悪口の現実味。


 作ってるプログラムの画面遷移図(表示される画面の一覧だと 思ってくれぇ)を作らなくちゃいけ なくなって、例のごとく史上最悪のワープロソフトMS-WORDで 作ってました。「ったくどこのどいつだよ、こんなソフト でお仕事ラクラクだなんて抜かしてる詐欺師は」などと思いつつ作業してたら。

 いつものように強制終了。

 「けっ、どうせWORDだもんな。」とバカにしつつ強制終了の OKボタンを押す。その時、同時にトンでもないメッセージが出ました。

 「警告:ディスク容量が残り3メガになりました。」

 ・・・・・はああぁ?確かこのマシン、まだ残り容量100メガは 残ってるはずだが。

 この画面遷移図、確かに横着してBMPファイルそのまま張っつけてる (6枚:計約5M)。この非は素直に認めよう。 文章ファイルが11Mになるのも、本当なら糾弾ものだが、まぁ この際五千歩引いて許そう。

 しかしだな。おい、聞いてるかマイクロソフト。

 たかが1つのファイル作るためだけになんでスワップファイル90M以上 使うのかね?強制終了した後探してみたらあるわあるわ、スワップファイルの 残骸が。

 これって要するに1つの.doc文章作成するために100M以上の ディスク資源を必要とするってことじゃねぇか。A4一枚だけの 文章作るだけでなんで空き容量不足の警告見なきゃいけねぇんだ? 実際には容量不足で落ちてるんだから、現実としてさらに スワップ領域要求してたってことじゃねぇか。

 そんな事ばっかりやってっからクソソフトだのデブソフトだの 沈没した船だの言われるんだよ!ちったぁ考えて作れやボケ!

 そういえばこんなこともあったな。

 CSVファイルで1万件分のテストデータを作成する必要が あって、EXCELで作りはじめたんです。

 とはいえ、そんなの手作業でやるのもアホらしいので、 VBAで簡単にモジュール作ったんですよ。モジュールっつっても 中でForループ2重に回して1万回実行するだけのめちゃめちゃ 単純なもの。

 さてモジュール出来ました。実行してきました。

 ・・・・1分。結果出てきません。3分。まだ結果出てきません。 10分、画面がピクリとも動かなくなりました。

 メッセージが出ました。強制終了しました。

 てめぇ、そんだけ時間かかって結果がそれかい!本来 Cなりシェルなりでやれば瞬間的に終わる作業だろうがこんなもん!!

 本当だったらこの時点でEXCEL叩き落としてUNIX端末で作業すれば よかったんですが、「いかに阿呆か」を検索するために、 意地になってEXCELで1万件分データ作っちゃいました。

 2回目。30秒で強制終了。3回目、10分で強制終了。 いいかげん血管が2、3本切れそうなのを自覚しつつ、 実行しました4回目。

 できましたよ1万件。40分かかって。

 結局たった1万件ごときのデータ作成するためだけに、 失敗した分も含めて1時間無駄にしちまったじゃねぇか! マイクロソフト!時給くれ時給!!確かに実行マシンが ペンチ133、メモリ32Mがこんだけ時間かかっちゃうのも 解るような気も・・・・やっぱしねぇな。

 EXCELで1万件って決して実務で使わない数字ではないと 思うんだけどね。この件数でこれではとてもじゃないけど 実務で使うのおっくうになっちゃうよ。俺、今までEXCELは マイクロソフト製品の中では「珍しくまともな出来の方」と 思ってたんだけど、ちょっと考え直さなきゃいけないかもなぁ。 残念無念。


 とまぁこんな感じで、長々と書かせてもらったんだけど。 これ読んでどう思いました?

 「そうそうそう、あるんだよねぇ。」としみじみ思った方もいるでしょうし、 「だよなぁ、だからムカつくんだよなマイクロソフト」って方も いるでしょう。

 で、私この両者に天と地の差があると思ってます。違いがあるのは 一点。実際に体験して身に染みてるか、自分は体験していないけど イメージとしてムカつくか。この差なんですよね。

 はっきり言っちゃえば私だってイヤになる位痛感してる訳でも ない。自分が触ったことあるソフトに関してはあれやこれや 文句言えますけど、それ以外に関してはコメントのしようが ないんですよね。自分が「俺はアンチMSだ」と言い切れない のもこの辺にまだ自信持ってないからなんです。

 で、目をWebとかに向けてみると、少なからずこの両者が ごっちゃごちゃになってる雰囲気を感じる。 どこが悪いここが悪いとかじゃなく、「マイクロソフトだから悪い」 になっちゃってる。言うのは簡単なんだろうけど、それ文句言った 所で説得力ないよ、と。 (ぐ、自分で書いててすごく後ろ指指されたような気がするぞ)

 「ここが悪い、この責任はマイクロソフトにある、だから悪いんだ」 って筋道が通らなきゃいけないのに、その理論がすっぽり抜け落ちちゃってる。 んなもん、テレビの前に寝っ転がって「この芸能人ブサイクよね〜 なんで売れてるんだろ」とぬかす輩とレベル変わりません。

 やっぱりね、「なぜタコなのか」「どのように タコなのか」これを押さえてると押さえてないとじゃ大違いだと思うんよ。 私がよく引き合いに出す「Show's Hot Corner」とか「がんばれ! ゲイツ君」とかは、まずこれに対する解答ってのが始めにある。 さらにそれを元に技術文章としてもエンタテイメントとしても 成立させてる。この理想形をちゃんと具体化してるからこれだけ 評価されてるんだと思うんだよな。ちゃんと計算されてるんですよ。

 それ考えるとやっぱり「マイクロソフト死ね〜!」だけじゃ 何の説得力も無いし、叫んでも虚しいだけじゃないんですかね。 誰かの悪口書いときゃ、読む人は喜ぶだろ、その程度の認識で ケンカ売ったところで返り討ちに遭うのがオチだと思うんだけどね。

 今回マイクロソフト引き合いに出してるけど、 別にこれマイクロソフトに限った話じゃないでしょ、実際は。 中傷と批判は別物。これは悪口書く身分としては常に自覚しておかなきゃ いけない事なんでしょう。気を付けようっと。

 やっぱナイフはちゃんと研いでから刺さないと。うぐぐ、自戒。


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