無防備の恐怖


 ここ数週間えらい騒ぎになってましたね、Melissa。

 あ、知らない方のために一応説明。Melissaってのはいわゆるコンピュータ ウイルスの一種でございます。ワームという単語も飛び交ってますな。 ワームってのはウィルスの一形態とでも思っててください。

 で、今回問題になってるMelissaがどうゆうプログラムかというと、 メールに添付されたワード97用ファイルを開いた瞬間に、Outlookに 登録されているアドレス帳のメールアドレス50人に同様の添付ファイル 付きメールを送信してしまう、というものです。それを受け取った人が 開いた瞬間にまた50通、それ受け取った人が・・・と、あっという間に ネズミ講状態になっちゃうのは想像に難くないですね。

 以上いつものように簡単かついいかげんな説明。例の如く詳細は各々調べてねん。

 さて、この一連の騒ぎ見てて「どうゆう風に文章書こうかなぁ」と 思案してたのですが(その思考が既に間違ってるというツッコミは却下)。 案外ウィルスに対するお話って多岐に渡って、しかも詳細に議論も されてるから、今更私が取りたてて何か言ったところで新鮮味は ないんですよね(笑)。

 でもまぁそんでも書かないよりは書いた方がいいでしょ、てな訳で ふつーの結論になるのを承知の上でつらつら書いてみます。 「既にこんなこと知ってるよ」とお思いの方は、この回は心の中で 見なかったことにしといてくださいってことでひとつ。

 相変わらず長いな前振りが。

 もっとも根本になると思うんですが、ウイルスによって被る被害って 2種類ありますよね。

 ひとつとは言うまでもなく自分のマシンのデータやシステムが 吹っ飛ぶこと。Windowsの再インストールだけでもクソめんどくさいのに、 更にデータまで失った日にゃ目も当てられなくなる、ってのは パソコン使ってる人ほど痛感できると思います。

 でもこれ、まだいいんですよね。というのも、 これだったら泣くのは一人だけでいいもん。問題はもうひとつの方なのよ。

 自分だけならまだしも、さらにウィルスを撒き散らして他人に被害を 及ぼしてしまうこと。自分が被害者だけでなく、加害者にさえなってしまう こと。

 やっぱウイルスの一番の恐いところってここなんです。

 まず「ウイルスを撒き散らしたヤツ」として非難浴びることは 避けられないです。そこには初心者もベテランもありません。 実際ウイルスもらった立場にすれば、まず怒りの矛先は送信先に 向かうってのが心情ですしね。

 それだけに、日頃からウイルスの存在は頭に入れておくべきだし、 それぞれに応じた対応も必要になってくるんですよ。 メールの添付ファイルは無条件に削除する(知ってる人からのメールでも 捨てる)とか、むやみに怪しげなファイルのダウンロードはしないとかね。

 自分が迷惑を被らないようにすることで、他人にも迷惑させない、と。 本来ならそこまで考えなきゃ、自分が痛い目見ると思うんですけどね。

 でも現実にはやっぱり、まだまだ認識甘いよなぁと思う部分ありますよ。

 例えば最近のパソコンなら、ウイルスバスターとかの対ウイルスソフト とかがバンドルされてます。でもよくよく設定見てみると ウイルスの定義ファイル(どの対ウイルスソフトでもこの定義ファイルを 読み込んでウイルスの検索を行ないます)が出荷時のまんま。 これじゃMelissaもHappy99も素通りするのに、使ってる本人は ソフト入れただけで「これで安心」と思い込んでる。

 Melissa出てきて数週間で既に大量の亜流ウィルスが登場してるから、 本当は週1回の定義ファイルでも不安なところあるのに。 せめて最低月1回は更新かけようぜ。

 「このソフト入れたなら大丈夫だと思ってたのになんでウイルス かかっちゃったの〜?」と筋違いの抗議をソフトハウスに入れる ヤツ絶対いると思うんだけどな。おめーが悪いんだっての。

 あともっとひどいのになると、せっかく製品版まで持ってるのに、 「立ち上げると重いから」という理由で起動しないで ハードディスクの肥やしにしてる人。意味ないじゃん(笑)。

 「1ヶ月に1度全ハードディスク検索かけてればOK」などという 考え方はもう捨ててください。メールなどでも伝染できる以上 (Melissaなんかはもう感染→転移間隔秒単位でしょ)、 1ヶ月単位では遅すぎます。常駐させて、パソコンに入るデータ 自動でチェックするのが確実ですし、多少重くても楽です。 楽ってのは重要なファクターだぞ。

 んでね、こうゆう風にグチグチ言ってると必ずこうゆう反論が来る。 実際には来ないかもしれないけど、幻聴ははっきりと聞こえるぞい。

 「え〜だってめんどくさいじゃんか〜」

 問答無用斬り捨て御免馬に蹴られて死んじまえ。

 「んなこといきなり言われたってわかんないよ。」

 そりゃ誰だって始めはわかんないよ。でも開き直って こうゆうこと言うヤツは2回言っても3回言っても同じセリフ返すんだよ。 はなから覚える気もないくせに何言ってんだか。

 「そりゃてめぇは職業だから知ってるだろうけどさ、こっちは素人 だぜ、素人にそこまでさせる必要性ないだろうが。」

 だ〜か〜ら〜!レベルだの経験だのカンケイないの!

