関係なくなくない?


 うーん。イヤでも考えさせられるよな、こうゆうの見ると↓。ごめんね、ちょっと前の記事なんだけど。


<「精神病院は迷惑」、住民が建て替え補助金反対の請願>

 静岡市内の精神病院の建て替え問題をめぐって、地域住民の一部が27日、丹羽雄哉厚相あてに、建て替えのための補助金を交付しないよう求める請願書を提出した。日照権など住環境が著しく侵されるとの理由のほか、病院が「迷惑施設」で、「地域に寄与、貢献する医療施設ではない」と主張。厚生省は「精神病院を『迷惑施設』という言い方は残念で、遺憾だ」としている。 請願したのは静岡市長沼の「溝口病院」の建て替えに反対している「溝口病院新病棟建設反対委員会」(石川靖夫委員長)の代表ら。共産党代議士の秘書と同党県議らと、この日午前に同省を訪れた。

 請願書には、「当該病院は精神科であるため地域にとってはいわば『迷惑施設』であり、当地域の居住環境を著しく低下させている現状にあり、地域に寄与、貢献する医療施設ではなく、地域福祉・住民福祉の向上には全く貢献しない施設である」と書かれていた。

 溝口病院は1964年に開設された精神科単科の病院で、ベッド数は299。外来で1カ月のべ2000人が通院しているという。病棟が老朽化したため、いまの病棟の隣に239床の5階建ての新病棟を建てることを計画、医療施設近代化施設整備事業として補助金交付を求めている。

 溝口明範院長は「建て替えで電波障害など迷惑をかけることがあるのは事実。十分説明していきたい。だが、『精神病院は出ていけ』といわんばかりの主張はあんまり」と話す。

 石川委員長(78)は、北側住民の日当たりの悪化や建設の騒音、大型の運搬車両の通行による地盤沈下などが反対の主な理由で、精神病院ということはあまり関係ないという。「病院開設当初は、脱走した患者が家に入ってきたりしたが今はない。新しい施設は開放的になると聞いたので、心配して請願書に記入したが感情的な言葉なので今後は使わないようにする」と話している。

 陳情に同行した代議士秘書や静岡県議は「日照権などの問題でもめており、話し合いの場を持てるように厚生省にも支援してもらいたいというのが陳情の趣旨。住民の橋渡しをしただけ」などと説明している。

(朝日新聞00/04/28夕刊より引用)


 うーん。

 確かにこの抗議、記事の通り50%は日照権や電波障害と言った理由ってのが存在してると思います。その部分に関しては、まぁ当事者同士で保障も含めてナットクいくまで話し合って欲しいと思います。というか、話し合ってね、としか言えないんですけどね。

 ただ。残りの50%は、正直な話「精神病院だから」つー感情が支配してると思うんだよなぁ。だからこそ請願書の中に「迷惑施設」と明記されてしまった訳ですしね。つーか人間の本性として「やっかいなものとは関わりたくないから」つー防衛本能というか、そうゆうホンネの部分は見え隠れしちゃってるような気がします。

 理由はムッチャ簡単。今まで一般レベルで精神医学がどーゆーものか、まるで教えてこられなかったから。そんだけなんですよね。「キチガイやパープリン、クルクルパーの類を隔離して閉じ込めてるところ」この程度の認識しかない人間が日本人口の99%以上占めてるんじゃないですかね?もちろん私も含めてね。

 実際な話、自分の家から一番近い精神科の医院の場所を知ってる人ってどれくらいいるんでしょ?多分ほとんどの人知らないと思うもん。当然わすも人のことは言えないし(今度調べておこっと)。

 確かに、今までに関してはいわゆる隔離的方針が「予防」「牽制」的な役割を果たしてた部分はあったと思うんだ(もちろんそれに伴って精神科のイメージを著しく損なってたことになるのですが)。ギャグのツッコミで「精神病院行ってこい!」なんてのが笑いとして通用した・・・今でもするのか、こうゆうのも自制能力として働いてた部分ってあったような気がします。

 そう、「今までは」ね。繰り返すけど「今までは」。だから、ある意味では今回のこの抗議で住民側が抱え込んでる「ホンネ」に同情できる点はあるんです。

 ただ。フツーに生活してる人が今後も、今までと同じように精神科=キチガイ扱いできるのかね?つーのがあってね。今はこうなるんじゃないですかね。

「いつ自分がお世話になるかわからない」。もしくは「いつ自分が精神科に助けてもらってもおかしくない」。

 思わない?俺、思うんだけどな。

 わすは今まで幸い(あいにく?)、今まで精神科のお世話になったことはないです。でも今後も絶対にそうと言える自信もない。

 もう何度も書いていますが、入社したて、不眠症がずっと続いてたあの時に、もしお医者さんに見てもらってたら、鬱状態と診断されてたんじゃないのかな。重い軽い関係なしにさ。で、今でも「もしあの時と同じような、いや、あれ以上にドス暗くなったらどうなっちゃうんだろ」みたいな不安は今でも抱えてますよ。人間なんて弱いもんなんだなぁと思います。

 似たような経験、お持ちの方多いんじゃないですかね?「あーあの時すっげぇ落ち込んでたけど今から思うとよぉ立ち直ったよなぁ」って感じで。

 でね、そう考えちゃうと「俺には関係ないから」と邪険に考えることがどうしてもできないんです。

 多分今回のこの騒動、住民サイドにはこの発想がまだあると思うんだ。「俺には関係ない」「私には関係ない」ってね。だから遠慮無しに非難轟轟できるし。その辺の気持ちは悪口しか能が無い雑文書きとしてよーくわかるし(笑)。たとえ頭ではわかってるんだけどココロの片隅に残ってて不安感は消せないとか、そんな感じだと思うんだよな。

 でもさ、ちょっと頭まわすとこうゆうこと考えない?

 ひょっとしたら病院新設されることで「じゃあ行ってみよっかなぁ」と思う人がいるかもしれない、とか。自分は用が無くても、周り、親やら子供やら兄弟姉妹やらが助けを求めなきゃいけないこともあるかもしれないなぁ、とかさ。

 そう思うと、わすとしては近所にあるモノってことをプラス面に考えてもいいような気がするんですけどね。

 ここ数年、私ヒマな時とかに精神科医さんのホームページとか眺めてたりもするんですけど、やっぱ見てると「精神科って軽く見られてるよなー」つーのは感じます。必要以上に重く見る必要性もないのかもしんないけど。

 精神の病をケアしていく必要性ってのはこれまでもこれからも絶対に必要であることは誰しもが認めるところなんじゃない?それこそ「今の時代精神病んでない人間なんていない」なんて言われるこのご時世なんだしさ。

 そんな状況の中で頑なに「自分は関係ないから」と我を張る必要性もないような気がするんよ。逆に目を背けずに向かい合って欲しいです。

 案外「頼れるもんがひとつでも増えてくれるんならその方がいーや」、この程度でお気楽に構えてる位でいいのかもしれないですね。

 そんなこんなで精神科がもっと認知されるようになって、会社でも気楽に「すんませーん、今日精神科行ってくるんで早退しまっすー」「あーいお大事にー」なんて会話が普通に行われるようになったら、もっと風通しよくなるでしょうな。

 そうゆう世の中が来てくれれば。

 ・・・・・・精神科医さん、過労死しないでね。


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