万博で飲み歩く
愛知万博の全期間入場券。大人17500円。
通常の入場券が4600円なので、都合4日以上通える方であれば元が取れる計算になるのですが。
これが今結構な勢いで売れてるみたいです。パビリオンの予約が一日分しかできなかったりといった制限もあるにはありますがなんのその。順調すぎる位の勢いで売れ行きを伸ばしてるそうで。
はじめは「ふーん、世の中には祭好きというか物好きな人もいるってことなのねー」程度で、たいして気にもとめてなかったのですが。
知人や近所の方の話を聞いてみると、どーもそーゆーことではないらしい。
という訳で。えーと愛知万博おっかけ続けて何年になるのかな。もうかれこれ8年位ですか・・・・・・今月日の経ち具合に目眩が起こりましたが。
史上初の快挙です。最初で最後になるかもしれません。
愛知万博を誉めます。
あーそこそこ。ひかないように。元々「けなすところはけなす、ほめるところはほめる」は愛知万博に限らずに一貫させてるつもりでありますぜ?今まで愛知万博に誉める要素が何ひとつとして見当たらなかっただけの話で・・・・あぁ、まだ信じてないっぽいぞー。雰囲気でわかるぞー。
誰に向かって話しとるか。霊か。
じゃあまぁ信じてもらうためにもとっとと話進めますかねー。
どうも周りの話を聞いてる限り、全期間入場者を買う層ってのに、明らかな偏りが見られるみたいなんですよねぇ。無論ちゃんと調査してる訳ではないので主観交じりまくりなのは承知の上でですが。私が感じた限りでは、大体こんな感じ。
(1)万博会場に気軽に足を運べる
ま、これは当たり前か。具体的に言えば瀬戸市や尾張旭市、名古屋市の藤が丘周辺、そして高蔵寺。ここいらに自宅があったり、会社があったりする人ね。スーパーに買い物にいくような感覚で万博会場に足を運べると。
まぁこの時点で全国一律的なお話にはならないことを察してください(笑)。超地域的情報でスマヌ。
(2)特定のパビリオンに興味が無い
こうゆう人との間では大抵このような会話が繰り広げられます。
「ねぇ、万博って行った?」
「ほら、全期間入場券」
「すっごーい。じゃあマンモスは見たの?トヨタ館は?」
「並ぶよーなところはどこにも行ってない。インターネットとかよくわかんないし」
「えぇ?じゃあ何しに行ってるの?」
「うーんと・・・・・・散歩?」有給を消化し、日中炎天下の中何時間も並び、人に飲まれ金に揉まれフラフラになりながらパビリオンを彷徨う凡人達よ、歯軋りして悔しがるがよい。
地元民は所詮こんなもんだ。森林公園や青少年公園に散歩しにいくよーな感覚。まぁここまで近過ぎると感慨もクソも無りませんしね。東京タワーだって東京の人は行きゃしないでしょ?(なんつー例えだ)
しかしここまではまだ助走にしか過ぎません。これに次の要素が重なった場合、この全期間入場券がプラチナチケットの如く光り輝くことになるのです。
(3)酒飲み
・・・・・・・なによその鳩が豆鉄砲食らったよーな顔は。
いや、冗談抜きでこれが最重要要因なんですって。
愛知万博で酒を飲む。これが今地元民の極一部を巻き込んだ一大ムーブメントになってるんですからっ!・・・・範囲が狭いとかツッコまないよーに。
とはいえまず真っ先に思いつくのは会場内レストランを始めとしたいわゆる「お高い料理」が真っ先に思い浮かぶのですが。地元民にはそんなもん必要ありません。
狙いは外国館!バーコーナーを練り歩く!そして飲む!
