大雪の平日


 2005年12月19日(月)。

 この日は名古屋で23cmを記録、新聞に言わせれば53年ぶりになるらしい大雪となりました。当然のことながら我がホームタウン、春日井市の高蔵寺ニュータウンも朝から銀世界。うひゃー、銀世界とはこのことか。

 もうこんな日はとっとと仕事なんか放棄して、一日家でぬくぬくと・・・という訳には行かないんだろうなぁ。今日提出期限のものもあるし。

 そういえば去年もそんなことあったな。「雪で身動きできないから休みまーす」って言ったら「歩いてでも来い」と怒鳴られて。バスもタクシーも捕まらず駅に着くまでに2時間、そこから電車で1時間かけて出社して、会社に着くと同時にボスに罵詈雑言を浴びせたなんてことが・・・。いかん、遠い目をしてしまうではないか。何言ったんだ俺。

 どうせ今回も打診したところで同じなんだろうなぁ。諦めて家を出ることにします。今年はスタッドレスタイヤもあるしね。あ、ここではネタにできなかったんですけど、車買い換えてスタッドレスタイヤも手に入れたんですわ。おかげで駅までは特に問題なく辿り着くことができました。途中2台程動けなくなって放置されてる車とかありましたけど。

 電車も遅れてはいたものの、幸い駅に着いた瞬間に遅れ列車が着いた幸運も重なりまして、普段から30分遅れ程度で会社に無事到着。やれやれってことでPCを立ち上げてWebを巡回。仕事しろ俺。

 あーやっぱりな。折りしもこの日は名古屋に限らず各地で大雪だった模様で。「休みたいのに休めないー」なんて書き込みをblogで散見することができます。なんか同士を見つけたようでニヤリ。

 そうなんだよね。誰だってこんな日にわざわざ仕事なんかしたくねぇっての。寒いし滑るし危ないし。無理して出勤したところで高は知れてる。どうせ1日2日経てば雪だって消えるんだし。それまで大人しく家でのんびりしてて何が悪い?そう考えるのが普通でしょ。特にわてらからその下の世代、20代〜30代は。

 でもそんな極当たり前の欲求を全面的に却下、「雪程度で休むとは何事か」と烈火の如く怒り狂って出勤を強制させる輩ってのがどこの会社にも必ず存在します。この際世代でぶった切ってしまっても問題なかろう。40代〜50代のジジイ世代。

 大雪が降る度に両者の違いをまざまざと目の当たりにしてる高蔵寺ニュータウン住民としては(どんな括りだ>俺)、この二者間の断絶ってどーしよーもないもんがあるよなぁ、てのを常々感じたりします。

 ただし。興味深いことに、この二者がガチンコした場合、強いのは圧倒的にジジイだということがあるんですよ。勝率9割じゃ効かないんじゃないかな?もちろんジジイ=管理する側=強制させる側ですからジジイ有利、ということもあるんでしょうけど、それにしても強過ぎると。これはどうゆうことなのかね?とつらつらと考察を重ねます。だから仕事しろって俺。

 まず我等(勝手に複数形)が言う「行きたくなーい」ですが。これはハイリスクローリターン思考からくる単純なリスク回避行動ですよね。一日動かなかったところで致命的な損害が出る訳でもない。動かなければ事故(=余計な損害)を被ることも無い。別にとりたてて追求する必要もありません。シンプルイズベスト。

 が。どーもジジイに言わせると、これが心の底から気に食わない、それこそ逆鱗レベルのふざけんな発言になるようでして。というのも過去の彼等の言動を咀嚼してみると、どうも怒りの根源が2つ存在するような気がします。

 そのひとつは「理由なんか関係無い、会社を休むこと自体が絶対悪なんだから何が何でも来い」という単純な精神論。まぁ彼ら自身がそうゆう教育を何十年繰り返し受け続け、それこそ骨の髄まで叩き込まれてる訳ですから。一朝一夕で抜け切れる訳が無いのも心情的に理解はできます。

 ただこれだけなら所詮「黙ってろ奴隷」の一言で黙らせてしまえばいいはず。でも実際にはそうはいかないんですよね。それがもうひとつの根源にあるのではないかと。これ。

 「なんでこの状況を利用しないんだ?」という疑問と義憤。

 大雪降ってます。車も電車も動きません。それでもこうやって会社のために車放り出してでも出社して、お客様にも顔出して。私はそこまで会社の為にお客様の為に尽くしているのです!だから評価上げてね(はーと)。

 要はこうゆうことだと。ジジイに(はーと)とか言われたくねぇけどな。そうゆう問題じゃなくて。

 つまりハイリスクハイリターンじゃねぇかと。なんでこんな好機をみすみす逃すんだ?お前等それでいいのか?ここでアピールしないでお前等如きがどうやってアピールするんだ?そんな未熟さ(と彼等には見える)が、そこまでの怒りとなって現れてくるのではないか。だからこそここまでの勝率を誇ってるんじゃないのかな?そんなことを考えますな。

 冷静に考えれば「アピールの手段」という意味では半分は当たってるし半分は間違ってる、といったところですか。実際問題としてアピールなんてそうそうやろうと思ったところでできるもんでもないですし。成果主義取り入れたら皆がわかりやすい仕事(アピールしやすい仕事)しかしなくなったなんてのが典型例としてある訳だし。人間そんなに器用じゃありません。

 ただその一方でリスクの意味を悪意的に解釈してるよね。リスクに対処するってことは、その事象が現実化した際に如何に被害を最小化するかを計画するということですから(詳しくは「熊とワルツを」読め)。「スリップしないように運転しろ」「止まる電車に乗るな」なんてのは所詮リスクから目を逸らしてるに過ぎないんですよ。「多分死ぬだろうけど仕事のためだ。崖から飛び降りろ」と放言してるのとある意味一緒。

 この辺の混同に気付いてくれれば「来い」の発言も随分と説得力増すんですけどねぇ。それができないから「結局精神論かよ」の一言でジジイ扱いされて終わってしまうんでしょうなぁ。

 そんなことを高蔵寺のコメダ珈琲春日井東谷橋店にて、あつあつのホットコーヒーすすりながら書き連ねる私。

 え?仕事は?今日提出の仕事は?

 んなもんてきとーにでっちあげて投げつけて帰ってきたに決まっておろうが。一応最低限外に出せるレベルにはこしらえてるから文句は出ないと思うけどねー。出たら出たで明日以降直せばいいさ。

 それにしてもこの時間帯、普段なら駐車場も客席も大抵8割以上は埋まってるんですが、今日に関してはやっぱり雪の影響かな。ガラガラもいいところです。おかげで随分静かに推敲ができます。

 いつもでしたら大抵はアルバイトの女の子達が接客してるんですが、今日はオーナーさんと社員さんかな?数名の男の人達が全部やってます。

 この人たちも「休むに休めなかった」人達なんだろうなぁ。「雪で客なんか来ないから閉めます」なんて言えなかったんだろうなぁ。

 そんなガラガラのサ店でコーヒー飲んでて言えるセリフじゃないんですけど。閉めちゃばいいのにね。お仕事ご苦労様です。


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