ご慰留は計画的に


 前回トバし過ぎて文章が遠い世界に行ってしまったみたいので、今回はいつも通りに。時々こうゆうの書きたくなるんよね、突発的に。こらソコ、ラリってるってゆーな。

 それはそうと。ようやく一連の退職騒動が一区切りしまして(注:完了した訳ではない)、それまとめなきゃなぁと思いながら早半月が経過。いまだなーんにもまとまってません。えへへ。笑ってる場合か。

 とはいえできないできない言ってても話は進展しませんので、とりあえずは書き殴ってみることにしようと思います。今、画面にはこの文章と共に前回の原稿も表示しながら、キーワード読み比べしつつ書いてます。どこらへんから書き始めようかなぁとか考えながら。ほら、一応役には立ってんだぞ。一応。誰に言ってんだ>俺。

 辞意表明してから今に至るまで、自社の人間とは計3回ですか。いわゆる「退職面談」なるものを行いました。

 とはいえ面談の内容の方は言うと、事実上、慰留&拒否の永久ループに終始していたような気がします。なぜ辞めるのか、その原因はどこにあるのかといった掘り下げってのはほとんど行われなかったんじゃないかな?

 こうなってしまった理由の一因は私の方にもありまして。だって口下手なんだもん私。面と向かって何か言おうとしても、その言葉が全然見つからない。「えーと」「うーん」「えーと」「うーん」こればっか。で家に帰ってから「あー!あの時はこう言えばよかった悔しー!キーッ!」と後悔すると。この繰り返し。面談が成立しねぇ訳ですわ。

 こちらが明確に理由を打ちだせない(言ってるんだけどワキが甘いからことごとく打ち返される)から、面談は終始相手ペースでしたしね。あーあ、こうなるんだったらいっそのこと「うっせーわボケ!辞めたいから辞めるんじゃ何度も言わすなカス!つべこべ言わねぇで退職願受け取れやウスノロトンペイが!」と逆ギレしてテーブルのひとつでもひっくり返した方が話早かったのかもしれませんなぁ。さすがにそこまで現実にやる勇気はなかなか無いもんなぁ。ところでトンペイって何だ。

 まぁそんな訳で計3回ですか。ただひたすらあの手この手で慰留食らってたのですが。後になっていろいろと考えてみたらこのやり方が意外にバリエーションに富んでたのが面白くて。面白がるなよ俺。いやだって、相手は過去に何十人、下手すりゃ百人以上もの退職希望者と対峙してる訳ですからね。私から見たらそれこそ百戦練磨の強者ですわ。とーていかないませんとも。となれば逆に吸収すべきもんも転がってんじゃない?なお、「単にネタになるからだろ」と下心見破るのは厳禁です。書いてちゃ意味無い。

 そんな訳でちょいと分類してみます。

○慰留その1:なだめる

 まずはシンプルにこれ。「今は苦しいかもしれないけど、後になればそれが糧になるからねぇ」「体的にしんどいのなら言ってくれれば考慮するようにしますから」「ここまでがんばてきて、既に峠は超えてるんですよ。あとはラクになる一方なんだから」。将来は明るいんだよ、今が苦しいだけなんだよ、ということを前面に打ち出してガマンさせてみようとするやりかたですな。

 相手の心情を汲み取り、決して逆ギレされないように、優しい言葉を選ぶのがポイント。あと下に出てくるさまざまなバリエーションを駆使した後、心理的にフォローを入れるためにも使われます。

 これがまず基本ですね。なだめにはじまりなだめに終わる。一期一会。それ違う。

○慰留その2:すかす

 ・・・ん?書いてはみたけど。意味これであってるよな?まぁいいか。

 「んー、君はそう言うけどさ。それも理由があってのことなんだよね。」「でも、そこに目が行くってことは何かもっと違うところに不満を感じてるだけなんじゃないのかい?」実際言われた中で例を出すならこんな感じか。

 要は相手が不満に思ってることを正当化させて納得させる、もしくはそんなことはさも重要な点ではないようにみせかける。そんなやり方ですな。私もこれに翻弄されて結局自分のペースに持ちこめなかった。これが敗因だなぁ。次こそはぜひリベンジ!何を力んでるか私よ。

