MP3再暴言


 つー訳で(なにがつー訳でなのかわからん方は先にMP3再履修を読むべし。前後編の後編なのよこれ)。

 個人レベルでのMP3の利用ってのはもう相当に進化しています。つーか定着しちゃったんじゃないです?もはやMP3コミュニティというのは確実に市民権を得ましたし、その輪も日々倍々ゲームで増えてる感じですし。

 今既にMP3を常用している人に「MP3やめますか、それとも人間やめますか」と聞いたならば10人中9人が人間やめると答えそうな勢いで急速に浸透しています。嘘をつくな嘘を。

 リアルネットワークやマイクロソフトやらも必死に追いつこうとRAやらWMPやら頑張ってますが、既にローカルでの使用に関しては勝負ついちゃった感強いですね。RAやWMPはもうライブ配信(ストリーミング)に勝負かけるしかないなぁ、という感じでして、某立場上からRealPlayerを応援している立場としてはちょっとがっかり感もあったりするのですがそれはどーでもいいこと。長いよ、一文章が。

 さてさて、こんだけMP3が幅を利かせますと、当然ながら企業とかの動向も気にならざるを得ない訳なのですが。

 んーとね。個人的にいろいろ使ってて思ったんですけど。

 私、今の日本の音楽業界がネットワーク配信で勝てる(=利益を出せる)可能性って限りなくゼロに近いような気がしてるんですな。

 なぜって?今各社によって考えられている方式のそのほとんどが、MP3を知ってる人間には一厘の魅力もないものなんですね。

 え?どこが魅力ないのって?しつこいねぇあんたもって誰と喋ってるんだ俺は。

 んじゃはっきり言おうか?

 コピーできねぇじゃん、MP3以外のやり方じゃ。ミもフタもねぇけど、この壁が存在してる限りどこの方式もMP3に勝つことはできない、そう断言できるんじゃないかな。

 例えば今ソニーがやってるOpenMGという規格がありますがこれ、著作権保護の観点から、ダウンロードしたパソコン、もしくはエンコードしたパソコン以外の機材(パソコンはもちろん正当な手法を得ていないその他ハードも含む)では一切再生ができないようになっています。

 加えて、ダウンロードした曲ってのは一個所でしか聞けない。パソコンとメモリウォークマンの両方を持っていたとしても、そのどちらかでしか聴けない。めんどくさいぜ、いちいち中と外と聞くたんびに操作繰り返さなきゃいけないのは。

 おまけにバックアップもできないときた。金払ってダウンロードした後にパソコンがクラッシュしたとしてもデータを元通りにすることはできなくて、もう一度金払ってダウンロードし直さなきゃいけないんだとよ。

 アホらしい。誰が使うかこんなもん。

 念のために言っておくけど、この発言はアングラによるMP3の違法コピーを推奨するものではないから気をつけてね。わすがキレてるのは自分で金払って買った音源に関してもバックアップもデータの共有も許されてない、という事に対してなの。

 なんで世の人はMP3を支持してるのか?そしてMP3に勝つ為に何をすればいいのか?音質とかその辺もあるんですけど、まず第一に「使ってて便利」だからMP3を使ってるに過ぎないんじゃないの?

 ダビングを繰り返すことなく複数のハードで音鳴らせる。簡単に好きな曲探し出せる。1ファイルを共有できる。現時点で既にこんだけのことができるんだぞ、と。だったらてめぇらが提供するモノはこれをはるかに上回る便利さを提供できなきゃいけないんじゃねぇの?

 そうゆう根本的なところを何一つ考えず、ただ単にコピー禁止押し付けたって誰も聞き入れないでしょ。もはやMP3使うことによって享受できるメリットに味しめちゃってんだもん。違法だろうが合法だろうが。元には絶対に戻れない。

 こんな訳わからん規格に金払う位だったら今まで通りCD買った方がまし。もしくはレンタル屋さんで借りてきてMDに落とした方がまし。友人同士でMP3ファイル回しっこしてた方がまし。

 通常の金銭感覚持ち合わせてる人なら誰だってこう思うはずじゃない?そこんところわかってんのかメーカー連中のおっさん共は。

 おそらく今のままの配信方式推し進めようとしたってMP3には勝てないと思うんだけどなぁ。もしくはMP3さえも打破できる何か画期的な技術なりアイデアなりが浮かばないと厳しいと思います。でも果たして「いかにコピーさせないか」にしか頭回らないメーカー連中にそこまで思い付く余裕あるのか・・・?そう思うとどんどん前途が暗く思えてくるから不思議なもんです。ずずーんと。