特にビール党にとってはまさに天国らしいです。ドイツ館ではドイツビール、ベルギー館では値段はちと高めだが本気で巧い品種のビールが飲める。つまみは各国の館練り歩き。食い歩き飲み歩き。ウマーーーー!!!で、近所同士、友達同士に留まらず、万博内で「飲み友つながり」で仲良くなって、ついには定期的に集まって勝手にパーティ開いちゃったりとか。
運のいいことに、知人つながりで、間接的ではありますがこのような「万博で飲むひと」にお話を聞くことができました。それではK藤H子さん(仮名、2X歳、独身)、お願いしまーす。
(*一部脚色を加えております)
−どれくらいの頻度で万博に?
「週2〜3といったところかな。仕事終わってから電車で行ってー。 入って即飲んで電車で帰るー。天国ー!」
−万博に通うようになったきっかけは?
「会社に余ってた入場券で友達と行ったのが最初なんだけど。人多くて並ぶ気も 無くて、飲み食いにシフトして。そこでハマったのよ」
−じゃあ今はやっぱり全期間入場券で?
「うん、もうとっくに元取った。パビリオンいっこも見てないけどー」
−お金は? 「居酒屋で飲むのとあんまり変わらないー」−お勧めの飲み場は?
「ドイツ館!ビール美味いー!ソーセージサイコー!あとベルギー館もいい! 値段は高いけど飲む価値ある!」
−本当にビール党なのねぇ。
「おほほほほそれほどでも」−万博ならではの愉しみは?
「やっぱり同じように常連のように飲みに来てる人いるからそっから友達になったりとか。 今じゃちょっとしたサークルみたいになってるー。じゃあ『明後日はタイ館で!』とか約束して飲むー」
−普通の居酒屋とかの違いは?
「うーん、やっぱり名古屋の中心部とかならともかく、ここらだと数少ないから飽きちゃうのよねー。 ここだと場所が場所だから飽きないしー。次から次へと練り歩けるしー」
−万博は夜10時まででしょ?物足りなくはない?
「平日だとむしろ丁度いいくらいー。家に着いたら寝るだけだしー。休日前だったら終わってから リニモで名古屋いって2次会3次会ー。朝まで飲むー!ビールさいこー!」
−ほんとに飲むの好きなんですね。
「えへへへへへへー(できあがってる)」
−ありがとうございました。うーむ。さすがK藤H子さん(仮名、わからない人は「ももいろスウィーティー」を読もう)。実際にはここまでぐだぐだじゃないですけど、聞いた話は概ねこのまんまです。万博を「赤ちょうちん」代わりに利用してる人は、意外に存在してるぞ、ということ。
「万博が10時に閉まる」てのはひとつのキーワードかもしれないですねぇ。遅くまでは飲めないから深酒をしない。どっちにしろ普段から外で飲むような人なら出費もたいして変わらない。だから頻繁に通える体力と財力がキープされる。
そうゆう手があったのかー、と話聞いた時には正直ショックでした。こりゃあ確かに酒飲みには天国ですわ。恩恵に預かれるのは地元民のごく一部だけなんでしょうけど(遠方から来て飲み歩いてってのはさすがに難しい)。それでもこうゆうやり方というか推し方があったんだなぁ、とちょっと感慨深かったり。これを「万博のある生活」と呼ばずして何と呼ぶ!と。声高に主張したいものがありますな。主張して何になるという説もありますが。
惜しむらくは・・・・ごめんね、最後どーしても文句になっちゃうけど。
もっと早く知りたかったなぁこうゆうことは。万博協会自体が出してる情報にせよ、マスコミとかが取り上げるニュースにせよ、やれパビリオンだのイベントだのと「大きなもの」がどーしても先に大きく取り上げられてしまうだけに仕方が無いんですけど。
あーもっと早く「実はこうゆう楽しみ方もできるんですよ」ってのが提示できてればなーっ!ボロクソ叩くだけで終わらなかったんだけどなー!ちっきしょう。
まぁ過ぎたモンは仕方ねぇ。立ち直り早過ぎ。
今からでも遅くは無いです。
万博会場から30分圏内に在住している瀬戸市、尾張旭市、藤が丘、高蔵寺等の人間でパビリオンに一切興味が無く、普段から外で飲み歩いてるような酒飲みは、是非全期間入場券買って飲みに行こう!
ターゲット狭っ!