天秤はどっちに傾く


5月22日(木)

 さてと。今日からいよいよなりふり構わずの第2次再就職活動開始、ですか。はぁぁ、なんかやる気しねぇんだけどなぁ。こらこら。

 まぁ実際のところ、そろそろいいかげん本腰いれないと、冗談抜きに生活が危うくなってくるからなぁ。いくら節制生活しているとはいえ、やはり日々目減りしていく預金残高。

 食っていくためには仕方ねーやいっちょやりますかエーンヤコーラー。

 という訳で今日はソフトウェアハウスA社の面接です。求人表での区分はベンチャー/小規模の扱いになってるけど・・・従業員300人以上、東名阪支社持ちってその時点でもはやベンチャーというよりは中堅どころだよなー。

 という訳で訪問して会議室へ。横目でちらっと職場を見ます。パーティション無しの長机。背広姿で何十名もの人間が無言でパソコン叩いてます。もう何年も腐る程見続けてきたこの風景。まぁどこもこんな感じですわな。

 そんなことを思ってたら相手様がどやどやと御入室。常務、人事、プロマネのいわゆる3本柱ですか。基本的には今回のこの一発で採否を決定するらしいとのこと。

 業務内容説明もそこそこに、話はもっぱらこれまでのデスマーチ及び体調破壊の方へシフト。「どんな症状でした?」「残業時間はどれくらい?」などと細かいツッコミが入ります。どうせ隠して潜りこんだところでそこも実はデスマでした、じゃ意味がないので包み隠さずブチまけることに・・・ウケた。よし勝った。違う。

 そんなこんなで1時間近く話して、まぁつつがなく終了。うーんまぁどんなもんなのかなぁ?一応業務内容はエンジニアとはなってるけど、事実上今まで通りの派遣PG/SEお仕事になるのかなぁ?

 ・・・夢無いよな。結局デジドカは永久にデジドカなのかな・・・。

5月23日(金)

 朝一から電話。取ってみると、覚えのある女性の声。

 今回の転職活動でお世話になってる須藤さん(仮名)でした。アシスタント2名を抱える某大手の転職コンサルタントさん。所属は営業部。推定年齢28歳位。女性にも男性にも好かれそうなサッパリした性格。結構私好み。こらこら。

 本題。A社からは「前向きに考えている、でも検討させて欲しいのでしばらく時間ください」とのこと。

 まぁそんなもんでせうな。これまでに受けて落ちた企業さんでも、大体始めはそんな返答だったし。それにしても、改めて前日の面接思い返してみると、技術的な話はほとんどしなかったような・・・。ということはやっぱりSE主体での客先仕事になるのかもしれんのぉ。まぁこの際メシが食えればなんだっていいや的な感情が芽生え始めているのも否めない事実です。やっぱ貧乏は人をすさませるね。

 まぁ結果出るまでにはまだ時間あるだろうし。とりあえず手続きは進めつつ考えさせてくださいな、と返答。

5月24日(土)

 再び須藤さん(仮名)から電話。

 「こんな会社の求人が入ったんですけど。どうでしょう?と思いまして。」

 メールでB社の求人票を受け取ります。ふむ、社員12人。典型的な零細会社ですかぁ。でもお仕事は完全にPG、それもPerl主体と言語指定まで明記されてる。ふむ、今までこんなに明記されてる求人票、見たことないなぁ。これまでは大抵PG/SEとかエンジニアといったボヤけた表記だったもんなぁ・・・。

 まぁどっちにしろ本当にA社の結果が決まってない以上は、次の応募先を確保しておく必要がある訳で。「とりあえず応募してもらえますか?詳細は面接で聞きます」と返答。門戸の広さは放送大学並((c)SDP)。

5月28日(水)

 前々日の歯の治療のダメージで顔真っ青にしつつ。急遽この日は2社の面接をハシゴすることになりました。

 まずは前もって応募していたC社の課長さんと一次面接。内容は歯の痛みがつらくて何も覚えていないので全部省略。をい。

 一旦家に帰り、鎮痛剤(市販のバファリン、歯医者で貰った薬は飲んだらアレルギーが出た)かっ食らって仮眠した後、先週応募したばかりのB社一次面接へゴー。

 電車の中でPerlの初心者本をもっぺんおさらいします。まぁ何度も読み返してる内容なんですけど。なんでも面接の後でCGIの作成スキル見るとからしくて。でもなぁ、実はちょっと不安。というのも、私今までPerlはすべてコマンドラインとして使ってたから、CGIとして作った経験はほぼゼロなんですよねぇ。最近はPHPの方に流れちゃってるし。無論自信はあるけど、ヘンなところでつまずいたらどうしましょ・・・。

