「インターネットラジオのつくりかた。」

まとめ:まずはここから始めてみよう。


 <出費は最低限に>

 ようやくラストの章まで辿り着きました〜。

 この章突入時点で既に400字詰原稿用紙約50枚分の文章量になってます。 こんなに長いの書いたの、卒論以来だぞ。つうか初めファイルサイズから 換算して80枚って書いてて不安になって文字数カウントしてみたら 50枚分しかなくて思ったよりも数字ってのは上には行かないもんなんだな ちょっとがっかりとか思って。どうでもええんやそんなこた。

 さてここまで、Radio13さんの収録ノウハウを徹底的に盗む形で インターネットラジオ作成の説明を行ってきました。

 「んじゃこれそのままパクッてやってみよ」というのもアリだと 思います(特にパソコン編集に関してはもうそのまんまで行けると 思うよ)。

 ですが、はたしてすべての人がこれらの機材を調達すべきか? ていうかできるか?という疑問が湧きあがります。

 だって、今までに紹介した機材、全部そっくりそのまま計上 したら録音機材だけでウン十万円はするよ?ビデオとかMDとか、 普段も使えるもの差し引いても、それでも7、8万は行くでしょ。

 わかってる人が買うならともかく、未経験者にこれ全部負担 しろとはさすがに言えないよ。「買ったはいいけど使って ません」じゃ意味ないもん。

 あと、これはあくまで私の主観ですけど、Radio13さんは (ミニFM含めて)何年も試行錯誤重ねた結果として、 今の機材ってのがあると思うんよ。 だからこそ機材一つでも存在理由がはっきりしてる。 でも理由がわからないままに買っちゃうってのはある意味お粗末 だよね。

 「そうゆう意味から言っても「まず徹底的に低予算で最低限 録音だけできる」ことを目標に、必要なものだけを買って、 まずはそれで作ってみちゃうことをお勧めしたいです。」

 つーか「機材どうこう言う前に、まずお手軽でも作れる楽しさ」 に味をしめてほしい。まずはやってみ、オモロイから。


 <低コストで番組つくろー>

 てな訳でツジさんのアドバイスも加味した上で、「とりあえず こんだけあれば死ぬほど大丈夫だろ」的お買い物リストを作成 してみました。

 目標予算全ぶっこみで3万。あ、さすがにこの 予算にはパソコン入ってないんで、パソコンないって人は パーツショップでディスプレイ込み10万位のパソコン買ってきて ください。サウンドボードだけは忘れないでね。 以後はパソコン持ってること(&インターネット に接続できて、Webを作れること。さすがにそこまでは 書かないので己で勉強すれ)を前提に進めます。

 んじゃお買い物行きましょうか。

 まずはマイク。電気屋さん行って、喋りたい人数分のカラオケマイク (スタンド付き)を買ってきましょう。1本2000円位。 こんでもパソコンによくついてくるへぼいマイクの50倍は うまく音拾えます。スタンドは専用でも汎用でも 固定できればそれでよし。

 あ、必要最低限の本数でいいよ。ゲストのこととかなんか 考えないで結構。

「音にこだわりたくなったらまず最初にマイクを買うことになると 思います。その時にそれなりのマイクを買って、今まで使ってた マイクをゲスト&予備に回すのがベストでしょう」

 あ、ついでですんでその楽器店でヘッドフォンも購入しときましょ。 ウォークマンに使うインナーイヤータイプ(耳の穴に入れるヤツ)じゃ なくって、耳かぶさる昔ながらのヘッドフォンね。安いヤツなら 3000円位であります。要は外の音が中に入らなければOK。

 んじゃこれ持って楽器屋さんに行きましょう。できれば中古も 置いてる店の方がいいですね。そしてミキサーを買いましょう。

 え?ミキサーいらない?使いこなせるかわかんない?

 私も少し迷ったんですよね。お買い物リストにミキサー 入れるかどうか。でも作りたい側に、

 このどちらかの欲求があるならば(両方ならもちろん)、 この時点でミキサーは持ってて損はないんですよ。それほどミキサーって 強力な機材ですし、あれば絶対にラクできるからです。

 あと番組作る作らないに限らず、ミキサーっていじってると 結構オモロい。こないだ楽器屋の前通ったんですけど、 ミキサーの前で足止めましたよ(笑)。持ってるとこれだけでも 遊べるものだと思うよ。

 という訳でさくっと買ってしまいましょう。ケチケチ戦法の 本お買い物の中での唯一のゼータク。

 とは言えそんなにベラボウに高いものでもありません。 我々が着目すべきはチャンネル数と値段のみ。他のエフェクター 機能はすべて切り捨てて値段優先させましょう。

「2、3人の喋りであれば、6chの一番シンプルなやつで 十分使いまわせます。値段も2万円しません。もし安い中古が 存在して、かつ状態良好だったら速攻でそっちをゲットしましょう。 状態もそうですがわからないことは素直に店員さんに聞きましょう。 知ったかぶり厳禁です。」

