誰に向かって


 ふは〜。お風呂は入ったしメールもWeb更新も終わったけど、 まだ11時までは間があるな〜。かといってこの時間に一度 寝ちゃうとまた2時ごろに目が覚めちゃってそのまま朝まで悶々と 眠れない時を過ごすのが目に見えてるし。瞼が重くて重くてしょうがない んだけど・・・しゃあねぇ、テレビでお茶濁すか((C)斉藤和義)。

 てな感じで、自分の部屋にテレビ来てから数ヶ月。久々にゲームと サッカー以外の目的でテレビの電源を入れました。ビデオなんぞ テレビのチャンネルリモコン代りにしか使ってねぇし(テレビには リモコンがない)。あ、でも先日使ったな。 Radio13さん どうもおみやげありがとうございました。だから何なんだそれは。

 んなことはどうでもいいんだ。その日は週のド真ん中水曜日(06/02)。 えっと何かやってねぇかな・・・・。あ、なんか外人さんいっぱい いてはる。これ何だろ。新聞新聞。あ、これか。「ここがヘンだよ日本人」 (TBS系列)。前から話には聞いてたけど実際見るのは初めてだな。 これ見ておくか。ちょうど議題がコソボ紛争だし。

 ユーゴV.S.NATOの泥沼紛争は今までにも散々報道とかはされてたんですけど、 どうもいまひとつ背景が飲み込めなくて、いまいち掴み兼ねてた部分あった んですね。あぁそうゆうことだったのねなるほどなるほど、と一人膝叩いて 納得してたんですが。

 ぼけ〜と眺めてるとどんどん話は先に進んでしまいます。 民族浄化の経緯、現在のユーゴの大統領の民族主義的権力、 NATO空爆の効果、誤爆。国連の力。和平案。日本の役割。 まぁ本当だったら朝まで生テレビ並に時間割くべき の問題を1時間(実際には40分程度)で収めなきゃいけないんだから こんだけスピードが上がるのも当然といえば当然か。

 個人的にはいわば「当事者」に当たるセルビア人及びアルバニア人の 生の意見をもっと聞きたかったんだけど、まぁそれはそれとして。

 これ見てて「へ〜」と思った部分あるんですよね。すいません、 ここまで読んでコソボ紛争の話かと思われた方も多いでしょうけど、 これ前振りです。 (ごめんね〜。こっち興味ある方はWebでも活発に意見出てるから それ漁ってくださいな。)

 この番組、議題に関わらず、参加者の「キレ具合」を見るのが 一種の見せ場になってる(これはこれで意見あるだろうがここでは放っておく) と思うんですけど、このキレ方見てても「あぁ、やっぱ日本人とは 違うなぁ」つうのをつくづく感じました。

 喋ってる人間、確かにブチ切れてるんですよ。頭に血昇って、感情の 赴くままに暴言撒き散らす。でも、これを誰に言ってるかというと 議論の直接の対戦相手ではないんですよね。どんなにキレてようが、 その会場にいる参加者全員に向けて「聴かせている」。

 果たしてこんなキレ方が、自分も含めた我々にできるのかな、と思って。  例えばMLでもWebの掲示板でもなんでもいいけど、議論起こって、 そっから論争になったとしましょ。お互い自分の言いたいこと言って、 相手をこきおろしますわな。でもその時、罵倒する人間に、罵倒される 人間以外の人間が果たして目に入っているのかどうか。

 まず間違いなく、眼中にないんじゃない?

 考え方が「いかに相手をへこますか、叩きのめすか」にだけに行ってしまうから、 それを聞いてる人のことは頭になくなる。その結果、議論は 「1対1のデスマッチ」と化し、他の人は置いてきぼり食らう。

 一方、この番組の出演者達。誰かが喋る。リアルタイムで拍手喝采、 またはブーイングが飛び交う。それを受けてまた次の人が喋る。拍手。 ブーイング。あくまで1対1にはならないよね。それ聞いてるその他の 聴衆=ジャッジメントに受け入れられるかどうかがすべて。

 だから、キレ方ひとつ取ってみても全然違うよね。タイマンじゃ 「キレたほうが負け」になることがほとんどだけど、ここでは 「キレることすらアピール」になる。

 で、聞く方をそれを心得てるから積極的に意思表示をするもんね。 この状況下では「声の大きいヤツのひとり勝ち」ってなかなか起こり得ない。 賛成・反対が織り交ざりつつ、議論がダイナミックに進行していく。 この差、余りにも大きいわね。正直、見てて羨ましかったぞ。

 確かにタイマンのデスマッチにせよ、聴衆含めた演説大会にせよ、 それぞれ長所短所はあるとは思うよ。だから「ここがヘンだよ・・・」 の形も必ずしもベストとは思わないし。

 でもさ。今までにNIFTYの会議室やらNetNewsやらMLやらWebの掲示板やら。 何度も何度も何度も何度も繰り返し起こる論争、喧嘩。見てて胸くそ悪くなる 醜い揚げ足取りに終始したフレーム見せられてみ。いいかげんうんざり してるのが正直なところなんだ。

 はっきり言って議論に参加する気失せるよ、あんなもん見てると。 「やかましいわ!そんなにケンカしたいんだったら勝手に巌流島にでも 行っててめぇらで殴りあってろ!」と拒否反応の方が先に出て来るもん。

 こうゆう感情を第三者に与えてしまうのって、不毛以外の何物でも 無いんじゃないかなあ?

 特にネットワーク介した議論の場合、触媒となるのはあくまで文字。 それだけに誰に喋っていいのか掴みにくい現状あるから、なおさら 罵倒ターゲットを決めてそいつを叩きのめす「だけ」の議論になりがち なんだけど、それ聞いてるのはあんたらだけじゃないんだから。 確実に第三者は存在するよ。息を潜めてじっと見てるか、俺も俺もと 湧き出てくるかはわからんけど、いないなんてこたねぇよ。

 いい加減「不毛な罵倒」読まされる苦痛とはおさらばしたい、んですけどね? こうゆう議論、というよりプレゼンテーション、ネットワークじゃできないのかな? 喋り手が「あいつを負かす」という対抗意識持ってる限りは、ありえなさそうだな。 勝ち負け決めるのは本人じゃなくて、あくまでそれを聞いてる第三者なのにね。

 NATOのことがいつの間にかどっかに飛んでいってしまい、こんなこと 考えてしまいました。ごめんね、NATOがどうでもいいとか、そうゆう 問題じゃないから。

 ・・・・あ、何時の間にか1時過ぎてら。寝よ。


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