 なんてことを思いながら(途中道間違えてひーひー言いつつ)C社到着。そのままなだれ込むように面接へと突入。

 ・・・なんかPerlだのCGIだのでは効かない専門用語がバンバン飛び出してきますよ?まぁ話にはついてこれますが。伊達に耳年増を何年もやってねぇぜ。違うよ論点が。

 ・・・それにしてもこの「開発室」と称する職場、スゲェな・・・A社とは正反対ですよ。部屋の真ん中にテレビとギター。棚や机にはDVD、CD、ゲームの類が山のように積まれてるんですけど。なんつーか、まるで会社というよりサティアン・・・ごほんごほん。

 居心地良さそうだけどねぇ。私の部屋よりは綺麗だし。をい。

 なんでもこの会社、元々はデザイン設計の会社(親会社は印刷業)で、マルチメディアとかに手を染めてたらいつのまにかシステム開発がメインになっちゃったという、ある意味訳のわからん会社。そのためデザイナーには事欠かないけど、プログラマは手一杯になっちゃってる。それで今回の求人となったそうで。ふーんなるほどねぇ。今までの「ひょっとしたらいい人いるかもしれんから・・・」的な求人とはまたちょっと違うな。

 そんなこんなで1時間半位、あれやこれやと話しまして。

「それではわかりました。結果及び二次面接の方はまた連絡させて頂きますので。本日はありがとうございました。」

 あ、はいはいどういたしま・・・・・・あれ?

 やるっていってたCGIの作成は?

「あ、あれ非経験者用のフィルターです。怪しいと思った時には実際に作ってもらうんですけど。今回は大丈夫ですよ。お話だけで十分わかりました。」

 うっはーひ。まぁいいけどねー。

5月29日(木)

 恒例となりました朝一の須藤さん(仮名)コール。連絡事項3つ。

「C社さんなんですが、残念ながら不採用となりました。」

 あーどうでもいいです。

「B社さん、2次面接の連絡が入ってきました。」

 あーい、そのまま進めてくださーい。乗り気でーす。

「A社さんなんでけど・・・」

 ・・・・・・へ?

 要約するとこう。結果から言うと不採用なんですけど。キャリア(業務履歴書)的にはすぐさま即戦力として動けるはずなので、一旦半年の契約社員としてやってみて、体が業務に耐えられるかの点も込みで我が社で試してみてはどうでしょう?という打診でした。

 むーーー。それは悩ましいな。例えば正社員雇用だけ考えれば取るに足らないかもしれないけど、これで業務(プロジェクト)単位での契約とかができるようになれば、動ける自由度としてはかなり上がる・・・。

 うーむ。昨日の面接の時点では「あーこりゃB社決まればオッケーだなー。A社?捨て捨て」な態度だったものだから、途端に悩ましく思えてきます。

 人間っていかに我が侭な生き物なのでせう?え?私が我が侭なだけ?

 とにもかくにも、A社には実際の業務内容及び待遇を確認してもらうべく連絡取ってもらいます。

6月2日(月)

 相変わらず歯医者でのダメージは抑え切れないまま、B社の最終面接へ。社長さんご登場。あーだこーだと喋り出します。

 ・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・。

 2時間経過。あーいありがとうございましたー。また連絡お願いしまーす。

 うーーーーーー。知恵熱が。

 えっと?新規ですか?英語ですか?中国語ですか?現地ですか?

 まぁあまり詳細は書けないのですが、要はそんだけスケールでかいよと。なんでそんな案件を社員12名の零細が抱えてんだよ(笑)。正直なところ期待よりも不安の方が増大する・・・。

 むぅ・・・悩むのぉ・・・。

6月3日(火)

 須藤さん(仮名)からモーニングコール。脳内変換はやめましょう>私。

 B社さんの方からは「合否は週末に連絡入れます」とのこと。むー。昨日ちょっと弱気になっちゃったからなぁ。その辺苦慮されてるのかも。

 そしてA社の方からは正式な(契約社員としての)内定と条件提示が行われたとのこと。ふむ。ちょいと比べてみましょうか。

A社:年収420万(半年で210万)契約社員。09:00-18:00(固定)。私服不可。客先業務有。具体的な業務内容未定。

B社:年収未定(内定時提示)。正社員。10:00-19:00(フレックス)。私服可(背広不可)。客先業務無(現地設置除く)。某新規プロジェクトのSE/PG兼務。

(共に残業代無しの年俸制。土日祝+夏+年末年始休。各種保険有。交通費支給)

 むむむむむむむむむむむむむむむむむむむーーーーー。無駄に文字を重ねるな私。

 迷うのぉ。B社の年収と業務内容次第だよなぁ。あとは圧倒してるもんなぁ。でもB社落ちる可能性だってある訳だしなぁ。

 ・・・・・・・・・あーーーーーーーーーー!!めんどくせ!!

