3ヶ月vs3日


 以前からちょくちょくと小ネタにはしているのですが。当方十何年とPCを触り続けているにも関わらず、いまだにタッチタイプ(ブラインドタッチ)ができない人間です。今書いてるこの文章も、実はちらちらとキーボードに目を落としながら書いています。

 一番初めにPCを触り始めた時、我流でタイピング覚えてしまったんですよね。そのクセがずーっと残っておりまして、今だに修正できません。やっぱりチャット一本槍の馬力勝負で覚えたのがマズかったのかなぁと(何をやってた>俺)。

 それでもおっさんと呼ばれることに違和感を感じなくなる程、年月だけは無駄に費やしているからなのか。一応人並みの速度では叩けるというか、PC触らない人にはキチガイ扱いされる程度には叩けてはいて、特に日常も仕事も支障は無かったのですが。

 やっぱりねぇ。ちょっとはコンプレックスを感じてるんですよねぇ。スピード的にこれ以上の向上も見込めないというのもあるし、間違ったタイピングを続けているからなのか、手首や肘の腱鞘炎も慢性的になってますし(マウス1時間使い続けることができませんのでトラックボールで回避してます)。限界を感じ始めているよなぁというのは感じます。趣味としてだけでキーボード叩くだけならいざ知らず、これでおまんまも食べていかねばならない訳だし・・・。あくまでライトな感覚ではありますが、小さいもやもや感を抱えていたのは事実。

 そんな折りですか。とはいっても夏過ぎなんで随分と時間経ってしまってはいるのですが。ちょっとしたきっかけがありました。

 もう今年この本を参考にするの何回目かなぁ。「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法」の中で親指シフトなるものが紹介されてまして。マスターするとアホみたいなスピードで文章入力できるらしいぞと。著者の勝間さんは3日でマスターしたらしいぞと(p.59)。

 親指シフトなぁ・・・確かに大昔(それこそPCと並んでワープロ専用機が存在していた頃)に使っている人はいたけどなぁ・・・でも今さら専用キーボード手に入れるのもなぁ・・・Winならまだしも今はMacがメインだしなぁ・・・と躊躇していたところ。

 どうやら調べてみると、現行のキーボードでもエミュレーションを介することで、実用レベルで使用可能らしいぞと。ふむ。じゃあダメ元で一度試してみるのもありなのかなぁということで、トレーニング開始したのが確か8月の末でした。エミュレーションのインストール等は先人の知恵もありましてあっさり完了(親指シフト愛好者さんの執念に敬意を表します)。んじゃ後は覚えるだけ。できる限りローマ字入力を封印し、タッチタイプを心がけ・・・。

 NICOLAの練習ソフト叩いて3日。

 無理矢理文章書いて3週間。

 配列表にらめっこしながら3ヶ月。

 今に至ると。さて、私は見事親指シフトをマスターして、高速タイプの世界に足を踏み入れることができたのでしょうか?

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ごめん。全然ダメダメでした。私には無理。この場をお借りして正式にギブアップ宣言させて頂きます。

 こっからはぐだぐだと言い訳なんすけど。上達以前の問題として、かな50音のキー配置を記憶することが最後までできなかったんですわ。20時間やっても50時間やっても(ていうか80時間位は練習してると思う)。せいぜいホームポジションの「うしてけせはときいん」が限界。ていうかこれらホームポジションの文字でさえ、未だに頭で考えないと打つことができません。指に覚えさせるってことが全くもってできなかったです。ていうかこれを3日で覚えられたって勝間さんの頭の中はどないなっとんじゃ?これがエリートと下々の差なのかぁ!?やっぱりこの世は選民主義だぁ格差社会だぁ!!

 やめなさい見苦しいから。

 でね。この状態でいくらやっても、1文字打つのに5秒かかる、うっかり記憶が飛んでしまうと1文字入力に30秒以上かかる・・・てことが頻発してしまうんですな。こうなるともはやストレスにしかなりませんで。結局3ヶ月やってみたところで、マスターされた方々が口々に仰る「高速でタイプできる心地良さ」を体感することは一度も出来ませんでしたねぇ。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。溜息しか出ねぇ。

 じゃあなんで3ヶ月も粘ったんだよという声もあるのかもしれません。なんででしょうね?私自身よぉわからん(をい)。なんか諦めるのが惜しかったんでしょうかね?親指シフト習得を勝ち負けの判断でやってたのかしらん。もしくはタッチタイプできないっつー不安不満が知らず知らずのうちに大きくなってたのかしらん?

