酒席の黙秘
私も人間のクズでありながら、一応は社会とそれなりに向き合って 生きている訳でして。
社会と向き合うからには人と会う。人と会うからにはくっちゃべる。
例えばお昼にオーダーやってくるの待ちながらとか。喫煙室で タバコふかしながらとか。で、これらの集大成と言えるべきものが やはり酒席。
まぁ基本的には私もああだこうだどうでもいいことを喋り散らすのは 好きな方ですし、お酒さえ強制されなければ そうそう苦痛に思うこともないのですが。
それでも時には必然的に黙らざるを得ない、口を挟むことすらできない場面 に遭遇するのもまた事実です。
「先日の休みに○○行ってきたんですよ〜」
「へぇ、どうだった?」
「よかったですよ〜、静かで広くて」こんな話題になるともう私は貝になって黙りこくしか 防衛策がありません。
「こないだの△△△△△△見た?」
「見た見た。でもあれちょっとひどくねぇ?」
「あれちょっと救いないよねぇ。見ててちょっとつらかったよ」こうなっちゃうともう私に発言権はありません。というか 何を発言していいのかすらわかりません。
そ、自分の興味対象外の話題のとき。これ困るんだよねぇ。 周りはその話題で盛り上がってる。でも何で 盛り上がってるのかが理解できない。この時の疎外感というか閉塞感 というか、なんともいえないものがありますね。
この辺、達者な人だったら、自分の興味対象内に話題を引き戻して しまうことも可能なんでしょうけど、私の場合どうもこうゆう芸当は できません。話題煽ることはできても、話題変えることができない んですな。潮に乗ってしまったビーチボールの如く、どこまでも どんぶらこどんぶらこ、と。
つー訳でちょっと列挙してみましょ。私、これらの話題が出ると もう何も言えなくなります。つーか「イコール嫌いなこと」になるんだろうなぁ。
☆映画・テレビドラマ全般
ここで告白。実は私、30分以上ひとつの物語を見続けることに 対してすっげぇ苦痛感じちゃうんですよ。
はっきりと拒否反応が出るようになったのは院入った時位かな? 見てても物語に入り込む前にイライラ感が生じてきちゃって見続けることが できないの。だから家でドラマは絶対に見ない(避けて通る)し、 映画に至ってはもう5年位、映画館はもちろんビデオレンタルでも テレビ放送でも1本も見てません。サッカーは半日でも見続けられる のにね。自分でもなんでなのか説明できません。つーかただの好き嫌い なんだけどね。
これ言うと周りには気味悪がられます。そう思う気持ち、わかるよ。 人事のように言うな俺。
☆小説や物語系のマンガ
理由は上に同じ。マンガに関しては学生の時はジャンプやサンデー読んでた んですけどね。いつの間にか読まなくなった。
本に関してはもっぱらエッセイとかの短いスパンのものになります。 マンガは4コマ系のみ。
☆旅行全般
何分出不精でして。どこ行った、ここいいよみたいな話題には疎いです。 仮に行っても「記憶してない」っつうのは痛いですね(笑)。
友人とかに誘われて行くときは、プランニングには一切参加しません。 ただついていくのみ。んな訳でこうゆう人間にお勧めポイントどこなんて 聞くのはムダなのでヤメレ。業務連絡。
☆車
これもなぁ。軽と乗用車とワゴンの区別付けるのがやっとの人間に 今度のアルテッツァはさぁ、なんて言われてもねぇ。つうかアルテッツァって何?
こんな人間がトヨタ系で仕事してるから笑うな。もぉ全然業務の話 理解できねぇ。いかんやろ。
そういえば今まで上に挙げたものに関しては、「いつの間にか興味なくなった」 モノだけど、車に関しては昔っから興味ないな。
とまぁ、こんな感じ。う〜ん、こうやって自己整理してたら自分と 世間との距離見せつけられた感じがしてヘコむな。
逆を言えばこの上の4つさえ外してもらえば、大抵の話題はわからない なりにも興味あるから、逆に聞くなりしてで会話に参加できるんだけどね。 上に関しては、参加しようにも手も足も出ないんですよ。 もうどうにでもしてくれと自暴自棄にビール でもかっ食らいたところですが、死にたくないので烏龍茶とタバコに 逃げて台風が過ぎるのを待つ私。
困ったことにこれらの話題、どれもこれも「普段何気に話題に上がる 事項」なんだよねぇ。実際過去にもありましたよ。2時間半の飲み会の 話題がすべて車とドラマと旅行だったとき。いや〜あれは地獄だった。
じゃあなんか対策を練っているかってぇと、な〜んにもやってません。
単純に「人と話合わせるだけのために『勉強』するのがうざい」 つうのも原因なんですけど、それ以上に「今興味ある時間削るのが惜しい」 てのが大きいんかな、と勝手に逃避モードに突入していますが。
例えば音楽ひとつ取ってもみても、全然時間足りない。起きた直後から 寝る寸前まで、許される時間帯すべて手持ちのCD流し続けても、まだまだ 聞き足りないって思うもん。現実、そんな生活今はできっこないしね。
他にもやりたいことはあるしねぇ。今嫌いなものを無理して好きになる 必要もないじゃんか、人にはそれぞれ楽しみあるんだからさ、と 思っちゃうんですけど。
だから逆を言えば、皆さんが映画見まくろうと車に熱入れようと、 それを咎める権利は誰も持ってません。もちろん私にもね。 それぞれ好きなモンつーのがあるんだから。それに正直に従えばいいじゃ ねぇかと。社会的道義に反しない範囲内なら、誰も責める権利持ってないし、 責める必要もないって。そう思うんですけどね。
だからさぁそこのあなた。ドラマも映画も見ないからって、 旅行も行かないからって、「何が楽しくて生きてるの?」みたく 捨てられた子犬を哀れむような目つきで俺を見るのはやめてくれって。 こっちは好きでやってんだから。
こらこらそこ、あからさまに冷ややかな視線を投げつけるなっつーに。 痛いっ、痛いってその目。そのウサギがライオンに食べられる様を見届ける ような人の見方はやめれっ。
最期の最後で個人感情か俺というヤツは。