・機材(動画)編
さて、こっからはある意味注目している人も多そうな動画編っつーことで。
で、前からハック眺めてた方は「ん?」と思う方もいるのではないかと。そりゃそーですわな。ハック現役期は動画配信に関してはやや否定的な見方してましたから。単純にトラフィックの問題もあったしね。
でも、専用線なんか夢のまた夢、テレホーダイが唯一の節約手段だった当時のこと考えたら今は天国ですわーな。ADSLやケーブルの普及で常時接続なんぞ当たり前。光ファイバーでさえ条件が揃えば個人でも手が出せるとなればそりゃ条件が違ってきますって。
という訳で改めて「動画配信ってどーすんの?」みたいなところを掘り下げてみようかと思いまする。
★動画を含めた全機材構成
くりらじにおいて「動画やってみよっか?」という話が出てきたのは確か去年(2002年)の夏当たり。そこからわなわなと欲求の赴くままに機材を買い足して環境を整えていったのは記憶に新しいところかと思います。
という訳で先程の構成図に動画関係の機材を追加してみました。こんな感じ。
すまんのぉ絵心ないからデカい絵になっちゃってのぉ。
で、基本的には音声系(黒)と動画系(赤)が混じり合ってない、独立したものであるということに着目して下さい。
まぁこれはちょっと考えればすぐ気付くんですけど。意外と動画と言ってしまうと音声もいっしょくたにして考えがちになってしまうんですが。
基本的には音も分割して扱った方がラクなのと同様、動画は動画として独立して扱った方が確実にラクです。
これはつまり、「ラジオの延長線上」として動画を考えた場合、動画を扱うからといって、これまでに構築した音声の環境を取り崩す必要は何ひとつとして無い、ということを表しますよね。
ですので動画を扱うからといって、また無闇に金金金、ということにはならない、ということを改めて念押ししておきます。まぁそれもやり方次第だけどねー。
★くりらじとしての動画ポリシー
という訳で個別の機材の説明・・・に入る前に。
ここでまず予めくりらじが「どうゆうスタンスで動画を扱うか」という点に関して明らかにしておきたいと思います。というのも、一口に動画とは言え、スタンス次第によっては必要な機材も金額もピンキリなんですよ。
という訳でどんな感じなんです?
「そうですねー。基本的に通常の番組としてはあくまでラジオとしての放送がメイン。動画は収録の雰囲気を伝えるというか、あくまで補助的な役割です。現状のトラフィックと照らし合わせて、音声が途切れない範囲まで画質は落として流すので、細かい表情とかを追いかけるのはさすがに無理です。」
とのこと。ふむふむ。んじゃこっから本格的に個別の機材を。
★CCDカメラ
ではまず一番肝心な「動画を撮るための機械」から。
最近はパソコンでもインターネットフォンやチャットの関係で安くCCDカメラが買えるようになりましたが、くりらじでもその例に違わず、このCCDカメラを使用しております。画像にあるのはソニーのCCD-Z1。定価\25,000。これにプラスして、同じくソニーのCCD-PC1(スタンドタイプ)をオークションで・・・という形で揃えています。
*現在ではこの両製品とも生産中止とのこと。
で、くりらじの場合はこれを複数台買ってきまして。スタジオ内の壁にくくりつけたり、各アングルに向けて机に並べたりする形でこれを固定化して置いてあります。
こうした理由としては、
- スペース面からも人員面からも、カメラマン用の人員を割り振ることができない。
- 毎回毎回アングルをセッティングする手間を省略したい。
- 道楽。楽しいから。
とのこと。
「ま、最後のが大きいでしょう。凝り性揃いですから」
だそーです(笑)。
★デジタルビデオカメラ
現在メインで使われているのはCCDカメラですが、補助用としてデジタルビデオカメラの方も常設されています。こちらはYahoo!オークションで安くゲットしたとのこと。CCDカメラ設置前まではこれがメインで使われていました。
今でもスタジオ外や移動時の動画を撮りたい時等にはこちらを使うそうです。ただ、こちらで撮った動画は画質が良すぎてファイルサイズが膨大になってしまうのが悩みどころなので、結局はCCDカメラ並の画質に抑えて使っているということ。
★ビデオミキサー
で。こちらが動画関係ではメインとなる(ならざるを得ない)ビデオミキサー。VIDEONICS製。先の複数台のCCDカメラの切り替えやアングルエフェクト、クロマキーにピクチャーインピクチャー・・・えっとね。その場で説明も聞きましたが。理解しきれない位多機能ですた。単語分からないヤツは調べれ。ひでぇ>俺。
こちらもYahoo!オークション経由で安く仕入れたとのことなんですが。それでも10万近くの出費だったそうで。くりらじご自慢の一品。
えーとね。一言言っていいかい?
