採算の面でかなり危ないんじゃないかな? その間にも雨後のタケノコのようにホームページが できあがる一方で、ささっと登録されたページは影を 潜めますって。アダルトサイトなんか3ヶ月に一回はURL 変えるってのももはや常識に近いじゃん。 結局サイトの情報を常時完璧にする事自体に無理があるのよ。

 でもフィルタリングを求めてくる人間にとって「情報の漏れ」 は許されないのよね。ボランティアのフリーソフトや たかだか数千円のソフトでこれ実現しようって あまりに無謀な要求じゃない?でもユーザが尻叩くもんだから、 仕方無しにメーカーやボランティアが泣きながら より多くのサイトをシャットアウトしてる ってのが実情じゃん。野麦峠の女工じゃないんだから。

 フィルタリングに手突っ込んだベンダーも難儀なもんだね。 相手が金は出さないけど口は出しまくる連中ばっかりが 相手だし。まぁ口出しても聞く耳持たないマイクロソフトよか よっぽどマシか。

 それはともかく、結局は採算って言葉が立ちはだかってくるのよ、 こうゆうのやろうとすると。だから前回の自己登録法式の データベースとか作って苦心してる訳ですけど、やっぱり そうなるとどうしても品質としてはダウンせざるを得ない。 フィルタリングの理想と現実のギャップが全然埋まってないんですよ。

 さて、ここで質問。あなた達はそれでもこの不完全な フィルタリングに対してお金を払いますか?使いますか?

 この際だから、帰ってくるであろう回答も予想してしまおうかなと。 「すべてをシャットアウトしてもらう必要はない。 代表的なサイトを処理して、偶然有害情報に遭遇する確率を 減らしてくれればそれでよい」
 多分、こう言うとは思うんだ。でもなぁ、なんか煮え切らない んですよ。何がって、とにかく他人に頼ってでも子供から 情報を隔離しようとする姿勢。

 言っちゃなんだがフィルタリング機能なんて、利用者(具体的には 親、先生)の怠慢でしかないと思うんだ。第一インターネット に対する認識自体間違ってる。

 有益な情報もあればゴミもある、それがインターネットの 基本方針なのでは?「なんでもあり」の精神があったからこそ 情報の質も量も既存メディアを凌駕できた訳で。その一方で インターネットの大海を上手に渡るためにも「受け手側の 己の判断」を鍛える必要が絶対あるでしょ? 欲しい情報もあればいらない情報もある。見る側が本人の 意志でそれを判断し、時には不要と思えるものでさえも 逆に利用する。これインターネット利用に限らず、絶対に 必要な感覚じゃん。

 今までの教育や社会生活で、こんな能力育てる機会、 今までなかったでしょ?上から決められたものをはいそうですか、と 鵜呑みにするだけだったもんね。己の力を己で鍛える 格好の教材なんじゃないの?インターネットって。

 それがなによ。ケッ。子供にポルノは見せられません、 こんな暴力的なの見せられません、だからこっちでシャットアウト させます、ですか。子供なのはお前らのオツムか? ダメと思うならなぜそれがダメかなのをちゃんと説明して 納得させる。そうやって子供の成長をサポートさせていく のが本来の親・先生の姿じゃん。

 結局てめぇらの言ってることなんて「学校で問題起こされたら 僕が困るもん〜。だからバイト禁止バイク禁止〜」て抜かす 超低レベルな手抜き校則と何ら変わらないよ。 この際はっきり言っちゃえば?「私たちがめんどくさいから 規制かけま〜す」って素直に認めちゃえば?その方が まだ説得力あるよ。

 インターネットの本当の力見せつけるためには、ありのまま の姿を直視させるのが一番。そうすれば放っておいても子供は 勝手に自分のためになるやり方、使い方会得していきますよ。 フィルタリングされたインターネット網なんてただ形を 変えただけのつまんねぇ教育テキストにしかならないって。 そんな事やってたら インターネットリンク集の雑誌が無いと新しいURLも 探せないようなマニュアル依存人間になっちゃうよ。 身の回り見てみろよ。そんな人間ゴロゴロしてるじゃんか。

 いっその事「こんなサイトもあるよ」ってポルノサイトや 暴力サイト、見せちゃえばいいじゃん。「世の中にはこうゆうページも ある。世の中ではこれに対し様々な意見が飛び交ってる。 さて、君はこれを見てどう思う?」 本来、こうゆう教え方の方が自然なんじゃないの?

 結局フィルタリングなんて臭いものにフタしてることにしか なってないのよ。逃げてるのと同じ。現実から目背けるんじゃ ねぇよ!直視しろ直視!

 とまぁこんな感じでフィルタリングに関して書いてはみました。 でも、ひょっとしたらこうやって書くこと自体無駄だったりして。 そんな事考えたりしてます、実は。

 だって、フィルタリングされた情報だけで素直に喜んでる ガキなんかより、Win95(もしくはマック)ごと再インストール してでも無修正画像覗いて喜んでるガキの方が好感持て ないか?実際、こうゆうガキ、これから増えるだろうし。

「なぁ、このフィルタリング外せない?」
「あぁ簡単だよ。先コーが意地になって再インストールしてる けど、無駄な努力だよなぁ」
なんて会話してる風景が目に浮かんできます。

 案外、フィルタリングなんてただの大人のおもちゃにしか ならないのかもね。あ、偽善者のおもちゃか。

 あ、しまった。肝心の有害情報そのものの定義、書き忘れた。 まあいいや、次回。


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