決着をつけようぢゃないか


「400回でーす」

「おひさしぶりでーす」

「何の?」

「いきなり無関心かよっ!ここ!この漫才で累計雑文400回!」

「はてぇそうじゃったかのぉ最近すっかり物覚えが悪くてのぉ」

「ごまかすな!」

「ていうか忘れもするっつーの!大体最後に俺ら出てきたのいつだよ!」

「えーと・・・最後に出たのが349回のときだから・・・2年ぶり?」

「覚えてられっかんなもん!いくらペース緩めるたって限度があらぁふざけんな! この2年の間、俺がいかにつらい思いしたことか・・・こんなご時世だからロクな 職にもありつけず、家ではガキが腹すかして待ってんだよ!『おとうさんがんばってね!』とか 言いながらさ、けなげに待ちつづけてんだよ、うううう・・・」

「その捏造力は認めるが。おめぇ独身だろ」

「買ったんだよ15年ローンで」

「犯罪だそれは!おまわりさーん!」

「それでも相場的には安かったんだよぉ」

「高い安いの問題じゃねーだろ!」

「ぷにぷにばんざーい!」

「冗談でもやめぃ!本気で殺されるぞ!」

「とまぁこんなギャグでも言ってられなきゃやってらんねぇほど待ちくたびれました、ということを表現したかった訳で」

「もっと別の表現を使え!誤解される!前フリで客ひかしてどーすんだよ!!」

「という訳ですっかり時が流れ去りまして」

「うわ、強引な本題入り。まぁ確かに長かったけどな2年は」

「うん。いろんなことがありましてねぇ。いろんなことが・・・・・・・」

「?」

「・・・うっ・・・うっうっ・・・・・」

「・・・あんたが感傷にむせび泣くタマか?」

「・・・・・・・ううぅ・・・何があったのか忘れた・・・」

「そっちかい!じゃあ今のはリアルな泣きかよ!」

「だってさぁ、ただでさえ時事ネタの風化は早いんだぜ?それをこの作者のボケが!忙しさに かまけてゼーンブふっ飛ばしやがって!挙句の果てに会社辞めるだぁ!ふざけんな!出て来い! 俺のネタ返せ!殴ってやる!」

「いや、それ怒りのぶつける場所も理由も違うし」

「いんや違わねぇ!それもこれも全部50回なんて区切りの時にやるなんて決めたからだ!それさえ なければなぁ、俺は毎週毎週御登場、そのたびに拍手喝采を浴びて、この世界の王者として君臨・・・ ん?」

「おや作者さん?どないしました?」


 じゃあ次から任せるから毎回やってね。んじゃ。


「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「いろんなことがありましたな2年間」

「ごまかすな!」

「余興よ余興。久々だもん。ちっとでも長く前フリやりたいじゃん」

「いや、あの目はマジだった」

「わはははははは」

「目が笑ってないぞ」

「お前もツッコミなら相棒のピンチを助けんかいっ!」

「こっちにキレるな!早く本題行け!」

「はいはい・・・・・・えーと。なんだっけ?・・・ちょっと待ってね・・・」

(うわ、あいつマジで忘れてるよ・・・あ、帰ってきた)

「えーとまぁそんな訳で」

「はいはい」

「15年ローンで買いましてね」

「危険領域に舞い戻るなあああ!」

「んなもん、俺が台本通りに進める訳なーいじゃーん!」

「なんだかなぁ。つーかいい加減に本題行きましょ。読者さん地平線の彼方までひいてるし。おーいそろそろ戻ってきてー」

「はいはい。以前同じ漫才企画でやりましたの覚えてます?君が代とか日の丸とかいじったヤツ」

「あーあれねぇ。あれやった時ビクビクもんだったんだよなぁ」

「あれに近いようなことできないかなぁと思ってたらつい最近ですか。格好のネタ見つけましてね」

「えーまたナショナリズムねたー?大丈夫?抗議来ない?」

「大丈夫だと思うよ。多分。まぁやってみんべ」

「不安だなぁ」

「まぁそれはそうと。わてらの世代、というか大抵の日本人にとっては『領土問題=北方領土』という概念を抱きがちなんですが。何も領土でもめてるのはロシアとだけじゃなくて。お隣韓国とも、実はかなり微妙にもめてるんですわーな」

「最近でも大きいニュースありましたな」

「ひとつは日本海の名称問題。韓国が『あれは東海だ』と言い出して大騒ぎってヤツ」

「もうひとつは竹島だな。韓国が自国領土を主張するために国定公園化させよう、って動きか・・・まぁ動きそのものに関してはネットでも散々騒がれてるから詳細の説明は 省くけど・・・ホントにこれやるの?」