 あくまで理性的にってのがポイント。あとこの時「他の人もみんながんばってるんだから・・・」と他人を話に持ち出すのはご法度みたいです。さすがにこれは言わなかったなぁ。抑えるべきは抑えてるなぁ・・・って感心してる場合か。

○慰留その3:怒る

 なだめてもすかしてもダメなときの変化球として有効。口調を突如厳しく変えて、

「そんなんダメ。甘えてるだけ。」「それじゃあ話にならないだろ?なんでそこを考えない?」

 と相手の意見を完全否定、相手をひるませるのが目的です。私は2回位やられた。やっぱりすこしひるんだ。ダメじゃん。

 で、注意しなきゃならないのが、ある意味このやり方って硬直した場を動かす飛び道具なんですよね。退職交渉の場においては相手を理論で打ち負かすのではなく、あくまで慰留することが目的。相手を本当に怒らせてしまったら元も子もありません。感情論に突入してしまいますから。ですので、一呼吸入れて(でも相手にバトンは渡さないままに)、

「でもそう考えてしまうっていうのもわからなくはないよ・・・」「実際そうゆうこともありえるからねぇ」

 と相手に対するフォローも忘れずにしましょう。基本はあくまで(その1)です。

 ん?いつからこの文章、慰留術講座になったんだ?

○慰留その4:愚痴る。

 怒るのは一緒なんだけど、第三者等に矛先を向けることによって、相手に「自分のことを代弁してる」と思わさせるテクニックです。言い切るなよ。

「実際ねぇ、私も『やってらっれっかこんなの』とか思ったことありますよ。」「そういえば昔さぁ、こんなことがあってねぇ・・・」

 昔話を交えながら一席ぶつ。その際、相手の境遇に近いシチュエーションを選ぶと好印象。PG/SEなら一度はデスマーチを経験しているので、その経験を基に話すと相手にも共感を得られやすい。共感を得たタイミングで再び説得に戻りましょう。

 

 とまぁ、私が受けた中では分類すると大きくこの4つに分かれました。

 あくまで基本は(その1)です。別のパターンを繰り出すにしても、その後には必ず(1)を挟むのが鉄則。1→2→1→2→1→3→1→4→1→2→1、という感じでヒット&アウェイのボディブローを繰り返し、相手のスタミナを徐々に奪っていくんですな。実際やられるとね、キツいよ。経験者は語る。

 んでそろそろかな、というタイミング(大体ここまで1時間半〜2時間)を見計らって仕上げに入ります。

○慰留その5:具体的提示&まとめ

「という訳で。いろいろと喋ってきたけど。もう一度だけ考え直してくれないかな?」

 と最終的に「自分は慰留しますよ」という意思をはっきりとさせます。その際、ただ「辞めないでくれ」なだけではなんの説得力もありませんのでどれこれに関しては考慮する、改善を約束するなどのトレードオフを忘れずに(そしてそれは必ず実行し成果を相手に見せること)。

 今までのプロセスで体力失っている相手は通常ならば比較にもならないはずのこの両天秤を「対価のもの」として価値比較を始めるでしょう(要は通常の判断感覚を失っているからなのですが)。そうなればここでは勝ったも同然です。

 それでもなお相手が屈せずにつっぱねてきた場合。急ぐ必要はありません。こう言いましょう。

「まぁゆっくり考えてくれていいですよ。よく考えてお返事ください。」

 これで終わればOK。決して勝負を急がないこと。チャンピオンはあなたです。引き分けであればチャンピオンベルトはあなたの手元に残ります。引き分けを何回も繰り返せば相手は戦う気力を失い、「こんなめんどくせぇことするなら従ってた方がラクだな。不満は若干ながら解消される訳だし」となる訳です。長期戦に持ちこみ戦意喪失させ、戦わずして勝つことができれば、将来は安泰です。さぁ便利な社員をひきとめるためがんばりましょー!をー!

 をいをい。

 とまぁこんな感じでまとめてみましたが。

 問題は。こうゆうパターンが来るってのは頭でわかっていながら、なんでその場で反撃できなかったんだ?ということですな。

 言ってくれるなおっかさん。えぐえぐえぐ。


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