24/7脱却計画


 いきなり実例。

 派遣プログラマ時代、ごろごろしていた日曜日のお昼。こんな電話がかかってきたことがありました。

「すまん、あれこれどれそれで、大至急この資料用意しなきゃならなくて。今からそっちで作ってメールしてくれる?」

 あーそれはそれは。でも申し訳ないですねぇ。資料作るの無理ですわ。私WordもExcelも持ってなくて。読むことも書くことも物理的に不可能です。

「えーーーーっ!?」

 今から会社出向くにしても今出先ですから会社に着くまでに2時間はかかりますし。それ以前に申請も出してませんから会社にも入れませんしねぇ。相手には『担当者が捕まらなくて』とか言って月曜日に伸ばしてもらえません?明日午前ででっちあげて投げますので。

「うーそれしかないなぁ。わかりました。すいません休日に。」

 いえいえお疲れ様です。んではー。がちゃ。

 とまぁこんな感じで休日出勤を拒否したことが少なくとも3回はありました。俺の休日は誰にも邪魔させねぇぜぶはははは。なんじゃそりゃ。

(ちなみに私がWordもExcelも持ってないのは半分本当の話。正確には95バージョンのみ保有してるんですけど、アップグレードしてないんですな。貧乏で。あかんやん。)

 まぁそれはそうとこのぎょーかい。やれ残業だやれ休出だとどーしても普段の9-5とは程遠い生活を強いられる人がやはり多数を占められますな。「窒息するオフィス」の中でも頻繁に登場する「24/7」、つまり7日間24時間常時仕事から解放されない、まさに奴隷と呼ぶにふさわしい業務形態となってしまっているのが現状です。

 そういえば一時期運用(という名の人質)やってた時には深夜の3時とか4時とかでも平気で電話かかってきてたりもしてたもんなぁ。私は気付かずにぐーすか寝てましたが。気付けよ>俺。

 でもこれが家庭持ちとかだった日にゃたまったもんじゃないです。これが原因で家庭崩壊した人を何人も知ってるので下手に茶化せません。PG/SE=世捨て人と言われる所以です。今日日下手に坊さんなんかなるよりもPGの方がよっぽど早く悟り開けるんじゃねーのか?言い過ぎ言い過ぎ。

 携帯電話やメールの進化によって、寝てようが休暇取って休んでようが容赦なく呼び出しがかかり仕事が押し付けられる・・・。いつからこうなっちゃったんでしょうね。まぁこの辺のからくりは「窒息するオフィス」を読んでくだされ。詳しく書いてあります。しつこい位に勧めるからな、覚悟しておけ。何を。

 とはいえわてらロボットじゃないんですから。そんな生活してたところで持つ訳がありませんから。今からでも遅くはありません。自衛しましょう。潰される前に潰せ。それ意味違う。

 という訳でちょいと自分なりに書き並べてみます。実践した結果どうなろうとそんなもんは自己責任ですけど。どうだろ?これやってクビになる位のところだったら「クビになって良かった」と言えるんじゃないですかね?

 んじゃ順番に。


・携帯は着信音無し、できればバイブも無し

 一般電話の留守電はとりあえずデフォとしましても、最近の連絡はもっぱら携帯ですな。という訳で夜寝る時は音/バイブ共にOFFにしておきましょう(電源をOFFにするのは勘ぐられる可能性大なのでおすすめしません)。バイブ程度の音では目が覚めない私のような人はバイブONでも可。1分の手間で7時間の熟睡を確保。

 もし朝起きて履歴が残ってたらその時にでも電話すればいいんです。「あーごめん、熟睡してて気付かなかったよわはははは」とでも言っておけばいいです。相手も通常の心理状態であれば深夜に電話かけること自体が非常識だということは認識しているはずなのでそうは強く言えないでしょう。