 ここでは仮に1万円でラッキーにも中古の6chミキサー 手に入れたことにしましょう(探せばこれくらいで十分手に入るよ)。

 あ、ここで忘れちゃいけないのがひとつ。先ほど買った カラオケマイクがちゃんとミキサーの端子と一致するか確かめましょうね (大抵のカラオケマイクはよくカラオケとかでも見る大き目の差込式 プラグ。ミキサーの方も大抵はあのプラグだからマイクに関しては 大丈夫だと思うけどね)。

 「同様にMDやCD、ビデオなどにつなぐ端子(大抵は赤白ジャック) も確認して、不足するのは買っておきましょう。そして マスター録音したヤツからパソコンのサウンドボードにつなぐ線 (大抵ミニジャック)も準備しましょう。 シンセザイザーの備品コーナーとかに転がってると思います。」

 あい、ではお買い物終了〜。お家に帰りましょう〜。

 え?こんだけ?こんだけです。

 要は「今家にあるのは徹底的に使い倒す」戦略なんですね。 今の時代、ビデオなんざどこにでもありますわな。だからこれを最終マスター に使う。トーク別録りをするなら、これとは別に手持ちのポータブル録再MDが あれば完璧。これに音声を録音、マスタリングの際にミキサー通して 出力すればいいしね。BGM等の音源とかはCDやカセットテープで十分。

 MDは微妙なところだけど、その他は確実に家庭にありますよね? だったらそれ使おうやないか、そうゆうことなんです。 他にも音が録音できる、もしくは再生できるのであれば、なんでも 使えますわな。子持ちなら誰でも持ってる8mmビデオカメラや 小遣いで買えるプレイステーションなんかでもOKだね。

 線がつながってしまえば、それはもうリッパな機材。さんざ 使い倒してやりましょう。

 あ、それでお金はあと少しだけ使います。 音声編集ソフト「CoolEdit」。$50。大体\6000-位の換算か。 ハナから買うつもりでダウンロードしてしまいましょう。

 んじゃまとめてみましょ。仮に喋り手3人で計算すると、

<マイク>3本で\6000- <ヘッドフォン>\3000- <ミキサー>\10000- <接続用コード>3本で\4000-位 <CoolEdit>\6000-

 合計チーン。\29000也。目標達成拍手〜。大袈裟すぎ。 人数分で割り勘しても、ケンカ別れせずにすむ額ですな。 (個人的にはマスタ作成者本人が自腹切って、の形をお勧めしますけどね。 最終的な持ち主を決めることで後腐れなくなるし。んで「自分の マイクは自分の金で」としちゃえば負担軽減にもなる(笑))

 でも、当初「インターネットラジオはもっと金かかる」という イメージって持ってませんでしたか?事実、私は持ってました。 10万は軽く行くと思ってました(もちろんパソコン抜きで)。

 ですのでこれ見ると「な〜んだ、この程度でいいのか」って 思いますね、正直。

 「あと、これだけの投資でも、ワンマイクラジカセ録音よりも 格段にいい音作れると思いますよ。」

 うん、そうなんです。できるだけ出費は抑え、それでもって、 ある程度のクオリティにも達してる音を、手軽に作れる。

 まずはこの快感を味わうこと。これこそが「最小限セット」の 目的に他なりません。

 つー訳で3万握り締めて今すぐお店にゴーだ!だから大袈裟だっての。


 <あとはやってみるだけだ>

 2時間半にわたってお送りした(嘘)「インターネットラジオのつくりかた」。 おかげさまで全項目の説明終了しました〜。読んでくれた皆さんお疲れ〜。

 これ読んでくれて、得体の知れない代物のような印象が少なからず あったインターネットラジオのイメージが、ぼんやりとでも掴めて 頂けたら、本稿の目的は達しております。

 取材の最後の方でもツジさんと話してたんですけど、結局は 「音を録音して、パソコンで聞こえるようにする」のが 最もシンプルな目的なんですよね。間に出てきた専門用語の 数々も結局は「いかに音をよく録るか」の方法論のひとつでしか ない。ただ、この方法論が肥大化してしまっているために、 作るのは難しい、と判断されてしまっているのが現状だと思います。 ノウハウが多過ぎて、どれが必要な情報かわかんなくなっちゃってるんですよ。

 だからこのマニュアルでは、「これやらんと音完全に壊れる」部分 以外は極力情報の切り捨てを行ったつもりです。ちゃんと切り捨ててるか どうかは読み手の皆さんに判断して頂くしかないんですけどね。

 結局はやっちゃったヤツが強いんよね。知識なんか後から拾い集めれば いいんだからさ。「んじゃこれ真似してやってみてしまおう」って人が 一人でも現われてくれれば、仕事サボって長文書いた甲斐があったという ものです(そんなコトシトッタンカ>オレ)。

 音作るの楽しいと思うけどなぁ。作成願望抱えて生きてる人、 いっぱいいると思うんだけどな〜。

 と、最後は煽って終わる。さて、ラジオ聴いて寝よう。


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