おんがくのうりかた


 始めに言っておきます。B'zファンの皆さん、ごめんなさい。 今から書くことは吊るし上げです、はっきり言って。 ただB'zのアーティストとしての才能や資質について ではなく、あくまでその周りの経営環境、としてのお話です。 何卒ご了承頂きたく、と予防線張っておきます。 恐いからね、こうゆうファンってのは。過去になんか あったんか藤原。

 先日B'zのベストアルバムのリリースニュース見て ひっくり返りました。なんじゃこれは? いや、選曲がとかそうゆうのは問題じゃないんですよ。 見てて思ったのはそのベストアルバムに付いてくるという 特典。俗に言うノベルティーってやつです。これがあんまり なんだな。どうゆうのかと言うと、
 初版特典:ジグゾーパズル
 2版特典:特製ポストカード
 3版特典:再びジグゾーパズル(初版と別絵柄)
おいおいおい、笑わせよんなこれ。 3版連続の特典なんてここ最近ではほとんど 記憶にないぞ。これって結局タダの景品バラまき企画じゃ ねぇのかこれ。

 私、ことCDについてくるノベルティーに関しては 一切の価値が理解できない人間なんで(そんな金あったら 値段下げるかもっといい音作るための資金に回せや)、 なおさらこう思うかもしれないんですけど、これって、あまりにも あからさま過ぎやしないかい?

 だってCDなんてものはその曲が聞きたいから 初めて購入意欲がそそられるもんであって、ノベルティ が欲しいなんてのは普通の人間にとっちゃ考えられない 感覚だもんね。ましてやこのパターンだとノベルティゲット しようとしたら同じアルバム3枚も買わなきゃいけない 訳じゃないですか。明らかに「B'zのコアなファン」の 財布から根こそぎ金ブン取ろうとしているとしか思えないよな。 お前らはマイクロソフト日本法人か(笑)。

 考えたらこれB'z本人にも迷惑な話じゃないのか? 言ってみればB'zってシングル・アルバムの累計 売上枚数ぶっちぎりの1位だからね。黙ってても 出せば売れる鉄板中の鉄板。今回のベストアルバム だって、な〜んもやらなくても100万枚程度なら 軽く超えちゃう(もう超えてる?)でしょ。なのにこんな事やっちゃ ったら「あぁ、こうゆう事しなけりゃ枚数いかない んだなぁ、悲しいもんだなB'zも」と思っちゃいますよ、 事実なんか抜きで感情としてね。

 売るための戦略ってのがあまりにわざとらしくて、 見てる方からするとひいてしまうんです、こうゆうの。 ヒットチャートがその音楽の善し悪しに関係ないところで 決まるなんてのはとっくの昔にわかりきっちゃってるけど、 それ差し引いても「ここまで墜ちたか」となっちゃう。

 で、思うんだけど、これだけあからさまでも やっぱり買っちゃう人は買っちゃうんだろうね、アルバム3枚。 「ノベルティーなんて関係ない!3枚でも5枚でも買って B'zに印税落とす!」ってのだったら話は別なんだけど。 むしろその決意潔し。
 でもその一方で、「アルバム3枚買うの 勿体無いな〜、でもノベルティー欲しいし。う〜ん、 買っちゃえ」って人だったら、やっぱ私には理解できんよ。 ノベルティはあくまでおまけ、目的はあくまでCD、 ってなるのが筋なのに、ノベルティーがメインで CDがおまけになっちゃってるでしょ。 モノの評価逆転しちゃってる。 ライダースナック買ってカードだけ持ってスナック捨てる ガキかあんたらは。同じCD3枚も買うことのどこに 意義があるってのよ。普通に考えたらやっぱ勿体無いじゃん。 そんなことする位だったら そのお金でザ・カスタネッツ「MARKET」買って くれよ。ドサクサに紛れて何を懇願してるか俺。

 あ、なんか結局ファンにまで矛先行っちゃったな。 ごめんね、B'zファンの皆さん。この辺弱気ですけど(笑)。

 今回たまたまB'zが俺の目に入って槍玉に上がって しまいましたけど、別にB'zに限った話じゃなくて、 この傾向、日本のミュージックシーン全体に言えてるような気がする んです。
 やっぱノベルティってのは新規のファン(=お客さん) を獲得するための手段というよりは昔からのファンを 守るための消極的な戦法でしかないと思うんよ。

 ノベルティー効果でアルバムが2倍3倍売れたところで 嬉しいかそれ?短期的には利益につながるけど、 アルバムが売れたところで それは新たな顧客獲得にはつながってないんじゃないの? 長い目で見るとそれって自分で自分の首締めてるんじゃ ないのかね。派手にバラまいたところで、数ヶ月後には 中古CD屋で580円で売られて、それでも山のように 売れ残るんだぜ。それって虚しくないか?

<追記:99/06/12>案の定、先日このアルバムが3枚600円の コーナーに山のように積まれてました。妥当な市場評価だと思うよ。

 守ることしか考えなくなってしまったモノの末路が 目も当てられないものにしかならないなんてのは とっくの昔に証明されてる訳じゃん。縮小するマーケットに 未来なんかありませんって。

 今回はノベルティって事で話掘り下げてますけど、 話はそれだけじゃないですわ。タイアップ偏重、プロデューサの 祭り上げ。いい音楽を創り出すか、って視点が 売る側に欠如し始めてるんじゃないのかな?

 そりゃ商売だし、採算無視していいの作れとまでは 言えないとは思うよ。でも頭の片隅程度には「いいものを 作る」ってのは覚えておかなきゃいけないんじゃない?

 だからそんなしょーもない小手先だけのごまかしなんか やめましょうよ。結局「いいものはいい」ってのが唯一 かつ最高の判断基準なんだからさ。どんなに経営戦略で 売上伸ばそうが、結局作品がしょぼかったら後には 残らないんだから。

 もっと前向きに行こ、前向きに。


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