インターネット使えません。
やっぱりこうゆう方向に進むかな、と思ったら鉄板でその通りに なるんだな。余りにもわかりやす過ぎてなんと言っていいのやら。
いやね、今会社の本棚にたまたま置いてあった日経コンピュータ99/5/10号 パクってきて見てるんですけど、この特集が企業のインターネット利用制限なのよ。 あ、借りてるだけよ借りてるだけ。読んだらちゃんと返すってば。
で、眺めてるとすごいね、徹底ぶりが。ちょっと目離してるスキに ここまで来てるんか。やっぱこの世界3ヶ月経てば別物。
企業の対策としては社外当てのメール送信や受信の制限、Web利用の 制限なんてのは当たり前。インターネット使える人ってのも限られてて、 上司の上司の認証、果ては社長の承認がなければメール使わせてくれない なんて事例もある。
メールひとつ取ってみても、「いつ」「だれが」「どこに」 「何通」「どんなメールを送ったか」がすべて監視されてて、目に留まれば 即警告。こんなんじゃ恐くておちおち仕事にもメール使えやしないよな。
んで、これを支援するアクセス監視ソフトってのがまた進化してるんだね。 正直これまでのやり方なんて、メールサーバのどっかに全メールを BCCしておいて、フィルタで文字検索してヒットしたやつをピックアップする、 程度のもんだと思ってたのに。
上で挙げたいつどこ情報の集計・ランキング付けは当然として、 単語解析してメール全文中何%以上のメールだったら上司にBCCするとか、 一太郎・EXCEL・Wordの添付ファイルの中身まで検索する(それ以外の 添付ファイル形式はメールサーバで保留する)とか、プロジェクトの コードネームなど機密に当たる特定の単語が登場したらその時点で TOヘッダが書き換えられるとか。いたせりつくせりとはこのことですか。
もうPGP使えとかの対処法なんて通用しない世界になっちゃったんだね (案の定暗号メール送受信を拒否する機能もある)。使うこと自体が地雷。
Webを取ってみても、誰がどのWebをどれくらい見てたか監視できて 後から管理者が内容を「追跡確認」することもできちゃう。 ほら、会社でこのページ御覧のあなた、この文章はあとで上司にも 読まれちゃうんですよ。だからもっと読め(笑)。違うか。
(*普段からシステム管理してる人達には「今さら何言ってる」感も あるでしょうね。仕組みとしてはそんなに目新しい訳でもないし。 でも決定的な違いがある。前だったら「わかる人しかわからない」情報 だったかもしれんけど、今ならマウスの使い方さえさかればパソコン 何にも知らんヤツにでもグラフィカルに全部表示できる。 言ってる意味わかるよね?)
ざっと見た感じ、記事も利用規制には肯定的な書き方してるし、 こうゆう動きは、もう止まらないだろうね。 ぐんぐん加速していくでしょう。今は何の規制もしていない企業でも、 次第に追随してくるのは確実だと思うよ。
プライバシーだの何だのわめいてみたところで500%裁判負ける保証あるし、 利用規制から逃れる術は会社辞めるか監視システムクラックするしか ないのが現実。だから会社でだけでインターネット使ってる皆さん。 次のボーナスはまず真っ先にパソコン買いに行って、自宅で インターネットできる環境整えましょう。会社なんてまずアテにならない もんなんだから、それくらい自前で揃えような。
これ前にも言ったけど、脅しでもなんでもないからねん。事実言ってる だけだよん。
さて。この利用規制の動き、一応は企業に同情する余地もあるのよ。特に 企業から機密情報が出てしまうことに対する危惧とかね。
でも。同情はするけど、賛成はしませんってのが個人的意見。
だってインターネットってそうゆうもんだも〜ん。技術的にも 精神的にも。自分ところおっぴろげにするからこそ向こうから 情報受け取れる訳だし、情報出すこともできるんだもん。
結局はリスクも計算せずに流行りにかまけて導入したてめぇがバカだってことよ。 それくらいのこと、当時からでも百も承知だったはずだぜ。インターネット 導入で何百万も使って、そのインターネットを使えなくするために さらに何百万ドブに捨てて。その金で別の設備投資できただろうねぇ。 あぁもったいな。
現にかしこい所は「リスクは当然、それを上回るメリットが あるから導入する」ってちゃんと考えてるよ。腹括ってるんよ。 覚悟してんのよ。そんな所はこんなくっだらねぇ検閲ソフトなんかに ビタ一文出さずともちゃんと活用しきってる。
余りにも対照的だなぁと端から眺めてると妙な感慨を覚えますね。
思えばこうやって検閲ソフトを導入しなければならなくなる過程を 想像してみるとすっげぇ笑えるよ。
とりあえずインターネット導入してみたはいいけど、企業として どう使っていいのかわからない。まごついてる間に社員の方が 先にインターネット自分のものにしちゃって仕事はもちろん、 プライベートでも十二分に活用するようになる。企業は遊びに 使われるの面白くないから、なんとかインターネットを業務のみ に役立てられないか思案する。でもはなからそんな脳ミソ持ち合わせて ないから、ことごとく失敗する。仕方なく一番簡単な禁止令乱発して 社員からインターネットを引き離す。
結局検閲ソフトなんて禁止例の最たるもんじゃん。髪の毛耳にかかっちゃ ダメ学校帰りにコンビニ寄っちゃだめ学校にマンガ持ってきちゃダメの 無意味で数だけ多い校則となんら変わらん。この程度のもんだって。
記事中ではどこぞの大企業のお偉いさんが雁首揃えて「制限かける ことにより無駄なアクセスも減り業務の効率もあがりました」なんて 偉そうにぶってるけど、 裏返せば「私たちにはインターネット使いこなす脳ミソありませんでした」 って公開してるだけのこと。ついでだから「私バカで〜す」のプラカード 会社の看板横に掲げとけばいいんじゃないの?
こうゆうの見るといかに「インターネット環境を会社のみに依存する」 ことが危険なのかがよくわかる事例ですね。
ほら、そこのあなた。ヤバいっすよ こんな世捨て人の文章じっくり読んでちゃ。
<追記>
もうかなり前の話になるんですけど、どっかの企業(企業名失念)で 社員募集してた時の宣伝文句にこんなんありました。
「福利厚生:インターネット使い放題」
わははははははは。この企業の方がよっぽどインターネット理解してるね。