 それに。私、今の著作権至上主義的な今の規約が果たして業界の為になるのかどうか、イマイチ不安なんですな。

 というのも、まずこのやり方って明らかに「客全員を泥棒扱いするよな商売のやり方」ですよね?悪人に売る、ということを前提としたやり方。

 ま、確かに私は悪役ですけど。そうじゃなくって。

 確かにコピーしてそれバラまいて、てな輩は今後も出てきますわ。簡単にはなくならないでしょ、こうゆうのは。でもさ、その一部の輩の為に、なんでユーザ全員に不自由をつかませる必要があるの?つーかなんでバカの尻拭いを俺らがせなならんの?という単純かつ極めて安直な感情が根っこにあるんですよね。単純なだけに根は深いと思うよ、これ。頭じゃ「あー著作権保護しなきゃねー大変だねー」とはわかってても体が言うこと聞かないと思うもん。あーんもっとー。違う。

 それ以上に。私、今の音楽業界がここまでのし上がってきた背景に「ある程度アバウトな著作権管理」ってのは絶対にあったと思うんだよね。それこそ前にも言ったような「みんなで共同でレンタル借りてMDにみんなで落とす」とか「誰かが買って知り合いみんなに聴かせたり」といった事が結果的に音楽の認知度を上げていってサイフを緩めていって・・・という風になっていったと思うんだよな。

 そんな中、何を今更そんなガチガチにやったところで、そんなことやっちゃユーザの首だけでなく自分の首も絞めちゃって無理心中、なんてことになるのがオチなんじゃないですかねぇ?わすにはどうにもそう思えて仕方ないんですね。

 私としては、不便で高くて使いにくい独自フォーマットなんか頼るよりも、今既に立派に流通しているMP3にそのまま乗っかっちゃっていいんじゃねぇかとか思うんですよ。コピープロテクトとかそうゆううざいもん全部取っ払ってさ。そうすれば、ユーザに受け入れられないクソフォーマットの開発の為に大金ドブに捨てる必要性もなくなるでしょ(OpenMGは100%コケる。賭けてもいい)。

 その上で、素のMP3をそれこそ1曲100円、できればそれ以下で有料ダウンロードさせりゃいいのよ。安い分サンプリングレート落としたっていいんだし。不満だったらCD買わせりゃいいさ。ファイルが消え失せようが「ま、いっか」程度で終わる位までとにかく安く。そこまでやれば、わざわざユーザだってリスク背負って違法コピーサイト見に行くのがバカバカしくなってくるはずだぜ。どうせ地下に潜るヤツは何言ったって地下潜るんだもん。そんな数的には少数の輩に手を焼くより、圧倒的大多数を占める「安く便利に気楽に」を求めるユーザの声に耳を傾けるのがメーカーとしての使命なんじゃないのかね?

 ついでだから言っておこうか?なんでユーザがメーカー直販なんかに行かず違法サイトになびくか、考えたことある?

 違法サイトの方がリスクあっても便利だからに決まってんじゃん。新作が即座にアップロードされる。過去の作品も簡単に探し出せて、かつさっくり手元に持っていける。本来ならばこれをてめぇらがやらなきゃいけねぇんじゃねぇのかよ!やってねぇから違法サイトに客取られてる、そんだけの話だろ!

 正規か違法かどっち使おうか迷ってる輩をこっちに引っ張ってくる戦略なんざいっくらでもあるんだから、ちったぁそっちに頭使えよ!やることやってねぇくせに他人に文句言ったところでてめぇに実力ないだけなんだよ!おととい来やがれこの馬鹿共が!!

 ぜぇぜぇぜぇ。

 でもなぁ、今後このネットの世界で生きていこうと思ったら、こうゆう柔軟性というか、割り切りというか、アバウトさって今後絶対に必要になってくると思うんだけどな?

 極端な話、コピーさせることで逆にこっちの利益に持って行くような、そうゆう頭の柔らかーい戦略を打ち出せるかどうか。規格がどうこう言うよりも、そうゆう所で勝ち組負け組って決まってきそうな気がしていますよ。

 繰り返しになりますけど、音の世界じゃMP3は確固たる地位を「確立してしまった」と思います。これに異論はさめるヤツはそういないでしょ。今後MP3に純粋に勝てる規格、本当に作れると思う?受け入れられると思う?

 勝ち負け決めるのはあんたらじゃねぇぜ。すべてはユーザが決めるんだぜ?

 この現状を把握しているのかなぁ。そこからどう動かしていくのか。問われるのはそこなのになぁ。

 今のままじゃ、日本の音楽業界、一から十までゴミ箱行き・・・・・プンプン匂ってくるぞ。

 死臭漂わす前に、何とかしろや、ほんとに。


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