低レベルドキュメント共有


 プログラマという詐欺師な仕事してると、あ、いや、 すべてのプログラマが詐欺という訳じゃないよ。 ただ、少なくとも自分がやってることに関しては詐欺かな、 と自問自答している今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 何言ってんだかわかんねぇよ。

 まぁこうゆう仕事してるとイヤでも目を通さなきゃ いけないものがあります。それがドキュメント(文章)。

 一口にドキュメント言っても種類は多岐に渡ります。 参考書とかマニュアルとかの本とかもそうですし、誰かが 教育用や手抜き用に作った説明書もそう、 仕事完成させたときに提出する報告書とかも ドキュメントと言っていいでしょう。 まぁ要するに作業するための資料や、逆に仕事の成果を 説明するためのものとして、ドキュメントってのは ハンパじゃなく多くなってきます。

 もちろん、見るだけではなくて、作ることも頻繁に あります。マニュアルの作成から仲間内での 開発手順書、バグレポートやら進行報告やら 完了報告やら・・・。

 ぐわぁ!うっとおしい!

 こう思うのは誰しも同じようで、いかにこれに手を抜くか。 これが仕事スムーズに進める上での命題となってる方も 多いと思います。

 で、このドキュメント管理を最小限の労力で行なおうってんで 盛んに使われてるのがコンピュータ、特にパソコンという ことになる訳なんですが。

 でも、この「手の抜き方」を勘違いしてる場合ってのが 多々あるのも現実。本来ラクするためにパソコン 使えばいいものを、下手に手を加えるもんだから 本来あっさり終わるはずの作業があほみたいに困難な作業に なっちゃう。

 例えばいきなりうちの会社(派遣先)のことですが。 これ前にも書きましたが、 A4一枚の報告書から何百ページにも及ぶマニュアルまで、 なんでもかんでもMicrosoft Word、もしくはExcelで 提出しなきゃいけない。前にも書きましたが めんどくさがってプレーンテキストで提出したりすると 「Wordで打ち直して・・・」と突っ返されます(笑)。

 もちろん、文章そのもののフォーマット(ヘッダ・フッダや フォント、行数など)もがちがちに決まってるから、 何か作ろうとするとその度にフォーマットに合わせて テンプレート開かなきゃいけない。またこれが 使いにくいんだ。重いし融通利かないし。 「うが〜、プレーンテキストなら5分なのに!」と 呪いをかけながら15分かけてWORDで編集してます。 もちろん文章そのものはエディタ使ってこの時間 ですからね。わざわざ2回同じ作業を繰り返してるようなもんです。

 別に全部にWordやEXCEL使うなといってる訳じゃありません。 特にEXCELだと「こっち使った方が楽」って場面は確かにあるしね。 実際、私もEXCELは時々使う。CSVコンバータとして十分 使えるし。あ、そういえば「WORDの方が楽」という声は どこからも聞かないなぁ。ま、当然か。

 でもだからといって万能という訳じゃないでしょ。 例えば何百ページにも渡るマニュアルをWORDで書くなんて はっきり言って拷問。マシンパワー食うから 作業効率落ちるし、文章書く以外のところで気を遣わなければ いけない部分が多大に出てきますから、必然的に スピードは絶対に落ちます。

 そういえば前に延々300ページに渡るWORD文章の マニュアルをファイルで見たことが あるんですが、あまりの動作の遅さにキレました。 プリントアウトしようにもそれだけで何時間と 浪費するような量の多さでしたし。 見てるだけでキレるんだから、書いてる人はその100倍 キレたのではないでしょうか。

 さて、なぜここまでWORDやEXCEL(あ、あと一太郎とかもね) といった特定のプラット フォームに固執しなきゃならんのか。始めは単純に 「これだけあればどんな文章でも閲覧できる もんね〜プラットフォームの統一〜俺ってなんて 頭いいんだろ〜」と耳の穴掃除機突っ込んで頭の中の オガクズ全部吸い込んだろか的アホタレが勝手に ほざいてるだけなのかな、とも思ったのですが。

 なんか違うような気がする。ていうかもっと根本的な 部分でWORDとかが信仰されてるような 気がしてきました。

 理由。相変わらず「紙文化」ってのがのさばり続けてる んですよ。プリントアウトを前提にドキュメント を作ってる。作った文章をパソコンで閲覧する、って所に まったく思考が向かってないんです。

 例えば、トヨタでも派遣先でも自社でも、いわゆるマネジ メントの立場にある会社の人ってのは大抵WORDかEXCEL 立ち上げてなんか文章書いてます。逆にこうゆう人が エディタ立ち上げてる風景ってのはほとんど見たことありません。 書いた文章はプリントアウト、 それをコピーして社内なりお客さんなりに配ります。 また見たくなった時も一緒。ファイル開いて即プリントアウト して。要するに文章を書き上げた時点でゴールなんですな。 そのファイルをどう活用しようとかそうゆう所まで 頭回ってないんです。

 確かに私だって、プログラムソース眺めたいときとか、 つらつらとプリントアウトしてデバッグする時もあります。 紙要らないって訳じゃない。でも限度ってもんがあるでしょ。 たったA4一枚の内輪向けの文書にWordで凝った文章 印刷するなんて、ただのバカですよ、はっきり言って。

 だから表向きではプラットフォームの統一化だの かっこいいこと言ってても、要は「誰が印刷しても OKなWORDとかにしてちょうだい」ってことなんでしょうね。 本当はそっからデータの再活用、検索性の向上といった さまざまな活用が考えられるはずなのにそこで止まってる。 ものすごくレベルの低い情報共有。

 こんなんで効率化だの時間短縮だの達成できてるのかね? 俺、絶対無理だと思うんだけど。少なくともこんなやり方じゃね。

 実際そうやってる立場からすれば、見た目は奇麗だの お客さんに失礼のないようにだの、 いろいろと反論されるかもしれません。でもそのやってる ことって、30分考えて10分でできる作業を わざわざ1時間考えて2時間かけて作ってるだけでしょ。 時間の無駄。これじゃあ残業が減らない訳です。

 その他にも紙浪費の環境問題だのコスト削減だの、 いろいろ出てくるこの問題だけど、根本のところで、 無駄しまくってるような気がしますね。

 ・・・そんなことを思いつつ、ただひたすらWORDファイルの プリントアウトが終わるのを待つ私なのでした。

 遅いんだよなぁ、文章量大量になるとさぁ。 印刷してる間に一本雑文書けちゃったじゃないの。

 まだかな〜。


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