 うが〜!こっちだってこんなことイチイチ言いたかねぇよ!! てめぇ一人が勝手にウイルスにやられてデータ飛ぼうが、んなもん こっちの知ったこっちゃねぇや!被害がこっちに及ぶ危険性あるし、 そんとき悪者になるのはてめぇになるから おせっかい承知で言ってんだろうがいいかげんワードファイル 添付してくんのやめやがれドアホ!!

 あ、すいません。ついついキレちゃいました。つーか面と向かってこんなセリフ 言える訳ないのにこうゆう場所だと書いてしまうってのは人間として ダメな証拠だよね。って今更遅いっつーに。

 でもねマジメな話、もしウイルス受け取っちゃって、それが原因で データ飛んだりOS飛んだりしちゃって、原因(送信元)わかった日にゃ 冗談抜きで罵倒されるよ。

 被害受けた方には頭に血昇ってます。理屈は通用しないと思って いいと思いますよ。人間そんなにいつでもイイコちゃんでいらないでしょ。 ぶちキレててめぇ何さらしとんじゃこんなモン送り付けやがって なんか言いたいことでもあるんかクソ野郎この際だから 白黒はっきりつけたろやないかい午後6時第三倉庫まで来いや 逃げたらどうなるかわかってんだろうな遺書書いて来いやコラ」的罵倒は 避けられないでしょ。抗議文面こそ穏やかでも心の中怒りで沸騰してるはずよ。

 MLにウイルスが流れたばっかりにMLが 罵倒花火大会と化してML自体空中分解しちゃったって話も聞いたこと あるし(ウラ取ってないからウソかもしんないけどいかにもありそう)、 メール使う人だったら決して人事ではないよ、これ。

 でもこうなった時に、「え〜だってこちとら初心者だもん〜」なんて 答えた日にゃ、火に油注ぐだけじゃない?「何抜かしてんじゃこら」と 3倍タコ殴りにされちゃうのがオチ。

 どうせだったら「やかましいわ!こちとら最新の定義ファイル使って チェックしたのに感染してもうたわ!文句はマイクロソフトに言ってくれ こっちだって泣きたいんじゃボケ!」 と逆ギレした方がまだマシのような気がするな。かえってボコにされるかも しれんけど。責任持ちません。

 要は、自分はやれるだけのことやってたよ、という既成事実がイザという 時には大きいと思うんですよ。汚い言い方だけどね。

 ウイルスって常に信用問題が絡むと思います。ウイルスいっこで自分の信用 ガタ落ち、相手の見る目が変わる。イヤでしょ、そんなの。 ていうか、言ってしまえばこんなことで他人に迷惑かけて 自分も迷惑被って右往左往するなんて バカバカしいたらありゃしない。そう思いません?

 私さぁ、ロクに機能使いもしねぇオフィスソフトだの お絵描きソフトだのに金つぎこむ位だったらまず 一番始めに対ウイルスソフトにつぎこんで、その使い方 覚えさせたほうがいいんじゃないの?って思うんだけど。 つぎこむっても1万円もしない訳だしさ。どこぞの使えない MS-OFFICEに比べりゃよっぽど有益な投資だと思うんですけどね。

 そもそも人間がイチイチ目視で確認するなんざムリに決まってます。 もうウイルスの種類自体が増え過ぎちゃったもん。 だから自己防衛策立てるよりもソフト買った方がラク。 たかだか1万円で、(使い方さえ覚えれば)チェックする手間と、 いざという時の保険(駆除)、そして罵倒に対する応戦材料、 これ全部対策取れるんですから十二分に元取れるんじゃないですかね?

 別に私シマンテッィク社の回しモンじゃないからね。トレンドマイクロ社の 回しモンでもないし。

 でもまぁMelissaのせい(おかげ?)でちったぁウイルスばらまくことの 危険性に気付いてくれれば、不幸中の幸いなんじゃないかな、などと 思ってる次第。

 根本的に「知らなすぎる」のはやっぱ問題だよ。


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