「こらこら、そこで露骨に嫌な顔すんじゃない。どうせハングルで文句来ても意味わかんねぇ」

「そうゆう問題じゃないだろ!」

「実際そこまで言う気ないから安心しなさいな」

「うーん。じゃあこの不安取り除くために聞かせてくれぃ。ぶっちゃけた話、あんたは どう思ってんの?」

「意見ふたつに分けていい?」

「どんぞ」

「んじゃまずは日本海の方ね。こっちは簡単よ。『好きにすれ』。いじょ」

「へ?んじゃ今韓国側が動いてる国際名称が云々、の件もほっといていいの?」

「苦しゅうない。好きにいたせ」

「殿様かあんたは」

「えーだってさぁ。これによってこの海は韓国の海になったんだから日本人は入るな 入るなら金よこせ、とでもなるんだったら拒否して当たり前なんだろーけど。 所詮名前だけじゃん?好きに読めばいいんじゃねーの?」

「主張があるのか投げやりなのかさっぱりわかんねーよそれじゃ」

「それにさぁ、何もひとつの固有物に対して名前はひとつしかつけちゃいけないなんて 誰が決めたよ?いいじゃん呼びたいヤツが呼びたいように呼べば。日本人は日本海と呼ぶ。韓国人は東海と呼ぶ。第三国の人がどう呼ぶかはてめぇで勝手に決めてくれ。これで十分じゃない?」

「うーん、それは確かに言えるかもなぁ」

「こんな人だっているかもしれないじゃん。例えば青森県在住の木下幸之助さん(76)。 おじいちゃん曰く『日本海?東海?どっちも却下じゃボケナス!あの海はなぁ、わしが若かりし頃、幼なじみのトメさんと将来を誓った思い出の海なんじゃ。トメさんはその後、 異人さんに連れられていったのじゃがな・・・。だからあの海はトメさんの海と呼ばなきゃならないんじゃ!他人の思い出を汚すでないわこの愚か者!』とか言って激高してるかもしれないじゃん」

「いねぇよそんなヤツ!人物像から思い出話からでっちあげんなよ!」

「いやそんなもんだって。人それぞれってことよ。その国際名称決める会議だっけ?日本・韓国以外の役員なんてこう思ってるに違いないって。 『東海?日本海?知ったことかそんなもん。 短い期間の間で決めなきゃ決めなきゃならんよこたぁゴマンもあるってのに、そんなどこにあるのかもわかんえぇーよな中海のことでギャーギャー抜かすなってんだよ脳無し共が。 あーこれだから黄色いサルどもはおめでてーよな全く。 そんなに決めたいんだったら賄賂の 一本や二本位持ってこいってんだ額の高い方に一票入れてやらぁ』」

「わーわーわー!ストップストップ!!」

「要は距離との問題だってことよ。韓国は胸を張って東海呼べばヨロシ。それで誰かが 傷つくわけでも無し死ぬわけでも無し」

「無難にまとめた・・・のか?それは?まぁこれ以上聞いてもロクなことになりそうにないから、先に進もう。んじゃ竹島の方」

「こっちはねぇ。いかんよ。断じていかん」

「・・・・・・何が?」

「俺から言わしたら日本海云々でギャーギャー言ってる場合じゃねぇだろと。 そんなもんほっといてこっちの方に全力投球せーよ!と」

「まぁ名前だけの日本海と違ってこっちはモロに利害が絡んでるからなぁ。領海問題でもあれがあるとないとでは大違いだし、付近には豊富な海洋資源もあるし・・・」

「だから手放したくない韓国は、あんな崖しかないよーな小島に軍隊送りぃの 国定公園にしぃのと行動してる訳じゃん。だめだって日本もそれ位やらなきゃ。 何も動かないで口先だけで『あれはボクの土地だもーん』なんてやってたって 説得力あるかっつーのボケ」

「確かに口で言う割には動かないもんなぁ日本って」

「だからいっそのこと言いたいこと言って動きたいように動いて、とことんケンカしてみろってんだ。 何が『衝突を避けて穏便平穏に解決しましょうだ?』この腰抜けが甘いわカス! この口か!?言うたのはこの口か!?」

「痛い痛い痛いっ!俺の口引っ張るなっつーの!!」

「ガンガン主張しとけ!自衛隊常駐させぇ!なんなら行き場無くした ホームレスのおっちゃん達の衣食住保証した上で竹島に移住させぇ!」

「こらこらこらこら!ちょっと待てぇ!!異議あり!!」

「ん?何よ?ツッコミにしてはストレートで芸が無いぞそれ?」

「いや、これはちゃんとした異議。確かにあんたの言うように行動を伴うってことも 大切だ。でもな、それで韓国側が引くと思うか?こっちが大事だと思ってるのと同等に 向こうに日本のヤマザルなんかに渡したくねぇよボケ、つー心理は働いてるんだぞ間違いなく。 その状態で衝突に衝突を重ねたら、最終的にどうなると思う?」

