会社とネットの微妙なカンケイ。


 今このページを会社で御覧になっているリーマン及びオフィスレディの 皆さんこんにちは。お勤めさなかのサボリアクセスご苦労様です。

 「ためにならないインターネット自己防衛講座」の時間がやってきました。  講師は不祥ながら私、「不良社員」兼「いない方が助かるプログラマ」、 要するに勤労者会のクズことフジハラが担当させて頂きます。

 え?なんでそんなネガティブな自己紹介かって?

 だってさぁ、はっきりいってコンピュータで一生飯食ってく自信 全くないんだもん。最近根本的に自分の能力疑っててさぁ。 かといって俺からコンピュータ取ったらそれこそCRIPPLEDじゃんか。 これからどうすりゃいいんだよぉ。いじいじ。

 はっ、失礼しました。個人的なただの愚痴はエンターテイメントとして もっとも嫌われるところですね。あくまで強気ですね、強気。

 うん、はっ。べちべち。よしっと。

 さて皆さん、普段会社でインターネット使われる時、どのような 感想をお持ちでしょうか?メールでもWebでも使い放題見放題、 こりゃ金もかからんしもうけもうけ、などと思ってはいませんか?

 甘いです。めっちゃ甘いです。あんみつにハチミツ混ぜて 一気食いするより甘いです。

 物事にはメリットがある一方で、必ず何かしらのリスクを背負わ なければなりません。やりたい放題やっていると必ずいつか 痛い目をみます。

 例えばメール。技術さえあれば第三者のメールを盗み見すること 位簡単なことだ、程度の謂れは皆さんどこかで聞いたことがあるでしょう。 でも、実際に使ってて「あ、これ第三者に読まれたらどうしよう?」と 不安にかられること、今までにありましたか?実際、使ってるうちに麻痺して だんだんと脳裏から忘れ去られていくってのが現状なのではないでしょか。

 しかし、こと会社経由のメールに関して言えば、この認識は甘いと 言わざるを得ないでしょう。他人が出したメールを常時監視し、 キーワードにひっかかるメールを無条件に上司にBCC:送信する、なんて ソフトも既に製品化され市販されてます。そもそもそんなもん無くても ネットワーク管理者の 立場にいてある程度スキルもっていれば、メールを監視するのは そんなに難しいことでもないですからね。極端な話、やろうと思えば 自分が使ってるメールサーバに送受信されたメールがすべて 検閲閲覧のためにコピーされている。なんてことも可能なんですよ。

 ほらあなた、「どうせ誰にも読まれない」と思って上司の悪口 メール送信してませんか?サボリの待ち合わせ用喫茶店を 同報送信してませんか?全部読まれてるかもしれませんよ〜。

 逆に「うちの会社の人達は絶対にそうゆうことはしていない。」 と断言できる方、あなたは幸せ者です。その雰囲気、大切にしてください。

 さて、ここまで聞いて「え?だって人のメール勝手に読むなんてプライバシーの 侵害じゃんか?人としてやっちゃいけないことだろ〜」って思った あなた。正しいです。しかし現実は常に我々不良にとっては冷たいのです。

 会社提供のメール環境は「業務運用を補助するための道具」として扱われます。 よって業務の潤滑な遂行を盾に管理者の「監査権」が認められて るんですな。これ裁判所の判例が既に出てます。 つまりモラル的に許される許されないの問題じゃなく、業務の名の 元に強制捜査させられてしまうんです。

 現に私が居候している某会社でも、メールアドレス申請書に 「ネットワークの円滑な運用のために、メールの内容を閲覧する 場合があります。」とさりげなく書いてあります。この「場合があります」 は「常に監視しています」と読み替えて差し支えないでしょう。 元々会社外部への送信ができないアドレスなので利用価値 全く無いのですが、上の理由から、送信にも受信にも一切 使用していません。ゾンビアドレスにしています。 仕事にすら使いません。

