檻は壊れ始めた


 今日も今日とて仕事してます。

 いつもの場所で、いつもの机で仕事してます。

 毎日毎日変わらぬ風景。これまでも、これからも。

 ぐつぐつととある欲求が湧き出てきます。

 壊したいなぁ。このオフィスの机、椅子、パソコン、大ナタ ぶん回して壊しまくったらさぞかし楽しかろうなぁ。

 むらむら。

 は、いかんいかん。仕事仕事。

 そりゃ確かに会社側にしてみたら社員が仕事してるかしてないかは 一目瞭然だし便利だろうけどさぁ。こっちにしてみたらたまんねぇよ。 わざわざ週5日40時間も通い詰めてやる必要あるのか?これ。 アウトプットさえできればいいんだから、あとの中間管理を個人責任に しちゃえば、わざわざ高い家賃払って社員かき集める必要も なくなると思うんだけどなぁ。

 やっぱ壊したろかなぁ。

 むらむら、むらむら。

 いっそのこと壊すだけ壊して、ガソリン撒き散らして火つけて、 ビルごと燃える風景遠くで眺めたらさぞかし奇麗だろうなぁ。

 やってみるか。

 むらむら、むらむら、むらむら。

 ぷち。

 ウッキー!誰か俺に大ナタとガソリンとマッチよこせ〜!! 前科がナンボのもんじゃい!警察恐くて犯罪者やってられっか! み〜んな燃えちまえクキキキキキ!ケ〜ッケッケッケ!!

 ぐざっ!(後頭部に出刃包丁)いい加減にしろっつってんだろうが! キレ芸自体飽きられるの早いんだからそのパターンそろそろ あきらめろっつってんだよ!・・・・なんだ?そのナイフは? てめぇやる気か?面白ぇ、かかってきやがれおらぁ!

 ・・・・・・・・・。

 いやはや、失礼しました。どうもいかんね、毎日毎日雑文も 書かず仕事してるとどっかで精神すさむね。

 で、ええっと。何の話だっけ。そうそう、仕事場。

 勤め人であれ自営業であれ、仕事をするからにはそのための場所が 必要ってことで、人は仕事場に向かいます。満員列車に揺られながら、 渋滞に巻き込まれながら。

 なぜ人は仕事場に向かうのか?「仕事がやりやすいから」って 即座に帰ってきそうなんですが。私これ以前から疑問に思ってる んです。「そこに行かなきゃ仕事なんない」ブルーカラー職種 にもこれ、少なからず当てはまる要素ではないかと思ってます。

 仕事場ってのはふたつの側面を持ってます。ひとつは前述の通り、 「より仕事を効率的にこなすために提供される場所」ってこと。 もちろんこれはポジティブな意味。

 もうひとつは「労働者を拘束するための場所」。お、 なんかこうかくと右翼みたいで場違いだぞ(笑)。言い方変えよう。 「仕事の効率性を維持するための場所」。こっちの方がまだいいかな。 もちろんこれ、経営サイドから見た場合ね。

 経営サイドにすりゃ命の次に大事な金払ってる訳ですから、 これはこれで正当だと思うよ、少なくとも感情としてはね。

 ただ、実際に働くようになってから、効率性の追求と維持、これが 「ホンネとタテマエ」化してるなぁ、ってのを強く感じるんよ。 で、どうもタテマエよりもホンネの方がちらついてるなぁってのも感じる。 ホワイトカラーだとなおさらね。

 社員の環境を考えて、最適な環境の元で、人事PRの常套句ですけど、 これは半分は当たってるんだけど半分はウソって考えるのが普通なんだけど。 ウソのパーセンテージ増大してるような気がするなぁ。

 こう思うのはソフト屋さんというある意味特殊な環境下だからなのかも しれないけど、はっきり言って会社ってある程度は仕事できるけど、 最適の仕事環境なんかじゃないと思うんだ。

 インターネットとかの普及で 少なくとも「時間」「場所」の概念って崩壊しちゃったでしょ。 ホワイトカラーはもちろん、ブルーカラーですら、全ての仕事を 会社でやる義務感、消滅し始めてると思います。。 極端な話、会社なんか頼ることなく、自分で勝手に最適な仕事環境 構築する事が可能になっちゃったからね。「会社に頼らなきゃ何も できない」ってのはもう過去の話になりつつある。そんな中で 「我が社だからこそ」ってポイントを明確に主張できなくなってきてる んじゃないかな、と。

 だから、ホンネが増幅した、というよりはタテマエの説得力が失せ始めた って表現の方が正しいのかもしれないね。

 会社というやり方の強みは何かってのを根本から考え直していかないと、 これからはどんどん逃げていっちゃんじゃないのかな。優秀な人はそこまでじっくりと 待ってはくれないと思うよ。で、残るのは俺みたいに給料いかに 泥棒するかだけを考えてる人間ばかりになっちゃうぞ、と(笑)。

 あ、シャレなってねぇやこれ。仕方ない、マッチちょうだい。

 それがいかんっちゅうの。見てみ、オチで全部台無し。


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