金曜の朝の悲喜劇
まだ体が新しい環境に慣れきってない、もしくはもはや慣れることさえも無意識のうちに精神が拒否してるのではないか、そんな考えすらも脳裏をかすめながら通勤電車の振動に体を揺らす。そんな金曜日の朝のことでした。
相変わらず電車の中は満員御礼。どこからこんなに人が沸き出てくるんだよ。てめーらそんなにまじめに働いてどーすんだすっぽかしちまえ!をいをい、と相変わらず進歩の無い一人ボケツッコミを繰り広げながら到着駅に着くのを待ち続けてましたところ。
ぎゅるるるる。
ん?なんかお腹に異音が。
ぎゅるるるるる。
あれ?調子悪いぞ?確かに今週は、いや今週もタイトだったから、かなり現時点でへとへとになってるのは事実なんだけど。でも今は勘弁してくれよ。次の乗り換え逃した時点で遅刻確定なんだから。
ぎゅるるるるるるる。
・・・・・あ、あかん。これダメかも・・・あと2分待てばとりあえずダッシュでトイレかけこんで・・・3分で終わらせてまたダッシュすれば間に合うよな・・・ダッシュするのは今の腰の状態では極めて危険なんだが(コルセット装着済)、この際仕方あるめぇ・・・う、もうちょっとだぁぁぁぁ。
ぴーーーーーーーー。
駅着いた〜もうダメェトイレ〜〜〜〜!!
(お見苦しいところをお見せ致しました所お詫び致します。そのまましばらくお待ちください)
という訳で現在トイレの中。
ふへー。間一髪でしたぁ助かったぁ。とはいえもう出ないと乗り換えの電車出ちゃうんだよなぁ。そろそろズボンはいて出ないと・・・。くそぉ今の常駐先、なんで毎朝9時にミーティングなんてバカな風習残してんのかなぁ。おかげでこの時点で遅刻のごまかしきかなくなっちゃうもん。今時連絡事項や進捗なんざメールで充分、顔突き合わせるにしたって週1もあれば機能するでしょ。なんで今更先祖帰りしちゃうのかねぇこれだから現場の空気触れてないクソジジイは・・・あ。
やばい。立てねぇ。お腹収まるどころか、かえって激しくなって・・・痛つつつつっっっっ!!!あかん、これあかんごろごろごろっっっ!
(度重なりお見苦しいところをお見せ致しましたこと心よりお詫び致します。申し訳ありませんがいましばらくお待ちください)
結局トイレ出られたのは20分後でした。ここまで本格的に来たのは久々じゃなかろーか。もう大波小波がざっぷんざぷん止まりませんでした。すまん下品で。
でもまぁ仕方の無い選択だったのかもなぁ。このまま電車乗ってたら、公衆脱糞は免れなかっただろうなぁ、スカトロ趣味の露出趣味かよ。それ人としてダメじゃん。すまん重ね重ね下品で。
まぁこうなってまったもんは仕方あるめぇ。もうカタギの人はオフィス入ってる頃だな。電話して遅れること伝えましょ。ぷるるるる。
「もしもしぃ」
あ、山内さん(仮名、男性、既婚)おはよーございますです。ちなみにリーダーさん。ちょうどよかったすんませーん今日遅れますー。
「あ、はい、わかりましたけど・・・なんでです?」
あ、ちょっと声が怒ってる。うーんまぁ素直に言いますかな。ごまかすよーなことでもないし。えっとね、来る途中に下痢の大洪水が起こりまして雪隠詰めになりました。
「ぶははははは。」
笑うなっつーに。まぁ実際今こうやってネタにしてっけどな。
「わかりました。メンバーにはミーティング欠席の旨伝えておきますので。気を付けてね。」
あーいすんませんよろしゅー。って明らかに声のトーン変わってんじゃん(^^;;;。さてと、これだけじゃないんだよな。自社の方にも連絡入れなきゃ。ぷるるるる。
「もしもし」
あ、総務の片桐さん(仮名、女性、既婚)ですかぁ。すいません今日遅れますー。
「えっと、理由はなんでしょうか・・・?」
あーまたかい。はいはい言いますよかくかくしかぢか。
「きゃはははは。」
だから笑うなっつーにっ。やはりなんだかんだ言いつつもこうゆうネタはウケるもんなんだな。論点違うよ。
ただひとつ言っておかなきゃならん点はあって。今回こうやってウケを取るのには成功しましたが、これでもれっきとした遅刻、給料&査定に影響があるってことは重要なことなんですよね。数字の上では理由がなんだろうが遅刻1回がカウントされてしまうと。あ〜あ、ただでさえ給料安いのになぁってそれはてめぇが仕事してねぇからだろうが。なるほど納得。すんなよ。
ま、それはそうと。連絡も入れたし、ゆっくりと向かうことにしましょーか、とホームに向かいました。で、驚いたのは実はここからだったりする。
私がホームに入ったのは8:50なんですが。そしたらね、ホームに人いないの。ぽつんと立つは私一人。ちょうど電車が直後だったというのもあるにせよ、この光景は何?私が普段電車に乗る8:20の混雑と比べてこの違いは何?