 どうです?ぞっとしません?あなたの書いたあんなメールや こんなメール、ぜーんぶ会社の誰かに見られてるかもしれないのよ。 気持ち悪いでしょ。不気味でしょ。ストーカー入ってるでしょ。

 この不快感はぜひ忘れないでください。この気持ちが大切です。 「まぁいいや、誰に読まれようが知ったこっちゃねぇや」と抵抗の意欲すら 無くしている方、あなたに用はありません。お帰りください。

 さて、ユーザから見れば気持ち悪いだけのこの行為も 会社の立場からすればこれはあくまで「当たり前」の 感覚といっていいでしょう。あくまで事務手続き、 感情ってのを持っていませんから。税務署といっしょです。 どんなに追求しようが糾弾しようが絶対に変わりません。 企業組織が大きければ大きい程、この傾向は強くなると いっていいでしょう。

 そもそもなんでこんなになっちゃったんでしょうね? あ、ちょっと脇道逸れます。いいですか?ごめんね。

 細かい要因上げればキリないんでしょうけど、ひとつに 企業のインターネットに対する醒めた目つきってのが 確実にあるんでしょうね。

 インターネットブーム、今を思うとめっちゃかっこ悪い呼び方ですけど、 この時はインターネットさえいれれば儲かるだの、効率上がるだの、 うがったように信仰してましたね。でも、「企業にとって」100% 満足の行くものではない、ってことがわかってしまった。 この落差からじゃないですかね?

 もっと言えばインターネットの余りに汎用的な便利さに企業が ついてこれなかったんじゃない?企業の考え方がインターネットの それとまったくでしたよ、と。 分野ひとつとってみても ビジネスはもちろんのこと、遊びにも出会いにも、それこそ夜の オカズにもなる「何でもアリ」こそ、インターネットの真の威力 なんですけどね。でも、企業は自分の仕事に直結する部分だけに 固執しちゃった。汎用的なパワーを認めず、自分達の型に ムリヤリ押し込めようとしちゃった。メール検閲にせよ、 Web閲覧にせよ、この悪影響なんじゃないですかね? こんなことやってちゃ歪んじゃうわね。純粋培養されてぬくぬく育った ボンボンが世間に出てから絶望して自殺しちゃうのと一緒。

 結局、こうゆう所でも自分のわがまま押し通しちゃって、 それで失敗して。で勝手に利用者に意味の無いモラル押し付けると。 付き合ってられませんよね。バッカじゃないの。

 あ、長くなってしまいましたね。それじゃまとめに入らせていただきます。

 自信をもって「こうゆうことはうちではやってないな」と断言できる 方ならともかく、ちょっとでも不安のある方は、少なからず 疑ってかかった方がいいでしょう。だって会社が疑いつつ 入れてるインターネットだよ。そんなもん世間のインターネット とどこかしらズレてるに決まってるんですから。精神的なところでね。

 となるとやっぱり理想。「てめぇの身はてめぇで守れ」となります。 はいこれ重要ですよ。ノート取って。 これ自体インターネット使う際の鉄則ですから感覚的に理解できるかと 思います。ネット上にゴロゴロしてる弊害と同様、会社に対しても 懐疑心を持てよ、と。

 自前のメールアドレス確保してもよし、PGP導入して暗号かけてもよし。 自衛策はいっくらでもあります。自分の会社の状況と照らし合わせて 最善策と思えるものを探しましょう。ただし、最善策がいつまでも最善策 とは限らないのでその点はご注意を。悪意ある会社はどんどん抜け穴を 埋めてくるのが常です。警戒心はほどかず、常に裏をすりぬけて せせら笑ってやりましょう。クケケケケ。

 それではそろそろお時間です。クビと左遷に気を付けて、今日も楽しい サボリネットサーフィンをお楽しみください。ごきげんよう。

 今更これ真面目に読んでるようじゃ、いつか潰されっぞ。


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