あんたら懲り過ぎ。雰囲気伝えられれば良かったんとちゃうんかい。
「でもやっぱり一台は押さえておきたかった、というのもありまして。例えば単純に手元でアングル選択できる手間は多少金かけてでも省きたかったですし。あと配信の有無別にして凝った映像作りたい場合には、これあるとないとで全然違いますから。」
ふーむなるほどねぇ。さすがに映像絡むと門外漢のこちらとしては口の出しようがないですが。
まぁこれに関しては「どうぞお好きに」としか言えないよなぁ(笑)。CCDカメラ一台だけでそのまんま載っければいいや、という思考の方にはまず不必要な機材でしょうし。とりあえずここではこうゆうのもあるんだよ、程度に捉えて頂ければそれで充分かと。以上。
★ビデオタイトラー
ちょっとここらで小休止。
こちらもまぁ必須機材という訳ではないんでしょうけど、こちらは比較的安価で手に入りますので、その点では精神的に安心(笑)。
その名の通りビデオ画面に文字とか入れ込んだりするためのものですね。生放送では手書きに丸つけて「これー」って指し示したりするのに活躍しておりました。
でこれ、例えばビデオ使ってプレゼンしようとするときとかにあると結構重宝するよ。棒切れとかで指し示すよりもわかりやすいし。パソコンの場合でもパソコンとプロジェクターの間に挟むことで、喋り手がパソコン触らずにあれやこれやと書き足しできたりするんで。PowerPoint等のプレゼン系ソフトとビデオタイトラーの組み合わせって結構強力なの。
動画とはちょいと離れるかもしれないけど、興味ある方は探してみてはいかがでしょーか。ということで。
★ライブ配信
さて。いよいよ核心。むしろ関心があるのは俄然こちらでせう。撮った動画をいかにしてネット上まで送っていくか。という訳でこちらも見せて頂きました。
まずビデオミキサーを通じて作成された動画は一旦備え付けのWindowsマシン(PenIII450:ビデオキャプチャーカード付き)に送られます。
同じ写真使い回してすまん(笑)。こちらの左側が動画処理用のマシンモニター。
エンコードに使用しているのはお馴染みRealProducer。ここで音声の方と一緒にエンコードされ、ADSL回線を通じてライブ配信用サーバ(こちらにはRealServerインストール済、実際にはこのサーバが各クライアントへの配信を行います)に転送されます。
<補足>ここではRealProducer/Serverを基に説明を行っていますが、2003年3月時点において、HelixProducer/Serverへの配布変更にともない、公開/販売の終了がアナウンスされております(参考:RealSystemServer/Proxy8.0x販売終了及び製品同梱物変更のお知らせ)。従って実際に試みる場合はそれぞれHelixProducer/Serverに置き換えた上でご覧ください。
で、ここで注意点なんですけど。ここでやってるのはあくまでライブ配信用のエンコードだけで、オンデマンド用の画像は保存していない、という点に注意してください。
つまりLiveで流したら終わり、の一回こっきり保存無し。
この辺は動画始めた頃のくりらじ聴いてた(見てた)方ならご存じだと思うのですが。当初はオンデマンド用にも画像を用意しようとしていたのですが、
- エンコードに時間がかかり過ぎる。泣くほど遅い。
- エンコードされたファイルがでかい。とてもDLさせられる量じゃない。
以上の理由により断念したとのこと。そりゃそーですわーな。要は動画ファイルそのものを作成してるってことなんだから。
これでは本来の番組収録にも支障が出る、ということで、保存をやめ、画質を落とし・・・の試行錯誤の末現在の形に落ち着いたとのこと。
「この辺は苦労しましたです。音声途切れちゃうからと本番途中で設定変えたりとか」
だそーです。なるほど、それで画像ぶつ切りになったりしてたのか(笑)。
★この章まとめ
という訳で以上ざっと動画関係を追っかけてみたのですが。
くりらじの場合ですと、どうしても凝り性が多い関係上、ここまで広がってしまう訳ですが(笑)、個人単位で、画質に拘らずかつ人数も限られていいのであればそれでいーや的趣向であれば、USB接続カメラ1台とRealProducerBasic(現在のHelixProducerBasic)、それにそこそこ速い常時接続さえあれば、どうにかこうにか中継はできてしまう訳で。という訳で興味のある方は部分的なところだけでもひっこぬいて試してみては如何でしょーか、ということにしておきまする。
いやー時代は変わったもんだのー。感傷に浸ってどーする>俺。
まぁ実際の所、動画とかLive配信とかに対するユーザ側の希望ってのは今後もどんどん増えていくんだろうな、と。それに伴い「作りたい」と思う側の人も増えてくるんではないかと。その辺は誰にだって予測できることなんだと思いますけど。
じゃあその「作りたい」に伴ってどこまで設備整えていけばいいか、ぶっちゃけた話をすればどれだけ金使えばいいのか、というのは難しいよねー。なにせ確固たるガイドラインがある訳でもないし。むやみやたらに機材買い足せる資金力なんて通常ありゃしないし。そもそも放送局のまねごとでバカバカ機材買い足せる位だったら苦労しねーっつーの。誰に愚痴ってんだ俺。
ド直球に言っちゃいますけど、未だにもって「どこまでならどこまで」的な指針は未だ見切れていませんわ。なんとなーくまだボヤかかってます。
まぁそれだけにこの分野には、例えばプラモデル組み立てるような「構築するそのものの楽しみ」が残ってる分野なのかもしれないですわーね。くりらじの機材見せてもらってる中でそんなことを思ったりしました。
今後インディーズの制作側が増えると同時にこの辺のノウハウも蓄積されていくのではないでしょーか、と思ってます。
それからの話なのかもしれませんね、質の勝負とかは。