 それでも罵倒してくるようだったら、早急に転職の準備始めた方がいいでしょうね。そんなところにいても使い潰されるだけ。

・会社のメールはチェックしない

 会社のメールは会社で読む。家のメールは家で読む。仕事とプライベートをごちゃまぜにしないためには重要です。

 もともとメール自体「読みたいときに読めばいい」という側面もあって発達したはずなのに、いつの間にやら「読んでて当たり前」と思われるようになってしまいました。いけません、これはいけません。その認識を追い払うことから始めましょう。

 それでもまだメール読んでしまう中毒患者の方は「読んでも次の日または月曜の朝まで返信しない」ことから始めましょう。無論開封確認機能はOFFにして。メールで飛んでくる用事なんぞその程度、と考える位でちょうどいいです。

・休日は休むためにでかけよう

 会社から徒歩圏内に住んでる独身の人なんかにはこれがよろしいのではないかと。

 お勧めは仮眠室付きの健康ランドやマッサージ/整体/ツボ押し。スポーツクラブにゲーセン、床屋さんなんかもいいですな。ともかく物理的に連絡できないところに逃げ込んでしまうのがポイント。

 犯罪に荷担してる訳でもないんですし、無理にアリバイなんかつくる必要は無いんです。「あれ?連絡くれてたの?ごめんでかけてたわ」これで十分。

・仕事以外の趣味を作ろう

 特に仕事中毒の方にこれはぜひとも。

 別になーんでもいいんですよ。サッカーだろうが盆栽いじりだろうが。「これの為だったら仕事なんてすっぽかす」位のものがひとつは欲しいですね。

 携帯にせよメールにせよ、ビクビクしながら無視して後で言い訳考えるよりは、「あーごめん、○○○○に夢中だったわぁ」の方がよっぽど説得力ありますし。

 何よりも「常に仕事が最優先」という価値観から自分を逃がすためにも。これは万人に実践してもらいたいところ。

・10回に1回位は応えてあげよう

 それでも1回断るごとにびくびくしてしまう貴方は断った回数をカウントしてみましょう。そして断りが10回に達した暁には1回無理を聞いてあげましょう。それでまた10回断ると。

 まぁ別に10という数字にこだわる必要は無いんですけどね。100でも3でも好きな数字でどーぞ。これは「俺様の瀬戸内海のような広い心で対応してやるんだぞありがたく思えがっはっは」を演出するのが意図です。

 もっとも実際には10回カウントする必要はないことがほとんどです。3、4回繰り返した時点で「どうせあいつは出ないよ」と諦めてくれるのが大抵のパターンですので。辛抱もそこまでです。

 ラクですよー、こうゆうレッテルは大歓迎。


 という訳でいくつか無責任に書いてみましたが。え?無責任過ぎ?失礼だなぁ、「ちょっとだけ無責任」に過ぎないだけですよ。今回のキーワード自体がこれな訳ですが。

 考えてもみましょう。普段激務に追われてます。このこと自体が既に十分責任に応えていることになる訳です。もうやるだけのことはやってるんだ断って何が悪い。そう思いません?ねぇ?ねぇ?

 なんか胡散臭い宗教宣伝みたいだな>俺。

 でもね。実際問題として言われたこと全部やろうとして、結局出来なかった時に自分だけが泥被るのもバカげてることでしょう?問題は自分ひとりじゃないんだから。キャパ超える時には素直に断るということも、結果的には組織的にいい判断や結果をもたらすということもあるんです。えぇ。えぇ。

 別に何もかも投げ出して高度成長時代的スチャラカ社員になれとまでは言ってませんよ。自負結構、プライド結構。でもそれも程度問題ですわね。もし貴方が働きすぎた結果、潰れちゃったり消えちゃったりしたら。結局は周りに迷惑かかるんですぜ?それ自体矛盾してるんじゃないです?

 ほどほどでいいんですよ、ほどほどで。その中で中身のある仕事して、余暇で中身ある遊びもして。そして中身のある人生にしていきましょー。

 うわー胡散臭ぇ。自分で言うな>俺。

 でもみんな。潰れないようにねん。


(今回の参考文献。パクったとも言う)


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