ネタをさがそう


 ・・・・・・またやるんですか?

 ・・・・・・またやるんです。

「お久しぶりです〜!!!」

「またまた作者、図に乗ってますからねぇ。出番回ってくるんですよ」

「張り切ってまいりましょう〜!!!」

「作者以上に元気だな」

「だって200回だもん。せめて俺達位祝ってやらんと金輪際誰からも 祝ってくれないに決まってるんだし」

「言うな!本当だけど」

「という訳で〜全力で〜!!!」

「はいはい。」

「何やるの?」

「うぉい!!」

「なんで俺ここにいるんだ?」

「漫才やるためだろが!」

「え?これ漫才だったの!?」

「気付かない人も多いだろうけど実は漫才なの!」

「な〜んだ、てっきりシメサバのつかみ取りでもあるんかと」

「ねぇよ!大体シメサバって何だよ!」

「え〜と、誠に言いにくいんですけどね・・・」

「ん?なんだいきなり?」

「これまでここで漫才やる時って大抵一本ネタあったじゃないですか?」

「確かに。まぁ大抵社会ネタだけど」

「実はですね、今こうやって喋ってるにも関わらずですね・・・」

「なんだ?もったいぶらんと言いなさいって」

「今から何喋るかすら決まってません」

「・・・へ?・・・ってことは・・・?」

「今我々、既にアドリブのみで喋ってる状態・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「なめてんのか作者!」

「ふざけんな作者!」

作者(すんません・・・)

「何のために今俺らここに立ってるんだ!ネタも無しに何をせぇと!」

「放尿ショー?」

「やるか!誰も見たかねぇよ!」

「禁断の集い女子高生公然猥褻ショーおさわりサービス付き?」

「だからそっちに走るな!それ以上やると作者が下ネタ苦手だってばれる!」

「え〜せっかくいい練習の機会だと思ったのに〜」

「だからこれ本番!今流れてるの!!」

「う〜ん仕方ない、んじゃ今ネタ合わせしよ。んでそれ自体をネタにしよっ」

「公開ネタ合わせかよ。前代未聞だなこんなの。 まぁこの際しょうがない、おい作者。ネタ帳見せろネタ帳。」

(立場弱いので黙ってネタ帳差し出す作者)

「・・・満員電車の中、リアルタイムで繰り広げられる痴漢シミュレーション。音声とアニメを絡め濃厚な・・・」

「それ前回の資料!しかも広告丸読み!」

「これはこれでおもろいけどね」

「それは俺も少し思った。ただネタかぶりするのもなんだし。」

「だな・・・あ、やっぱりこれ考えてたんだ。東京都知事選挙。」

「確かに今だとこれだな。」

「青島都知事がもし立候補してたらもっと情勢変わってたんだけどなぁ。」

「いろいろ憶測は流れてるけど、まぁこうなっちゃったしね。」

「惜しい人を亡くしました・・・」

「死んでねぇ!!」

「で、青島知事亡き後、誰が都政を、経済を立て直すかってのが焦点ですが」

「だから生きてるってばよ!!でも実際、全国から注目浴びてる 割には東京の温度は醒めてるような気がするよな。青島さんでも できなかったことできるような人間が日本にいるのか?て感じで」

「今回の都知事選もそうだし、統一選としてひっくるめちゃってもいいよ。 全体的にあきらめムードは漂ってるような感じだよね。」

「だよな。本来なら不況とかが焦点になりそうなはず なんだけど、どことなく『政治は役立たず』って雰囲気あるからなぁ。 すっかり悲観主義になっちゃってるし、当面この空気続きそうだね。」

「やっぱりこうゆう時は閉塞感を吹き飛ばす人材が必要だよね。」

「言うのは簡単だけど、そう思う様には出てこないよ。誰か思い付く?」

「北朝鮮の怪獣オタク主席を民主党から立候補させるとかさ」

「できるか!それになぜ民主党?合わなすぎ!」

「不況を吹っ飛ばせ!デポドン2号発射!!!」

「やめぇいいい!!・・・ていうかそれ時事ネタとしてもちょっと古いんちゃうか?」

「・・・・・・かな?」

「・・・・・・だな。う〜ん、作者の野郎、中途半端にテーマだけ 書いてるからかえってやりにくいや」

「政治がダメとなるとあとは社会問題関係か。ネタ帳なんか書いてある?」

「えっと・・・所沢ダイオキシン騒動に、干潟開発でもめた名古屋市と環境庁、 日本初の脳死移植・・・・これ立派にネタになるのに〜。タイトルだけなんだもんなぁ、ちゃんと調べておけよ作者〜。」

「他には?・・・・・え?・・・・・これいいじゃん!使おうよ!」

「え?俺何か見落としてた?」

「『愛知県春日井市では従来の桜祭りを中止、かわりに春季限定の 屋外屋台村を公園内で開催し、市民の皆さんに楽しんでもらうことに』」

「めちゃめちゃローカルじゃねぇか!春日井市民にしかわからん ネタ堂々と使うな!」

「え〜だって去年も屋台村やって好評だったんだよ〜。今度打ち上げ で使おうよ〜」

「論点違うわ!てめぇ今本番意識してねぇだろ!あ〜結局本題も決まらぬまま 時間来ちゃったよ」

「・・・・・・でもさぁ、俺思うんだけどさ」

「え?何を?」

「古今東西、大なり小なり、いろんな所でいろんな問題抱えてる訳じゃん」

「まぁユートピアなんてのは存在しない訳だし。必ず衝突ってのは起こるよな。」

「あまりの問題の多さに『もういいや、知ったこっちゃねぇや』 てなっちゃうのが一番恐いような気がするんだけど。」

「今日初めてまともなセリフ吐いたなおい」

「問題突き詰めて呆れ果ててもういいやってなっちゃうのと、 問題見向きもせずに無視するのとではやっぱ根本的に違うんだよ。」

「・・・おい、どした、おい。ボケがないぞ。」

「問題が地球規模だろうが町内だけの揉め事だろうが関係ないんだっての。それ言い続ける、それが大切なんじゃねぇの!?」

「お、おい、そろそろボケてくれないと・・・う、酒・・・? て、てめぇ酒飲みやがったな!」

「う〜い、いいつづけますよ〜だれがなんといおをと〜いえ〜い!」

 ・・・・・バタッ。

「あ〜こいつ、作者と同じくビール1杯で倒れるくせに!おいちょっと救急車呼んでくれ!漫才どころじゃねぇよこれ!」

「・・・・・う〜、すまんの〜」

「んなこと言ってる場合じゃねぇだろ!おとなしく寝てろ!」

「俺がこんなばっかりに、梅宮アンナ破局しちゃって・・・」

「全然関係ねぇよ!!一生寝てろ!!」

 ・・・・・ぴーぽーぴーぽー・・・・・

 う〜ん、こんな200回でよかったのだろうか。それよりも。

 あるのか?250回漫才。


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