・雑多FAQ編。


 という訳で、GOLDENBELLさんの収録プロセスというのをざっと眺めさせて頂いた訳ですが。

 その他にも主題、というまでは行かないんですけど、書いておいたら面白そうだな、という点についていくつか言及させて頂こうかと思いまする。

★音源(音楽とSE)のおはなし。

 GOLDENBELLといえば、ショートコントを扱ってる以上、いろんな種類の効果音とか、BGMとか、番組の中で使われてますよね?こーゆーのって、どっから集めてくるんです?

「うーん、基本的にはどっから、というのはないんですけどね。そうゆう素材用のCDから買ってくるとか、インターネットでフリーの音源を探すとか・・・特に必死に集めてるという訳でもないですよ。気になるのがあったらとりあえず保存しておいて寝かせておく、という感じですね。」

 ふーんさいですか。でも・・・今Macの音源フォルダ見せてもらったんすけど、ムチャクチャ並んでますよね・・・これでも少ない、と?

「少ないです。」

 キッパリ言い切られたな(笑)。なんでも世の中にはちゃんと音源マニアというのも存在しているらしくて、もうCD-R何枚とWAVファイルとかをためこみまくっている人とかもいるんだそうで。深いねぇ、どの世界も(笑)。

(この辺プロの世界とかになるとどうなんでしょうねぇ?放送局とか。知っても何の意味も無いのはわかってんですけど、なんとなく興味あるな)

 でもさ、こうゆうのって集めたら集めただけ放送の質上がりましたとかそんな単純なもんなの?

「ないでしょうねぇ。量と質は関係ないっすよ。」

 あ、やっぱり。

「ウチとかですと『必要になってから』慌てて探すパターンがほとんどですから(笑)。でもそれ位でもちょうどいいもんなのかもしれませんよ。実際のお話としては、 素材集を使うことと、外までレコーダー持って録音しにいったりとか半々ですね。 PowerBook背負ってテレビの前に持っていって取るとか(笑)。」

 なーるほどねぇ。

★「間」のおはなし。

 今回はインターネットフォン、という部分にもかなりウェイトかけて説明させてもらったんですけど。全部が全部インターネットフォンを使ってる訳じゃないんですよね?現にこれを取材させてもらった当日はきやま氏五代氏両名揃い踏みしてた訳で。

「そですね。ショートコントとかの方はまだまだ実際顔会わせて直接録音してるのがほとんどです。」

 ショートコントとかで会話と会話の「間」を調節するのは・・・

「無理です。コンマ何秒どころか、0.0何秒の調節になっちゃうんじゃないですかね?」

 だよなぁ。

「フリートークとかではこれは案外ラク、というと語弊あるんですけど、案外間をずらすことで逆に可笑しさを演出することはできますからね。。一方ショートコントとかですと『練り込み』てのが入りますから難しいでしょうねぇ。」

 これに異論挟める人ってそうはいないと思うなぁ。

 聞き手の立場から考えてみても、会話と会話の「間」によって印象ってガラリと変わるもんなんですよ。で、こんなもん機械的に分析できるもんじゃないですわね。このランダムさ加減が逆にネタの面白味というのを広げている訳で。

★収録時間のおはなし。

「あ、そうそう。フリートークがインターネットラジオに向かない理由はもうひとつありましてね。収録時間の問題。」

 あ、そうだそうだ。これ言及するの忘れてた。

 純粋なフリートーク番組を今回の遠隔録音+ミキシングでやろうとするのは無理だとお考えください。いや、できないことはないんですけどね。

「間違いなく編集で泣きます。」

 うん。GOLDENBELLさんの場合、1回の番組は大体10分〜15分。しかもその内の半分はネタ別録りですので、平均すると1回当たりのトーク時間は5〜10分程度。これだけの短さですから1単語単位にディレイ消して他と合わせて、と手の込んだことができるんです。

「もしこれを1時間フリートーク番組でやろうとしたら、まぁ編集で1〜2日潰す覚悟は必要ですねぇ。仕事とか考えたら、常人に耐えられる作業量ではないと思います。それこそ『電話録音した方が早いやん!』の世界ですね。」

 ということだそうです。

 上の「間」の問題と合わせると、インターネット録音だけで満足できるフリートーク番組が作れる日は、まだ当面先のお話になるんでしょうね。

 「あとトークだろうがコントだろうが関係なく、最近思ったことありましてね。」

 お、なんでしょ?

「実際に触ってて最近感じてるんですけど、番組の雰囲気をどう作っていくか、 雰囲気を一定に保つためにどういう打合せが必要なのか、ということにすっごく 気をつかわなきゃいけないし、それを怠ると満足できるものが全くできなくなる こともあるというか。ある意味で今回挙げた内容って技術の面でもノウハウの面でも 「最低ライン」なのかなという気がします。」

 最低ライン、かぁ。「やれるよ」と「いいモン作れるよ」は全くの別物、か。

「つまり、現段階では音質をクリアにして、ディレイを解消することができたのです が、そうすると、今度は『トーク番組は、会話のタイミングだけでは成立たない』と いうことがあらわになってしまった気がします。」

 じゃあこれを今度はどうやって乗り越えていく、か。まだ課題は多いよね。

 まぁもっともこの切り崩しが楽しい訳ですが。

 んではいよいよまとめの方に入りま〜す。


まとめというか感想戦。に進む。
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