 まぁ何を言おうが所詮負け犬の遠吠えっつー話もありますが。まぁ潔く(?)私は退場させて頂きます・・・あ、そうそう。一応置き土産的に。フジハラの仇は俺が取る!と意気込む酔狂な御方がいらっしゃいましたら(いねぇよ)、Winなら「親指ひゅんQ」、OSXなら「TESLA」というキーワードを頼りにWeb漁ってみてください。以下のリンクなんかも参考に。

 夏のひこうき雲:親指シフト、おすすめします(Win)
 現実2.0:IntelMacで親指シフト(MacOSX、要Xcode、未確認ですがLeopardでもいけるそうです)

 そんな訳でございまして、結局は親指シフトも、タッチタイプも我が物にすること叶わず。相変わらず我流タッチでキーを叩く日々が続いておったのですが・・・。こっからまた転機が訪れました。ってそこまで大袈裟なことでも無いんですけど。

 そういえば親指シフトとかタッチタイプとかを書き捨てにっきに書いていた頃に、「SKKはどないですか?」的なアドバイスを頂いておりまして。当時は同じように「ふーんそうゆうのもあるのねぇ」程度にしか考えてなかったのですが。傷心のまま(?)に試してみることにしたんですわ。OSX用にはAquaSKKなるものがあるとのことなので・・・。

 インストール10分。

 変換操作の確認に30分。

 操作を手に覚えさせるのに3日。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 やべぇ。馴染んだ。何この差。確かにローマ字そのまま使えるから操作方法以外何も覚えなくていいってのもあるんだけど。何なんだこのサクサク感(主観)は。大抵の漢字はほぼ一発で変換できるから(=私のボキャブラリーが貧相だということも同時に証明してしまうのが諸刃の剣)、大抵はスペースキー押すの一回で済むし。リターンキー押す必要も余り無いし。

 3ヶ月やり続けて進展なかったものが、ちょいと切り口を変えるだけで、3日でなんとかなってしまうと。ふたつを比べること自体ナンセンスかつ無意味であることは否定しませんが、それでも「今までは何だったんだ」感は拭えない訳でして。

 一応フォロー(?)しておきますと。おそらくSKKも別の意味で使う人を選ぶIMEだと思いますので、勘違い無きようお願い致します。特に大文字小文字の区別を付ける必要がある辺り、慣れない人はとことん慣れない可能性もありますし。あといわゆる連文節変換なんてのは一切やってくれませんので、ATOKのように一度に入力してドカンと変換、な打ち方をしてる人には苦痛に感じてしまうかもしれませんのでそのあたりよろしゅう。

 あとは・・・どうだろう。SKKって「タイプ速度を上げるための打ち方」では無いですよね。事実現時点この文章はSKKで打っていますが、文章速度自体は他のIME使ってるときとそんなに変わってないと思います。そうゆう意味ではSKKって「より確実に正確に入力するためのアプローチ」をしてるのかもしんないね・・・・・・まぁこの辺はSKK詳しい人にお任せした方がいいのかな。んじゃさらっと流します。後は任せた(誰に)。

 それよりもだ。結局は「積極的に試してみませう」ってのが現実的かつ確実に言える着地点ってことになるのかしらん?私は今のままならこのままSKKに落ち着くことになりそうですけど、万人がこうとは決して限らないよね?SKKは全く受け付けないけど親指シフトはあっさりマスターしましたってな人もいるかもしれないし。ひょっとしたら両方ラクショーっす、なんてとんでもない人もいるのかもしれないし。今回は一切話に出ませんでしたけどカナ入力でオッケーでーす、なんて人も・・・。

 いや、それどころか。もっと身近なところに盲点があるのかもしんない。例えばこれ読んでる皆さんがお使いのIME。この際MS-IMEだろーがことえりだろーが何でもいいんですけど。ひょっとしたら今までに使ったことの無い機能の中に、ストレスを和らげてくれる気の利いた機能が既に存在しているのかもしれないと。「めんどくせぇ」の一言で片付けたりせずに、一度ヘルプ覗いてみる・・・なーんてのも案外有効なのかもしれませんねと。要は「現状が最適だと思うな」つーことなんですかね?なんかいつもと違うまともな〆で、書いてる自分が戸惑ってますけど。

 え?だったらテメェがまずタッチタイプ覚え直すところからやり直せ?

 はーい、ですから今泣きながら「本来の」タッチタイプ練習してまーす。

 我ながらとんでもなく大回りだよなぁ。俺の人生そんなもん。


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