「・・・・・・戦争?」

「お前は好き好んでドンパチやれと」

「いいんじゃないの?」

「こらこらこら!シャレなってねぇって!」

「今戦争すればとりあえずポルトガル、イタリア、スペインは日本に加勢してくれるんじゃない?」

「それ単にW杯で韓国に負けた国並べただけじゃねーか!お前こそひねれよ!」

「というのは冗談として」

「あたりめーだ!本気で怒られるぞ!」

「安易に意見が合わない、んじゃ戦争だ徴兵だ、これじゃあ短絡的だわーな。 お前さんのツッコミと同じで芸が無い」

「あーすいませんねーつまんなくてー」

「スネるなっつーの。続きを聞け。まぁ仮に話し合いだけで決着がつくにせよ、 もしくは戦争して決着がつくにせよ、どうしても両者は二分されてしまうよな? 片方は勝者。片方は敗者」

「まぁねぇ」

「でもこれじゃあどっちが勝ったにせよしこりは残るんじゃないの?ということになる。 それじゃあ千年待ってっても近くて遠い国は近くて遠い国のままだよお互いに。という訳で!! 完全決着をつけましょう大作戦!!ひゅーひゅーどんどんぱふぱふー!」

「また何かよからぬことを考えてるな?」

「まぁ聞いてくれや。まずは前提条件として、繰り返しになるけどとりあえず日本も韓国も言いたいこと ブチまけて、解決もしくは妥協点を探しましょうやと。この際『この島は日本韓国両方の島です』的に してしまっても構わん。まずは解決に向けて努力はすると」

「そのプランは日本・韓国双方から既に案として出ているという話は聞くな。ただいずれも 妥協案以上に強硬案の方が根強いらしく進展はないらしいが」

「で、これがダメだった場合。もうこりゃあかんと。あんさんとはやってられませんさいならー。 と判断した場合」

「戦争?」

「アホウそんなことするかい。イベントをするの。盛大にな。まずは日韓合同でプロジェクトチームを 結成する。日本だけじゃダメ。韓国だけでもダメ。両方でやるのが大前提」

「はぁ」

「それでな。そのチームは何をするかっていると、竹島の至るところに穴堀りまくるんよ。 中央部には糸井重里も真っ青のドでかい大穴を。それから大穴を取り囲むように島を穴だらけにする」

「はぁ?」

「で、これらの穴が完成したらいよいよクライマックス。 穴という穴にこれでもかって位ダイナマイトを詰め込んでだなぁ」

「こらこらこらこらぁあああ!」

「最後は日韓両首脳がにっこり握手を交わしながボタンをプチっ! ダイナマイトどっかーん!竹島粉砕〜!た〜〜〜〜まや〜〜〜〜〜!!」

「ドアホウ!!島そのもの吹っ飛ばしてどーすんだよ!!」

「それが目的だっつーの。火種の元がなくなってしまえば争う必要がないだろーが。 これなら日本も敗者。韓国も敗者。双方成敗でバンザーイ!」

「・・・頭痛くなってきた・・・」

「もちろんただ壊すだけじゃ素っ気無いから便乗イベント組みたいよねぇ。 竹島破壊記念サッカー日韓戦なんてのもいいなぁ。盛り上がるぜぇこれは」

「あのなぁ」

「いや、実現したらW杯なんかメじゃねぇって!あんな形だけ共催事実上は分催に 終わったニセモノ文化形成と一緒にすんな!国籍を超え、人種を超え、島破壊という ひとつの目標に突き進む!プロジェクトX!♪風の中のす〜ばる〜♪」

「歌うな歌うな!」

「閉会式ならぬ破壊式では、日韓のスーパースター揃い踏みでスペシャルステージ。 となると日本側の代表は決まりだな」

「ん?誰?ケミストリー?それともモー娘。とか?」

「バカもん!そんな若造にこんな重要な役を任せられるか!重鎮に決まって おろーが!歌って頂きますは小林旭!『ダイナマイトが150屯』!!」

「・・・・・・アホかぁああ!!」

「♪ダイナマイトがよぉ〜おおほほ〜、ダイナマイトが150t〜♪」

「お前それが歌いたいだけの理由でここまで引っ張りやがったなぁあ!」

「ところでさぁ」

「なんだよもぉ・・・」

「韓国の歌で『ダイナマイトが150屯』に匹敵するよーな歌って知らない?」

「知るかぁああ!やってられませんさいなら!!」

「ほなさいなら〜」

 ・・・・怒られませんよーに。なら書くな俺。


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