 悩むのヤメヤメ!!なんとかなる!寝る!

 寝るなよ。

 6月9日(月)

 B社から「もう一度だけ面接させてくれません?」との打診があったため、3回目の「開発室」訪問へ。なんか入社前なのに既にこの部屋の雰囲気に慣れているんですが。まぁそれはそれ。

 内容は業務内容の再確認と待遇、特に年俸の提示でした。

 で、実はこの数日間、のんべんだらりとしつつもボンヤリと考え続けておりまして。よく考えたらさ、これまでにやってきたおしごとだって、訳のわからなさに関しては似たり寄ったりじゃねぇかと。確かに英語だの中国語だの言われてビビり入ったのは事実だけど。じゃあ日本語でお客さんから説明聞いたところでちゃんとした説明が受けられることなんか稀、ほとんどは電波と切り捨てていい妄想だったってのが現実だし。だったら別に変わんねぇじゃんと。

 確かにこれまで通りのやり方で、これまで通りにモノ作って、というのもありかもしれんけど。そのやり方に限界感じたからこそ今回の転職活動に踏み切ったという側面も一応ある訳で。だったらチャンスじゃないっすか?すぐにとは言わずとも、できるところから変えてしまえ。どーせダメなときは何やってもダメなんだから突っ込んじまえ。

 という訳で業務内容に関してはその某プロジェということであっさり快諾。

 あとは年俸ですか・・・。むむ。370万ですか。残業代無いことを考えれば若干の年収減だけど、そもそも残業自体がアウトの体な訳だし。これまでノドから手が出る程欲しかったフルフレックスや私服通勤が手に入ることを考えれば。年間50万払ってその権利買ったという考え方もできるよな。かつて規則に縛られた輩を「社畜」呼ばわりしてた自分を思い出せ。バック・ザ・ベーシック。

 ・・・・・・よござんしょう。その条件乗った。

 あとはそちらがよければGOサインを出してくれぃ!

 天秤の軸が根本から折れました。ぽっきりと。

 6月10日(火)

 須藤さん(仮名)から朝一で電話。このやりとりも今日で終わりかと思うとちょっと寂しいものも。これまで散々お世話かけてしまいましたからねー。でもまぁこれで成立料**万(怖くて書けません)が入ることを思えばオッケーですか。なんにせよありがとうございましたー。

 という訳で本日、正式にB社より内定の連絡を頂き即承諾、入社の意志を伝えました。同時にA社には「ごめんなさい」ということで辞退の連絡も入れました。ちょっと心苦しかったんですけどね。内定頂いてからサンザ待たせた挙げ句の辞退ですから。逆を言えばこのご時世に待ってくれるなんて行為自体なかなかあり得ませんし。でもまぁこの辺は相手さんも理解してくれるでしょう、と勝手に解釈。

 てな訳で、来週6月16日(月)より出勤、そのまま挨拶もそこそこに新プロジェクトの構築に従事することになりました。

 祝無職脱出ーーー!!

 ひゅーひゅーどんどんぱふぱふー。どーんどーん(打ち上げ花火)。

 長かったよーえぐえぐえぐ。泣くなよ。

 でもまぁぶっちゃけた話、これで流れる水の如く減っていく預金残高の恐怖とおさらばできるという点では、本気で心底ほっとしていますわ。平日昼間に家にいることに対する家族や知人からのプレッシャーよりも、こっちの方が数倍怖かったです。もしこれで両方ダメだったら、コンビニかどこかのバイト始めようとか考えてましたからねー。そこまで切羽詰まってました。

 やっぱ次辞める時はちゃんとお金貯めて辞めないとねー。あとサボらずにハローワークにも行かなきゃねー(結局行かなかった奴)。こらこら。

 てな訳で一部大好評、一部大不評でした素晴らしきこの世界(無職編)も今回にてピリオドです。B社3日で逃げ出すとかしない限りは。こらこらこら。

 まーどうせ次からもどうせネタ続出な日常なんでしょう。あーこちとら体張って笑い取ってナンボの雑文書きよ!今更後戻りできるか!いっくらでも振ってきやがれべらんべー!

 開き直り方間違ってます>私。

 という訳で今後の展開を気長にお待ち下さい。以上、長くなりましたがご報告でした。

 やれやれです。


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