リベンジ痛勤列車
しまったあああ!!寝過ごしたあああ!!
ひえ〜大変大変。6時半に起きるつもりがもう7時半じゃねぇか。 今日は早起きしなきゃいけないのにいつもと同じ起床時間じゃねぇかこれ。 あーもう朝食いいよコーヒーだけでいいから。ごくごく。 んじゃ行ってきま〜す。
あ、すいません読者おいてきぼりで。いつものことですが。
いやね、今日は早く会社行かなきゃいけないんですよ。なにせ 今やってるプロジェクトがリリース寸前のこの時期に火を噴きましてね。しかも 担当箇所の〆切が実質今日。もう1分1秒でも惜しい状況なんですわ。 ちなみに前日家に帰ってきたのは深夜の12時でした。残業キライの 私が午前様。何様のつもりだ俺って感じですね。
ってんなこたいいんだ。えっと本来だったら8時前には会社に入って バグ取りしたかったんだけどなぁ。仕方ねぇ、今からダッシュで行けば いつもより30分位は早く始められるだろ。急げ急げ。
なお念のために申し上げておきますが、普段の私は基本的に やる気なんてものはカケラも持ち合わせていない人間のクズなので、 仕事が遅れている、じゃあ早く行こうという気にはそうそう起こりません。 あくまで〆切が今日という緊急事態だからということを、改めてご了承くださいませ。 ってこんなことわざわざ承諾取らなきゃいけない俺の存在って何。
そんなこんなで状況説明をしてるうちにJR中央線高蔵寺駅へと 辿り着きました。いつもでしたらちょっと遅れて出発する始発電車に 乗ることにしてるのですが、あいにく今日はそんな余裕はありません。 次に乗ってくる電車に飛び乗ることにします。
えっと、次の列車は・・・8:13着の快速列車か。もうすぐに来るなぁ とおもむろに到着を待つ通勤客の列に並びます。
しかしなぁ。いつもよりわずか20分近く早く着いただけなのに、 ホームに随分と人いるもんだなぁ。これ全部今度の快速に乗る人なのよねぇ。 まぁ高蔵寺もベッドタウンなんだし、これくらいの人口流出は当たり前 なんだなぁ、などとぐだぐだ考えてたら、予定通りに快速列車が 到着しました。
ぷしゅー、と音を立ててドアが開きます。
「・・・へ・・・?これ全部乗るの・・・?」
電車の中、人、人、人。駅のホーム、人、人、人。ここまで 混むのか8:13着快速列車。
鮮烈に思い出しましたよ。去年の悪夢を。
どやどやどや〜!!うわ〜!!またこれかよ〜!! もうカンベンしてくれよー。通勤列車はもうコリゴリなんだよー。 と思う間もなく、私の身体は列車に吸い込まれていきました。 正確には外に出ようにも後ろにぐいぐい押されて逃げられなかった のですが。
むぎゅー。くるしー。息出来ないよー。相変わらず体力削られるよなぁ こうゆう通勤列車は。
しかし、こっちもバカじゃありません。人間のクズだけど。こっちには こっちなりで自衛手段はありますよ。だてに去年の経験してないよん。
満員電車で疲れない方法その1。できるだけ端っこに寄る。中央に 寄ると前後右左4ヶ所から常に圧力を受けることになりますが、 これが端っこになるだけでも随分と受ける圧力は減少するのです。
これだけじゃないぞ。満員電車で疲れない方法その2。同性、つまり 野郎の側に寄る。言っとくけどホモじゃないぞ。やっぱねぇ、前回も そうだったんですけど見ず知らずの女性とぴったりひっつくのは 精神的によろしくないですわ。実際、前回の文章アップした後、 複数の女性の方から「こうゆうのはもうあきらめて慣れるしかないですね」 とアドバイス頂いたんですけど、そこまでの開き直りもできないですわ。 えぇ、小心者です、肝心なトコで。
その点野郎だったら、多少もたれようが足踏もうが蹴り倒そうが どうってことないですからね。あ、蹴り倒すのは犯罪か。
んな訳で、わりかしドア側、しかも周りは遠慮のいらんおっさんという ベストポジションの位置を陣取りました。どうだい、えっへん。
・・・・・・あー今聞こえたぞ。通勤電車ウン年、ウン十年を重ねる 諸先輩方々のツッコミが。
あーそうでしたよ。浅はかでしたよ。くすん。
確かに多少身体は圧迫されつつも、比較的ラクにやり過ごすことは できました。電車が次の駅、春日井駅に到着するまでは。
「・・・へ・・・?これ全部乗るの・・・?」
電車の中、人、人、人。駅のホーム、人、人、人。
以下同文。
あっさりと人の波に押されましたね。いやはや、暴徒取り押さえる 機動隊の苦労がよくわかったというか。どんなたとえだ。
後ろからどわ〜、前からどわ〜で押さえたと思っていたポジションは あっと言う間に略奪されまして、人の波に流されるまま車内を右往左往 する私。ただでさえボーフラのような人生歩んでるのに、なんで 電車の中でまで再現せなならんのか。ふーらふらと。
これがいかんかった。私にとってもまったく予想しなかった事態が 待ち構えてました。
