春のシグナル。


 むず。むずむず。

 ん?なんだ?こんな夜中に。なぁんか足がむずがゆいなぁ。虫でもいるんか? んな訳ないか。確かにこの時期に毛布3枚はかぶり過ぎたかもしれんけど、 それにしてもおかしい。う〜ん、めんどくさいけど起きて確かめてみるか。

 ・・・・・・。

 あっちゃあ。虫だよやっぱ。虫は虫でも水虫だけど。

 あ、読者がひいていくのが手に取るようにわかるぞ。 リスクを覚悟でこのまま続けてみようか。

 よぉく足の指を観察してみます。左足の小指と薬指、薬指と中指の 3指間の皮膚がかさかさに割れてひび割れています。ちょっと皮剥いてみます ね。あ、なんか中から水気が。つまんでみよ。むにゅー。わぁ、水気 出てきたぁ。テッシュテッシュ!!

 書けば書くほどさざ波のようにひいていくなおい。

 この3本間以外は何ともないんですけどね。ほどよくかゆい薬指・中指間 を後目に中指・人差し指間はきれいな肌してますし。右足に至っては 「水虫?なんだそれ」とでも言わんばかりに健康的なお肌を維持しています。 なんで左足だけなんだろ?

 ここで足全体を観察してみますが、私の足、小指が内側に曲がって薬指に 密着するような形になってます。昔からタンスの角に小指をぶつけては 泣いていた報いなのでしょうか。おそらくこの密着していた小指・薬指の 間の皮膚がいつの間にかイカれて水虫というものを発生させたに違いありません。 諸悪の根元はこの曲がった小指です。こんちくしょう。

 でも、右足はなんともない。左足と同じように小指が薬指に密着している にも関わらず、かゆくもなければ肌荒れもない。いたって健常な成長を してるんです。

 右足も左足も条件は同じなのになぜに左足だけこんな憂き目に合わねば ならんのだ。左足よ。いつから君は私に反旗を翻すようになったのだ。 私は右利きだが足に関して言えば左利き、つまり足といえば常に君を 優先的に起用してきたのだ。なぜに反抗するか。不満なのか。 確かに足が左利きだったことで特した事といえば、体育のサッカーの時間に 左利きという事で競争率が少なく、しかも当時としては比較的楽なポジションであった サイドバックに優先的に入れた 位である。しかし、私は誰よりも君を今まで信用してきたのだ。 なにもこんな形で裏切ることはないじゃないか。あんまりだ。 非人道的だ。この行き場の無い怒りを私はどこにぶつければいいのだ。くわぁ!!

 ・・・ってヘタクソなくせにどっかで見た文体真似てるんじゃねぇよ俺!

 でも実際まいったなぁこれ。気にしなければおとなしいのに、一度 気がついてしまうと最後、むずむず、むずむず、と苦しませてくれるわい。 しかも迂闊にかけないのよね、これ。下手にかいちゃうと痛い。 皮膚がボロボロになっちゃってるから爪の固さがダイレクトに お肉に当たるもんで、しまいには痛いんだかかゆいんだか訳 わかんない状態になってきます。

 かと言って放っておく訳にもいかないしなぁ。仕方ない、給料出たら 水虫の薬買ってくるか。初期だったら直りも早いっていうしね。

 は、いつの間にか水平線の彼方までひいちゃってる。お〜い、戻ってきて〜。


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