暴言えんたていめんと


 いやぁ、暴言って難しいねぇ。

 いきなり何を言い出すんだこいつは、ついに脳みそ溶けて 溢れだしたかとか言わないでまぁ聞いてくださいな。

 正確には暴言を笑い取るまでに昇華させるのが難しい。

 悪口だけだったら誰にだって言えるんですよ。酒飲んで 飲み屋のカウンターで一人愚痴ればほらあなたも暴言ニスト。 用法違うか。

 でも自分が言った暴言が常に他人に受け入れられるとは 限らないじゃないですか。どっちかと言われれば 喜ばれることより「なんだこいつ」とひかれる、敬遠 されることの方がずっと多い。

 私、暴言の質を聞き手が共感してくれるか、笑ってくれるかで 判別してます。ただの自己満足の愚痴なのか、聞かせるための 名言なのか、これでくっきり分かれます。

 で、ちょっと自分の文章読み返してみます。まぁ納得できる かな、ってのもある一方で、ひどいのはとことんひどい。 例えばこれとか。これ書いたときは冷静に努めてわざとタイム ラグ置いて、赤の他人が読んでも通じるように書いたはずなんですけど、 それでも結果的には読めた代物じゃなくなってしまっています。 これが自己評価。

 これいい例なんですけど、他人が読めない悪口って、ほんとに 見苦しいんですよ。読み終えたところで嫌悪感が残るだけなんです。

 やっぱ悪口って、反則ギリギリの危険技なんだよね。 目一杯ボーダーラインを見極めて的確にポイント突けられれば 本当に爽快なんですけど、ちょっと油断したらすぐに 一線を超えちゃう。そうなると目も 当てられなくなります。ほら、新人の芸人さんが「受けなきゃ」 と思って過激なネタやって逆にひいちゃう、ってのがある じゃないですか。あれと同じ。

 結局、自分の中だけでためこんでるだけの悪口と、人に 聞かせるための悪口って全然別物なんですよね。 かといって、人に聞かせるはずの悪口のつもりでも 他人が実際に聞いてみたらただの愚痴にしか聞こえないって ことも多々あるわけで。この辺で非常に難しい思いしてます。

 さて、世の個人ホームページの中ではこの悪口を売りにしてる サイト、結構多いです。個人的なのから社会的なものまで、ありと あらゆるものが「悪口」としてさらけ出されています。

 この事自体は思いっきり大歓迎。今までは伝えようのなかった 思いがWebを通して発散されていくし、さらにそこから発展して 大きな力になることもありますから。これからもどんどんこうゆう サイトは増えていくと思います。

 ただ、これらのサイトが全部伝えたいことを伝えているのか、 となるとちょっと疑問符入っちゃうんですよね。で、冒頭のように 書いたんです。

 皆さんもWebみてこうゆう思いしたことありませんか?
「う〜ん、言いたいことはわかるんだけどなぁ」
「正論なんだろうけど、こうゆう書き方されると同情できんなぁ」
「言いたいこと言いたいんだったらまず日本語勉強しろよバカ」
 ・・・・書いてて自分が言われてるみたいで非常に胸が痛い のですが、それはこの際棚に上げて。

 せっかく内容的には訴えかけるものがあるのに、肝心の文章で その主張を潰してしまってるんですね。それがもっとも端的に 表れているのが悪口だと思うんですよ。

 本来の主張と悪口がぴたっと重なった時の破壊力って想像を 絶しますよね。もし悪口言われてる当事者がそれ読んだら自殺 するんじゃないですかこれ?ってな位強烈かつ的確な言葉を 選んでくる書き手がいる一方で、せっかくいい事言ってるのに 悪口読んで「ひいてしまう」のもある。はじめは結構いいこと 言ってるのに読み終わると「なんだ、ただの酔っぱらいの戯言じゃん」 「だったらてめぇでなんとかしろよ」と批判的な感想に変わってしまう んです。これじゃWebに載せて情報発信してる意味何もないんです。

 やっぱりもったいないんだよなぁ。読んでてここの表現をちょこっと 変えるだけで読者10倍になるんじゃない?ってサイトかなり 多いと思うんですが。

 確かに悪口って印象残るんですよ。インパクトあるし、読み手も ひきつけるし。でもちょっと狙いがズレるだけで、印象ガラッと 変わってしまう側面もあるんです。殺したい相手に向けてピストル ぶっ放すのと、公衆の面前でマシンガンぶっ放す、それくらいの 開きがある。

 自分のこの悪口は、どうゆう意図で撃っているのか。これは常に 頭に入れておく必要、あるでしょうね。過激であればそれでいい、 そんな考え方してる内は、人を惹き付ける悪口なんか書ける 訳がありません。

 さてと、自戒自戒。


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