新着別 分類別¥11500−
あぁ、たっかるいなぁ。なんでわざわざ派遣社員が 自社戻ってミーティング出なきゃいけないんだろ。 連絡事項程度だったら電子メールかFAXで十分じゃんか。 めんどくせぇ。
と、いつものように怠惰な心境のまま、派遣先から自社が ある名古屋に戻るため私は名鉄豊田線に乗り込みました。
移動時間は約1時間。慢性的な睡眠不足に悩まされている 身体にとってこの1時間は貴重です。 「ま、何はともあれCDでも聞きながら一眠りしますか。」 と思いつつ、電車の窓から駅に張ってあるポスターに 何気なく目を向けました。
や。やや。ややややや。
なんだこの広告は。白地に青い文字で、
このポスター
このサイズ
この駅で
¥11500−
(1週間1枚)こう書かれている。だけ。
どうやら名古屋鉄道こと名鉄自身によって執り行われている 「安いよ兄ちゃん、頼むからうちの駅にポスター張ってくれよ ¥11500だよ〜」一大キャンペーンが実施している みたいです。
何気にその駅全体を眺め回してみました。
「このポスター」「このポスター」「このポスター」 「この駅で」「この駅で」「この駅で」 「¥11500」「¥11500」「¥11500」
うっわ〜!この駅、このポスターしか貼ってないやん!
そこまで苦しいのか名古屋鉄道。確かにこの不況の中、 企業が捻出する広告費もジリ貧で苦しいというのも わかる。しかし君は君で落ち度あるのではないのかね? 実際、どんなバカでも「あ、おれはコケるな」とわかりきってる 愛知万博の広告には湯水の如く金使ってるではないか。 あんだけバカみたいに金突っ込んでおきながら、たかが 1万のポスターのスポンサー探すのに四苦八苦してる ようじゃ、企業の利益追求方針としてあまりにも手ぬるい のではないのかね?
ん?なんか話ずれてきたな。元に戻そっと。
改めて「¥11500」ポスターの群れを眺めてみます。 これだけの枚数のポスターがずらずらっと統一されて 並んでると確かにインパクトあります。 でも、心なしかポスターは泣いている ようにも伺えます。 かつては名古屋市と豊田市を結ぶ大動脈と期待され、 鳴り物入りで名古屋市地下鉄と相互乗り入れされた名鉄 豊田線ですが、今では車社会に押され、ひっそりとした ローカル線に成り下がっています。赤字出るか出ない かのキワキワな採算。そのしわ寄せは駅のポスターにも 押し寄せてきているようです。
かつてはこの広大なスペースは新製品の発表の場や 企業イメージアップの手段として盛んに利用されていた のでしょう。でも今は¥11500。たった¥11500。 「俺の価値はたったそんだけなのかぁ!」とポスター台は 涙してるのかもしれません。かつては裸同然のねえちゃん をはびこらせて人目を引きまくっていた栄光の日々を 懐古しつつ、一人屋台でヤケ酒食らってるのかも しれません。「ちっくしょ〜。俺だって人様のためだと 思って頑張ってんだよ。なんで¥11500なんだよ。 やってらんねぇよ・・」「まぁまぁお客さん、 世の中捨てたもんじゃありませんよ。」なんて会話が 繰り広げられているのかもしれません。しねぇよ。
このポスターを企画作成した人も同様に屈辱に 身を震わせてるのかもしれませんね。「昔は向こうから 頭下げてたのに今は逆かぁ。なんだよ¥11500って。 こんなの生き恥だよな・・・」自暴自棄になりつつ、 ぺたぺたと¥11500ポスターを貼っていったの でしょうか。「転職しよっかなぁ・・・ でも今更この年で新しい職なんてないだろうしな。 まだまだガキの教育費も住宅ローンも残ってるし。 はぁ、俺の人生って一体何なんだろうな・・・」 お父さん、まだ希望は捨てちゃだめですって。 生きてればまだまだいいこといっぱいありますって。
お、いつの間にか俺が屋台のオヤジ役。
しかしなぁ、確かこうゆう広告費用を堂々と出すのって 以前はタブー視されてなかったですかね?もちろん 調べればわかるんだけど、公衆の面前に堂々と値段出す なんてことはこれまででは考えられなかったと思うんだけど。
それにしても¥11500か。 出入りの少ないローカル線とは言え、この値段は個人でも 手が出る額だよな。¥11500払えば個人でも気孔講習会 の宣伝やソフトボール大会のお知らせとかできるって ことだよな。
待てよ。¥11500出せばいいんだから・・・。 ただ一言「私はカレーが食べたい」と書いただけのポスター 張ってもいいんだよな。お金もっといっぱいあったら、一文字 づつ「私」「は」「カ」「レ」「ー」「が」「食」「べ」「た」「い」 って並べて張ってもらって・・・・。きゃきゃきゃ、すっげぇバカ。 やりてぇ。一人じゃ無理でも、インターネットで賛同者 募集して一人¥11500集めて、バカな単語を ずら〜っと。うわ〜。面白そ〜。
なんか妄想僻入ってますね。でも大丈夫です。 こうゆう時間はすぐに終わります。
「まもなく伏見〜伏見〜」
ほらね。
しかしもう着いちゃったんだ。いろいろと考えてたら あっと言う間に1時間過ぎちゃったなぁ。
くっそ〜。結局眠れなかったよ。ねむ〜。