電車に乗っても違いは明らか。普段は吊り皮に捕まれるかどうかも微妙、ただただ立って時間が流れるのを待つだけなのに、今日はいきなり何の苦労も無く席に座れるし。 ゆったりヘッドフォンの音楽聞きながら。Palmを立ち上げてゆったりと今朝ダウンロードしてきたWebのニュース読みながら、悠々と流れていく時間。
なんじゃこれは。天国と地獄そのまんまじゃん。毎日こんなペースで通勤できたら、体力的にも精神的にもどれだけラクなことか。私が今会社に対して抱いてる不信感に絶望感、これだけで50%以上は軽減できますよ間違いなく。
で、ふとそれまでの朝の行動パターンを思い返してみたんですけど。ロクな行動取ってないことがわかって愕然としましたわ。まず朝9時にフラフラになりながら会社着きますよね。そのままミーティング直行。体力も集中力も完全にこの時点で途切れてますから全然頭入りません。体でわかりますもん、「あ、この時間はダメだ」てな感じで。ただただ時間が流れ話が終わるのを待ち続けて。終わると同時に喫煙室のソファーに逃げ込んでよーやくインターバルですと。ここで10分15分ぼけーっと休んで。ついでにトイレ行って用済ませたりジュース買いに行ったり席に戻ってからメール整理したりWeb眺めたり。時間稼ぎ続けて続けて自分のペース取り戻して。「んじゃやるかぁ」と頭がおしごとモードに切り替わり始める。ここまで約1時間はかかってますわ。9時に来てる意味完全にねぇじゃん。
まぁ私の場合は極端にせよ。普通のカタギの皆様の場合でも、毎朝人の波に体力削られて会社着いてから「さぁて仕事するかぁ」と、ゆったりのんびり通勤して会社着いて「さぁて仕事するか」とじゃあ、同じセリフでもその中身は大違いでしょ。個人のモチベショーション取っても作業入ってからの効率考えても。で作業はかどって残業無しで帰られるようになれば前も後ろも人件費削れて万々歳になるんじゃないの?つーか削減削減言ってるんだったらこうゆう発想に向かうようになって欲しいんだけどなぁ。それでもまだ「皆と一緒に同じ時間にデスクに座ることが美徳だ」とでも思ってるんですかね?
幻想だよそんなの。
すまんね、サービス業とか製造業とか、時間に縛られざるを得ないおしごとについてる方々には延々と叶いもしないネタを延々と読ませてしまって。
でもね。最近思うんですよ。この業界、特にSEだのプログラマとかの世界ですと、下手に体力使わない影響もあって、この辺の時間の考え方が幼児レベルにさえも達してないのが現状。特にサラリーが高いという訳ではない(むしろ少ないと言い切れる(笑))のにやたらと拘束時間だけは長い。「俺は不眠不休で月350時間働いた。どうだエライだろ」こんな考え方が堂々とまかり通ってるんですな。こんなの世間的常識で言えばただの仕事のできない馬鹿なんですけど、まだまだこの世界、時間さえかければモノはできなくてもデカい顔できる、まだまだレベルの低い業界なんだな、てのをつくづくと感じちゃってて。こんなことを考える事自体、私自身がこの業界に閉塞感を感じてるから、というのもあるのかもしんない。この辺は正直なところすっげー弱気になっちゃってる。
でもだからといってそのままこんなやり方許してたら、いつまで経っても変わらないんだよな。どーせ私自身いつまでこの業界いるのかさえ自信無いし(この業界辞めるのはわすにとっては橋の下で野たれ死にしろと言うに等しい行為だけど)、たとえ実現せずとも、事あるたびにこの件は公私問わずぶちまけてやろうかと思っておりまする。ええ死んでも言うのやめませんとも。時間を自由にコントロールできる職業という意味ではプログラマ程適切なモンそうはない、とも思ってますんで。
あ、そうだ思い出した。ウチの会社、半年に3回遅刻すると始末書なんだよねぇ。何の意味があるのかわかんないんだけどねぇこの制度も。でも私、普段からお腹弱いですから、多分これからもこうゆうことはあるでしょう。もし3回とも下痢で始末書書くとかなったら反省点「ありません」て書いて提出してやろぉか。あ、面白そうだなそれぇけってーい。
そんなこと考えながらボーッとしていたら。
駅乗り過ごしてしまいました。ありゃままま。
まぁいいや。こんだけ遅れたら30分も1時間も一緒だ。
のんびり行きましょうよ。