邪魔すんな!


「あそこのページ覗いたことある?」
「あるある。結構面白いよねあそこ」

 いつものように喫煙室でタバコふかしてるとこんな声が聞こえて きました。別にとりたてて珍しい話でもないので流し聞き。 野郎同士の無駄話にいちいち神経注いでられっかっての。

 ふむ、ふむ・・・あ、あそこか。流し聞きにも関わらず どこのWebのことか特定できてしまう自分が嫌になってきますが、これも運命。 しょうがない。やっぱこの業界だと「がんばれ!ゲイツ君」はデフォになるんだなぁ。

 1998年もそろそろ終わりを告げようとする頃、ようやく 自分の身の回り、特にWebってのが定着してきたかな、ってのを 感じるようになってきました。会話の節々にホームページという 単語がちょくちょくと聞こえるようになってきました。 自宅にパソコンを持ち、会社に頼らない自前のメール アドレスを持ち、秋の夜長をWeb見て過ごす。そんな人達が 増えてきたのでしょうか。

 まぁそもそも典型的なシステム会社なんだし、その位とっくの 昔に知ってて当たり前だろが、というツッコミはどうでもいいんです。 今からでも遅れは十分に取り戻せますからね。

 問題はこっちなんだ。

 先日聞いたのですが、どうやらうちの派遣先のインターネット利用 規定がさらに厳しくなったそうです。原則Web閲覧禁止の範疇が 外注社員から全社員に拡大、認められるのはある一定以上のポストに 就いてて、かつ業務上必要と特別に認可された社員のみ、という 事になったらしいです。

 メールは相変わらず派遣社員のアドレスは送信禁止になってますし。 改善の兆しはまったく見えてません。今後ますます悪くなるんかなと 思います。

 私としてはWebの閲覧なりメールの発信なりに制限加えている 時点で既に議論の対象外、問題外、アウトオブ眼中だと 思うんで今更どうゆう風に 企業規則が変わろうが知ったこっちゃないのですが、規制強化 されたことで逆に個人の意識というか、危機感が育ってくれれば いいんちゃうかなと思ってます。現にあからさまに インターネットに対する会社の態度、愚痴に出す人とか 出てきてますしね。いい傾向です。

 なんだかんだ言ってもやっぱりインターネットって個人主導。 個人に始まり個人に終わるんですよ。この思いは強く なってます。

 自分の周りの会社のインターネットに対する動きや、 数多に溢れている屍のような企業Web見てると、やっぱり 企業の動きって、亀よりも遅い。3ヶ月経てばコスト的にも 性能的にも別世界になるのがインターネットなのに、 何ヶ月も何年も綿密に計画立てて、その通りに実行しようと してる。

 で思ったんだけど、企業のインターネットに対する考え方って あくまで「全体主義」なんだよね。これ導入することで当社に どうゆうメリットがあるのか、ここから考えちゃう。実際に 利用するのは社員、つまり個人なのに、その個人にとっての 使い勝手や利便ってのがまったく企業側の方針に反映されてないんです。

 だから実際に使う側は「こんな環境で使えるかボケ」となるし、 提供する側は「金出したのはこっちだガタガタ抜かすなタコが」と なっちゃう。個人と企業の断絶、開く一方なんですよ。

 これは企業のWebとか見てても感じます。というのも、 たまぁに「あ、ここはまともだな」というWebを見てみると まず間違いなくページ作成者なり責任者なりの名前があり 個人用のメールアドレスが明記されてる。

 逆にこれ作ったのは小学生ですか?と思えるような低レベルな サイトだとまず誰が作ったかわかりませんな。Webに書かれてる メールアドレスも出した所で読まれるのかすら疑わしいし。 こうゆう所はおそらく、メール出したところで、社員が メールの受信方法がわからなくて、いつまで経っても読まれないのが オチじゃないでしょか。

 結局Webひとつとってみても、企業としてのインターネットの実力 なんて出てくる訳がないんですよ。社内にインターネットわかってる 奴がいるかどうか。そんだけ。

 何十、何百の人間が関わってる割に何言いたいのかさっぱりわからん 大企業のページが、たったひとりのインターネット知ってる人間の ページにタコ殴りにされる。あまりにも情けなさ過ぎる情勢に なっちゃってるんですよ。

 そのくせ、「社員がサボる」って所だけは無駄に神経働かせ ちゃうからさ。だからこうゆうトンチンカンな寝言をぬかす。 頭かち割って頭の中のおがくずどれだけ入ってるのか確かめてみたいな。

 こう考えると、インターネットをこうゆうバカ企業に委ねるの バカバカしくなってくるよね。使う側にせよ、作る側にせよ。

 そりゃ費用会社持ちでラッキィってのもあるかもしれないけど、 ちゃんとインターネットわかってる人がいる企業ならともかく、 訳のわからん事やってるようなところからやってるところで、 どれだけのメリットあるのかわかったもんじゃない。 タダほど高いものはない、ってのは案外これには当てはまると 思うよ。今となってはパソコンなんざボーナス1回分で十分にいいのが 買えるし、プロバイダ代も電話代も普通に使う分ならお小遣いで まかなえます。いつまでまともに使えるかわかったもんじゃない 企業なんかに環境依存する必要なんてないんじゃないかな?

 そして何よりもだ。

 企業なんて得体の知れないものにインターネットなんか任せられるか。 それ位に考えたほうがいいと思います。 「邪魔するな。その気があるんだったらついてこい。」((C)藤原博文氏) まさにこれ。

 企業だから安心、確実。そんなのはまったくの嘘だからとっととそんな ノーテンキな考え方は捨て去りましょうね。それが結果として 知恵となり、武器となるぞい。


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