もう一枚のCD-ROM 〜Radio13共同ネタ完結篇〜


 今時、どちらかと言ったら珍しい類に入るであろう、立派な箱、 金かけてあるに違いないパッケージデザイン。

 黒のパッケージにピンク色で描かれた「P.S.2〜真実の扉」のロゴが 映える。女子高生のアニメ絵が「どーん」と効果音がつきそうな勢いで 描かれている。

 パッケージをひっくり返す。あ〜んな絵やこ〜んな絵がこれでもかと 言わんばかりに陳列されている。当然ながら「18歳未満の方は御購入 できません。」の但し書きも添えられている。

 「ほらほら、買えばこ〜んなすごいのが見られるんだぜ〜。これなんか まだ序の口だぜ〜」と誘っているようである。「今すぐこれを レジに持っていきなよ。どうせあんたも好きなんでしょ?」と誘惑する。 「アダルトビデオ屋の店員歴あるくせに、まさか恥ずかしいなんて ガキみたいなこと思っちゃいないよねぇ?20代も後半に突入した あんたが」と挑発する。わざわざ俺の過去ぶり返してどーする。

 という訳ではないのですが今私の目の前にこのエロゲーがぽつんと 置かれています。

 つーかいきなり言い訳になるんですけど、これ買う時、製品の吟味って 実はこれっぽっちもしてないんですよ。大方その日が発売直後だったん でしょう。エロゲーコーナーにこれが山のように詰まれてたんで、 それ掴んでレジ持っていっただけ。やっぱり恥ずかしかったよちょっと。 投げるようにレジに金渡して逃げるように店立ち去ったもん。 エロ本もAVも平気なのになんでエロゲーって恥ずかしいんだろうねぇ。

 それだけに今しげしげとパッケージ見ると「よぉこんなの買ったな」 と奇妙な達成感を覚えてしまったりするのが微妙なところですが。

 さてこの「P.S.2」、買ったその日に30分位プレーはしてみた のですが、その次の日にはRadio13 さん所に里子に出されました。

 要は「これやってみてどう思います?」の資料提供の意味合いで 買ったんですよね、これ。大阪出張時にRadio13メンバーに 画面を見てもらい、一通り文句だの意見だの出し合って(要はボロクソ言って)、 「まぁせっかくだからしばらく預けておきますよ」と大阪に 置いてきたんです。(ここで私が何言ったとかはRadio13をチェック していた人だけが知っています。今はもう聞けません。残念でした(笑))

 時は流れて約1ヶ月。自分で買ったCD-ROMの存在など すっかり忘れてCS導入計画にうつつを抜かしていた折、とある小包が 私宛てに届きました。差出人はRadio13。

 「どうもありがとうございました。ソフトの方お返しします。」

 のコメントと共に舞い戻ってきました「P.S.2」。

 あっちゃ。戻ってきちゃったか。うーんどうしようなぁこれ。 正直再びインストールする気にもなれないしなぁ。そういや 「金出す気にはなれないけど一度やってはみたい」言うてる知り合いが いたな。あげちゃうかそいつに。

 あ、でもこのCD-ROM代7千円は俺が身銭切ってるんだよなぁ。 いきなり人にあげちゃうのもなんか勿体無いなぁ。売っちゃうって 手もあるんだけど・・・例の如くカオス状態の私の部屋に紛れて どっか行っちゃったんだよな、ユーザ登録カード。学習しろよ俺。

 そう思った瞬間、淡々とインストールし、再びプレーし始めて ました。オソルベシ貧乏根性。

 という訳でどーしようもなくヒマな時間とかにぽちぽちとプレーし続けまして、 ようやく一通りの登場メンバー奴隷にするところまで終わらせました。

 あ〜疲れた。

 一口にヒマな時間っつってもこれ、結構費やしてるよ。さすがに自力でやる気は ゼロだったため、インターネットに落ちてる攻略文章に頼りましたが、 それでも累計10時間位は費やしてるでしょうね。10時間だぞ10時間。 この時間あったら何本エロビデオ見られるんだっての。つまんねぇよその小ボケ。

 これをもし実際に一から自力でやってたらそれこそ膨大な時間が浪費されて たと思います。そうゆう意味では「たった10時間」になるのかもしれん。 インターネットに攻略法載せてた皆さんありがとうございました。 これ自力で解いちゃう根性、マジですごいわ。

 で、感想。やっぱりね、ゲーム解いたという達成感(カンニングしまくったから 解いてないけど)よりも、虚無感の方が大きかったな。 「俺何やってんだろ・・・」て感じね。

 エロゲーに限らず、基本的にこうゆうのって「感情移入ありき」の世界 だからね。ハナから疑いながらゲーム進めてるんだから、 純粋に楽しんでゲームやってる人とは根本的な差がありますよ。 ある意味俺が抱いてる固定概念をブチ壊すようなものが得られないか、 期待していた部分はあったんだけどね。残念ながらそこまでは至りませんでした。

 結局、私が抱いてる感想って「現実と妄想の狭間で」で書いたときとあんまり変化ありません。

 ただ、だからといってエロゲーやってる人達すべてを糾弾する気も 起こらなくなったってのはある。この辺は正直に認めてしまうけどさ。

 10時間中、何度かだけど「おぉぉ?」とディスプレイ凝視した ことありましたしね。エロゲーを純粋にエロの題材として使う、 ぶっちゃけた話これで抜くのも可能だな、とも思いましたよ。抜かなかったけど。 あと10年早くこれ見てたら間違いなく泥沼的にハマッてサルのよに やってたかもしんないね。年寄りくさいけどな。

 あ、予期せずしてボーダーぶっちぎった発言しちゃったな。 もういいや、振り切っちゃえ。最初で最後の下ネタ全開モードじゃ。

 繰り返しになるかもしんないけどさ、私が嫌悪感覚えるのって、 どうしてもこうゆう特殊なジャンル(敢えて言い切る)になると、 「これだけ」になっちゃうことなのよ。さながら目隠しされた競馬馬。 他にもいっぱいやることやって、あんなこともこんなこともやって、 その上でエロゲーもやってだったら、俺ここまで文句言わないよ。 それこそこれ見てオナニーできるかできないかなんて 趣味興味の範疇じゃん。俺にそこまで口出しする資格なんかないよ。

 私、前回の時には「現実と非現実がリンクしないからこそ、 エロゲーにはまれる」のでは、とある意味決め打ちしてました。 この読み、まだ甘かったね。これ、続きがあるよ。

 もしこのままずぶずぶとのめりこんだら、リンクしないままに 『現実のみが抜け落ちる』ね。言い換えれば現実を知らぬままに非現実が 自分の中のみでリアル化する。

 別にこうなるからと言ってその人が犯罪に走るとかドロップ アウトするとか、そうゆう野暮な推測は立てられないよ。でも 純粋に、非現実を自分の中の基準にしてその価値観のままに 現実を捉えてしまうという「結果としての」逆転現象、 これ十分起こり得るんじゃないの?

 やばいよ、これ。絶対に。下手に犯罪走られるよりこっちの方が恐いって。

 だから言っとくわ。エロゲー、OK。何やろうがアニメ絵で 抜こうが、一向に構わん。ただし。他にも目向けてくれ。 エロゲー買う勇気あるんだったら、エロ本もAVも余裕だろ。 たまにはナンパのひとつでもして痛い目にでもあってみろって。

 頼むから、安易に安全に浸れる、過激な世界で自己完結すんのは やめてくれ。外に目を向けろよ、外によ!

 ・・・・・あれ?下ネタはどこいった・・・?


新着別 分類別
Index