酒席の娯楽


 先月今月と知人の結婚が相次いでまして、お財布が悲鳴をあげてます。

 もっとも、まだ2次会だけだからまだいいんですけどね。 披露宴なんか出てたらお金持ちませんマジで。今後結婚予定の 知人友人達よ、頼むから披露宴には呼ばないでね。お金ないから。

 ミもフタもないな。

 まぁそれはそうと。最近の結婚式の2次会スタイルってほぼ固定化 されてきたような感じですね。どっかの居酒屋とかを借り切って、 知ってる者同士でドヤドヤと座り、てきとーに食べてきとーに飲み、 あれやこれやとくっちゃべる。

 つーかこれこそが最大の楽しみでしょ。新郎新婦の晴れ姿なんか どーでもいーや。おいおい。

 なんにせよ、普段自分から人の集まる場所に行く機会が皆無な ものですから、せっかく久々に会う人も多いことだし、じっくりゆっくり くっちゃべりたい、つーのがあるんですよ。

 ところがこの楽しみはいっつも邪魔される。

 まぁ会の始めのご挨拶や乾杯とか、会の終わりの もはや新鮮味も何も感じないキスの強要とかは、まぁ儀式だと 思って黙認しましょう。

 でもなぁ、これは無いだろ、とか思うんよ。

 一通りの近況報告や、周りの人間の消息情報も終わり、 さぁてこれから実も無く花も無い、時間をドブに放り捨てるような 駄目会話に溺れていこうぜー、となった当たり。さぁいよいよこれからだぞ、 って時に、マイクでこうがなられます。

 「さぁてお待たせいたしました。これからゲーム大会を 始めたいと思います〜」

 あーまたやってきたよ。せっかくこっちは盛り上がりかけてた 流れが一気に寸断されてしまったではないか。

 せっかくの貴重な雑談を邪魔されてまで行われるゲームなんですから、 それが面白いものならば別にいいのかもしれませんけど。

 ビンゴ大会。ジャンケンゲーム。新郎新婦をネタにした暴露クイズ大会に ワイン飲み比べ。伝言ゲームにポッキーゲーム。

 まぁ私もこの手の幹事やったことありますし、こうゆう企画を立てる側の 気持ちはわからなくもないんですけど。

 すいません。はっきり言ってつまんないです。

 自分が参加するにせよ、周りがやってるのを傍観するにせよ、 「あーあ、なんでこんなことに時間使ってるのかなー」と思っちゃう。 「はやく終わんないかなー」と一人ぽつんとタバコふかして間を つないでる自分がいます。

 こうゆうのが「つまんない」と感じる理由のひとつに、 「周りはみんなお酒飲んでテンション上がってるけど、自分一人だけ 酒飲んでない」というのはあるような気がしてます。 やっぱり波に乗れないんですよね。ゲームの中にはシラフじゃ これはできんよなぁ的な内容のものも多いし。

 やっぱセクハラまがいのゲームって見てて 気分悪いぞ。だいたいだなぁ、そんなゲームに頼ってまで 女人の体に触ろうとすんなよ。触りたいんだったら正々堂々と 声かけてから「やらせて」とお願いせぇや!

 なんか途方もなく間違ってるような気がするんですが。

 でもね、やっぱりそれ以上に企画そのものがもう「あ、そ。」 の一言で終わってしまうような、安直単純なものしかないんですよ。 全部使い古されてる。ゲーム名が叫ばれた時点でどのように展開されて、 どうゆうオチになってしまうか、全部読めてしまう。 スタートからエンドまで、完全にレールに乗っかってる状態なんよ。

 こうなっちゃうといまさら外からかき乱して結果を変えてやろうなんて 気力も起こらなくなっちゃうし、そもそもそのかき乱し方そのものさえも がベタの世界になっちゃって、リアクションする気も無くなっちゃう。

 確かに、説明に何十分もかかるような凝った難しい企画がパーティゲームに はそぐわないってのは承知してるよ。あえてベタな企画に乗ってしまえば、 大失敗する危険も少ないしね。

 ・・・・・・あ、そっか。これか。失敗したくないから。 「盛り上がらない」と言われるのがイヤだから、 だからベタとわかっててもこうゆう企画を入れたくなる訳か。

 私としてはこんな企画なんか一切取っ払っちゃって、会の最中は もう勝手に盛り上がってね、でいいと思うんですけどね。 あれやこれやくっちゃべってるだけってのが一番楽しい訳ですし、少なくとも私は。

 でもそうはいかないんだろうなぁ。会と称するには盛り上がらなきゃ いけない、楽しませなければならない。遊ぶために存在する場なのに、 そこにあるのは義務感。だから予定調和に頼り、冒険をせずに無難に終わる。

 そこまでしなきゃいけないもんなんでしょか。

 別にいいじゃん、そこまでせんでも。楽しませなきゃいけない、 楽しまなきゃいけない、そう考えてしまうこと自体が、実は 一番つまんない事なんじゃ、ないですかねぇ?

 ほけーっとしたいんですよ。何も考えずぼーっとね。


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