毎日ラッシュに乗ってる方ならおわかりかと思いますが、こうゆう 満員列車の中では比較的男性なら男性同士、女性なら女性同士で 固まる傾向があります。おそらく無意識の内に女性は痴漢に 合わないため、男性は痴漢に間違えられないための防衛本能 を取るんでしょうね。思い付きで言ってるだけですが。
しかしながら、外部から更に押されたがために、私の体は いとも簡単に男性の母集団を抜け出してしまい、 そのまま女性の母集団に突入してしまったんです。 列車のドアが締まりようやく空間移動が終わった時には、 ちょっととんでもない状況になってしまいました。
私の前に女性。左前も女性。左後も右前も右後もみーんな女性。 妙齢の女性5人に思いっきり囲まれてしまいました。
うおーい。前回の教訓はどうなったんだ俺よー。
もちろん満員列車の中ですから、前だろうが後ろだろーが、容赦無く 体は密着します。前回とは比べもんにならんぞこんなもん。 もうあんなところやこんなところや、あぁそんなところまでっ。
ってこうゆう風に茶化して書いては見るものの、これもう苦痛以外の 何物でもなかったですねぇ。結局この状態のまま千種駅まで 女性5人囲まれ状態(もちろん当の女性方はそんなこと微塵も思って ないとは思うのですが)のまま運搬されてしまったのですが、 途中冗談抜きで気を失いかけました。
そりゃ私だって男ですから、座席座ってて隣の女性眠りこけて もたれかかってきたとななると密かに「あ、らっき」と思う位の スケベ心は持ち合わせてますよ。でもねぇ、こうゆうのとは 次元が違うよ次元が。
結局、自分の体押されるのが女性の体ってだけで、人波によって 起こる重量ってのは変わらない訳じゃないですか。だから列車がカーブに さしかかると問答無用で右の女性にのしかかられる。自分が倒れない ようにするためには右の女性を押し返すか、左の女性を自分も押すしかない。 こん時ってハンパじゃなく体力削られちゃうんですよ。基礎体力ゼロの 人間にとってこれは純粋にきついです。着々と削られるライフゲージ。
一方列車が直線走ってて重力移動がない時でも、常に人と人の間の スペースは0cm、密着状態ですからこんなんパーソナルスペースも 何もあったもんじゃない。これが周り全員男性だろうと、多かれ少なかれ 絶対に精神的疲労は起こりますよ。よくラッシュに慣れるためには 「周りの人間を人間と思うな石と思え」なんて言うの聞きますけど、 逆を言えばそこまで思いこまなきゃ割り切れないってこと自体、 やっぱ歪んでるよなぁと思ってしまいます。
でねぇ、今回のでつくづく思ったけど、やっぱこうゆう状況下で 女性に密着されようが、胸やお尻でぐいぐい押されようが、性的興奮も クソもあったもんじゃないです。あるのは「痴漢に間違えられたら どうしよう」つう不安とか「不可抗力とは言え触ってしまっている」つう罪悪感 とかのマイナス感情だけですよ。
だからちょっと言い方はヘンなんですけど、こんな状況で なんで自発的に痴漢やって興奮までできるんだろ、とか思ってしまいました。 こんなクソラッシュにもまれて平気で、なおかつ痴漢までやっちゃうんでしょ? どこから出て来るんだその体力と余裕は。そのパワー別の所に活かせこら。
私、正直な話体力的にも精神的にもそんな余力残ってなかったです。 考えるのは「早く千種着いてくれ〜」そればっかり。 同じ男ながらも「痴漢やるヤツの心理」ってのは理解できないなぁと つくづく感じましたねぇ。もう私が持ってる価値観とは交わりもしない、 まったく別の感情つうのがあるんだろうなぁ。
まぁどっちにしろ痴漢はれっきとした犯罪ですので、ヤバいと思ったら 遠慮無く逃げるなり叫ぶなり足踏むなり金的蹴るなりしましょうね。女性の皆さん。 こんな卑劣なことやるヤツの金的なんて潰してしまえばいいねん。
しかしまぁわずか電車内20分だけの出来事なのに、恐ろしい分量の文章に なってしまいましたねぇ。そんだけいろんな意味で「濃い」体験だって ことなんでしょうね。
でも一番印象に残ってるのは次の日の朝のことなんですよね。
前日のトラブルはなんとか回避したので、いつも通りの時間に、いつもの 列車に乗り込みました。高蔵寺発の始発列車。ラッシュの時間帯も 終わっているのでまず間違いなく座れます。
CDウォークマンで音楽聴きながら周りを見渡すと。
みんな弛緩してるんです。体が緊張してない。眉間にしわがよってない。 目が険しくない。
30分しか違わないのに。この天と地の差。
毎日ラッシュの時間に通勤してる人は「もう慣れたよ」「別になんとも 思わないよ」って言うけど。絶対にそんなことないね。確信したよ。
モラル下がるからとか難癖つけてかたくなに9時・8時半に強制出勤させる 企業なんて大バカだよ。そんなことやればやるほど、社員の士気・体力は 確実に低下し続けるよ。
顔見りゃわかるもん。一目瞭然。