万博+ジルバ=?


 いきなり素っ頓狂なタイトルですが。万博ジルバだそうです。

 万博とは?まぁあの万博のことと考えてよろしいでしょう。2005年に愛知県で行われるらしい、海外国内は勿論のこと地元民に至っても「何それ?」の一言で片付けられる、存在意義のかけらも無い100%純粋まじりっけ無しの天然馬鹿万博。最終的に愛知県が何億、いや何兆の借金を被ることになるかだけが興味対象となっている、鈴木礼二の生霊に取り憑かれた例の巨大金食いプロジェクトです。今更説明不要ってもう十分に書いとるがな俺。

 しかし。ジルバ?何よそれ?私のつたない知識の範囲内で思い浮かぶジルバといったら、えーとあの、ちゃーらーしゃらららーとかのリズムに乗ってゆらりゆらりと踊るあのジルバ。あれしか思い浮かばないんですが。説明になってねーじゃん俺。

 なんでジルバなのよジルバ。これが万博音頭とかだったらまだ十分に意味わかりますし。実在しますし。三波春夫の「こんにちは〜こんにちは〜」がコンマ何秒かで即座に脳裏に浮かんできます。つーかだな。一旦思い浮かんだら脳内でループ始まって止まらなくなって。「こんにちは〜こんにちは〜」ええい去れぇ三波っ。

 そもそも普通「万博」の接尾語として常套手段としては、普通食べ物とか雑貨とかが来るのが常でしょうやはり。万博饅頭、万博ペイントの定番から始まって、万博アイスクリーム、万博カレンダーといったあからさまな便乗物、万博イグアナ、万博ギロチン台といったキワ物までが当然の如く同居するアナザーワールド。それこそが万博を冠するモノの王道なのではあるまいかっ。欲しくもなんとも思わないグッズ片手に「きゃーこれかわいー」と愛想笑いを浮かべたミス万博ポスターの脇に飾られてこそ王道っ。

 なぜそんなところにジルバ等という異物、それも無形物が紛れ込むのかっ。汝に万博の名を語る資格はあるのか?由緒正しき土産屋にどの面下げて居直るつもりだ無形物のくせにっ!!

 なんて興味はこれっぽっちも湧かないどころか、心の底からどうでもいいことなんですが、ネタとしては面白そうなんで詳しい知人に聞いてみました。なんじゃそりゃ。

 その知人曰く、万博ジルバなるものは、いわゆる愛知県下において、社交ダンスを嗜みとするじっちゃんばっちゃん・・・ごほんごほん。紳士淑女の間にて、ひっそりと浸透しつつある極秘(でもなんでもない)プロジェクトなんだそうでして。

 まぁ例の如く誰一人として興味を抱かない(興味抱かせるような魅力が何ひとつとして存在しないんだから当たり前)万博の知名度をなんとかして向上させ、民官一体となって万博を盛り上げようという、典型的な皮算用イベントらしいんですが。

 話聞いて笑っちゃいましたよ私。まずお役所のイベント係とかが、県内に住んでる社交ダンスの講師に総当りに依頼。それを受けて講師がそれぞれの生徒に万博ジルバなるものを伝授。そして最終的には、万博プレイベントなるもので、総勢数千人クラスによる万博ジルバをお披露目!

 てな具合なんだそーです。ぶはははははは馬鹿だぁ。いかにもお役所連中が考えそうなこった!と一通り笑っておりましたら。

 その知人曰く。どうやら別の観点からお怒りのようでございまして。

 なんでもこの万博ジルバなるもの。口に出したらその恥ずかしさの余り首を吊りたくなるようなネーミングセンスの割に、「きちんと踊れたらカッコいい」(知人の通う教室の先生談)んだそうです。意外にも。これが数千人クラスでびしっと決まれば拍手喝采は間違いないだろうと。むー、見る人が見れば違うんですな。

 ですがこの「きちんと」「びしっと」つーのが曲者らしくて。試しに1回、その教室で万博ジルバをやってみたらしいのですが。

 難しすぎて誰も踊れない。

 中級〜上級クラスに属するその人達が、1時間以上かけて全構成の1/4でさえもクリアできなかったと。途中「難し過ぎるから」と帰ってしまった人もいたと。

 聞いてみたそうです。「こんな難しいもの、初心者も含めてみんな覚えることできるんです?」先生、即答したそうです。

 「絶対無理」

 一刀両断かよ。

 まぁ結局この辺も「お役人さん」の判断ミスなんでしょうねぇ。その踊りの見栄えに夢中になる余り、その難易度やこなせる人数のことが完全に抜け落ちてしまったと。素人でも練習すればママチャリでピレネー山脈登り切れる位の事考えてしまったんでしょうな。無理だっつーの。

 そのイベントの期日や動員人数(どこぞの集会みたいだな)までに「万博ジルバ」踊りきれる人が数千人揃うとはとても考えられないと。結果頭数だけ揃えた初心者さん達が、見事なまでにバラバラな「万博ジルバのまねごと」を披露することになるのが今から目に見えてるそうです。

「そんな誰にも踊れないようなジルバ作ってどうする気だ!何考えてんだ!意味あるんかそれ!」

 とその知人も怒り心頭でございました。そりゃそーだわな。

 んでもねぇ。この話聞いてちょっと考え込んでしまいましたな。

 この万博ジルバでもそうなんだけど、万博の名がついてりゃなんでもありだろ的な、推進お馬鹿さんの底の浅さがなんか改めて露呈しちゃってるという不安がすっごくあります。底浅いどころか、なんか盛り上がって地肌露出しちゃってるんですけど、てな具合で。

 やつらのことだから、冗談でもなんでもなく、万博オーケストラや万博和太鼓に始まって、果てには万博スカイダイビングとか万博空中綱渡りですら真顔でやりかねんぞマジで。そーゆーことじゃねーだろーが。

 これは付随するイベントとかに留まらず、本番のパビリオンとかにも直結しそうな勢いすら感じるから怖いです。そこらの学園祭連中に好きなだけ金渡したらこんなもん作りやがりました((c)西原理恵子)的なもんができちゃいそうな恐怖心がありますな。

 「〜〜〜できる」と「〜〜〜で見る人を楽しませる」は、明らかに違うベクトルを要求されるからねぇ。その辺の違いがまったく理解できてないんじゃないかしら。つーかそもそも理解してるんだったら今更万博とかの発想にはいかないはずですし。

 何なんでしょうね、この人たちの思考回路。理解できません。そりゃ前売り券売れる訳がねーや(案の定既に問題になってます前売り券強制売りつけ。都市博から何も学んでません)と妙に納得してしまいましたな。

 まぁそれはさておき万博ジルバ。果たしてどうゆう結末を迎えるのでしょうか。乞うご期待。

 してもしょーがないけど。


<追記:03/12/07>実際に万博ジルバを踊ってる方(!)から読者さん経由でツッコミを頂きまして(情報多謝です)。

 もともとジルバ自体がダンスの中でも簡単な部類に入ることもあるのか、現在の万博 ジルバは難しくもなく踊ってても楽しいよ、とのことだそうです。あり?

 私が得た情報も確かな筋からなものなんですが、これですと「難しい」「やさしい」の 評価が錯乱してることになりますな。まぁこんなん錯乱したところで害はないから 別にいいけど(をい)。

 考えられる線としては、

 の可能性が一番高いのではないかと推測されますです。まぁ実際のところ まだバージョンアップしてるだけよろしいのではないかと。そんなところですな。

 むしろこうなったら万博は死に絶えても万博ジルバは定着しました、 みたいな展開希望。なんじゃそりゃ>俺。


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