参考文献リスト兼感想集(お勧め編)
という訳でここでは、わすが失業にあたって(いやなきっかけだな)読み漁ってた本とかをご紹介しますです。どうやら他人に聞いて回る限り、こうゆうプロセス開発本とかの類って「よくわからん」「所詮理想論」「そんな暇あったら仕事しろ」的な扱いをされてるみたいですのでその啓蒙も兼ねて・・・ヤな周りに囲まれてたんだな俺。
当然のことながら、私も以下の本には相当影響を受けてますし感化されてます。逆を言えば、これらの本をしっかり読み解いてくれれば、何も私がいちいち文章を起こす必要も無い訳で。あ、これは禁句か。
まぁそんな訳で以下どんぞ。
(*以下めんどくさいので(コラ)、ここでの表記はタイトルのみとさせて頂きました。著者/訳者/出版社/価格等は各書籍に張ってあるリンク先にてご確認くださいませ。なお、リンクにはアマゾンのアソシエイトプログラムを使用しております)
【神】
・ピープルウエア 第2版 − ヤル気こそプロジェクト成功の鍵
聖書。理由もクソもあるか。とにかく読め。読まないなら死ね。
終わり。終わるな。
まぁどうにもこうにも私の考え方のベースです。逆を言えばこの本に共感できないという人は、私の文章読んでも怒りがこみ上げてくるだけだと思いますので、そうゆう人は早急に立ち去ることをお勧めします。それ位影響を受けた本。
関心空間にも感想上げてありますのでご参考に。
【デマルコ関連】
これも本当は神扱いしたいんですけど、あんまり神神言ってるとどこぞの宗教と間違えられるんで(でも反デマルコ層にしてみたら私は宗教モンみたいに見えるんだろうなー)。
デマルコ三部作の最終巻。ゆとりがあるからこそ人は効率的に動けるんだよ、ということを訥々と語ってます。特に経営層や管理層等「人をコントロールする」側に立つ人は必須。普段やってることが、いかに非効率的で高リスクであるか、ということを思い知らされる本です。
関心空間版感想はこちら。
デマルコ三部作の二作目。小説仕立てになっておりまして、いかにプロジェクトに関わる者がデスマーチに立ち向かうかの奮闘を描いた活劇小説となっております(笑)。
ストーリー仕立てになってる分、頭の中にはスッと入ってくると思いますので、この手のが好きな人はこちらもどうぞ。
関心空間感想はこちら。
デマルコ3部作にすっかり陶酔させられた方はこちらのボーナストラック(笑)をどんぞ。いわゆる論文・エッセイ集になっておりまして。比較的さっくりと読めます。
関心空間感想はこちら。
【XP関連(2009年版)】
で、結局XPって何?という場合はまず以下をあたってくだされ。
・アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~
こちらでも軽く触れてはいるんですけど。よくよく考えたら、「アジャイルってなーに?」な人、かつそれなりに既存の開発現場で泥水啜った、あるいは血反吐を吐いた経験のある人なら、案外この本から入って貰うのが一番わかりやすいのかな?と思う次第。
どうしてもXPの場合ペアプロ、TDD、常時結合といった開発側からの特徴が目に入りがちで、かつ特異に見られるが故に嫌悪される・・・的なところがあるんですけど。そっから入るよりは、現時点既に地に堕ちていると言っても過言では無い計画や見積りといったところにメスを入れつつ始める方がいいのかなぁということを考えるんですよね。
特に「要求」つー雲を掴むよりも難しい曖昧なものを、ストーリーにチャンクダウンしていく技法に関しては今のところこの本の右に出るものは無いと思われます。読んだ上でかつ、「練習」しておくと、いざという時に突然役に立つことがあるやもしれませぬ。
・アート・オブ・アジャイル デベロップメント ―組織を成功に導くエクストリームプログラミング
んでもって本格的にXPを網羅したい、と思えるようになったらこれかなと。書籍というよりはカタログ、もしくは辞典と言った趣きとなっております。その分幾分通読するには辛いものもあるんですけど。これまでにXPにて登場した概念のほぼ全てがここには記載されています。特定の用語に詰まったらこれで調べれと。まぁ従来のピンク本(後述)の2009年版と思って頂くのが一番わかりやすいかと。
忙しい、もしくは本読んでる暇あったら寝たい程に追い込まれてる方は、まずp.21-p.22に載っているプラクティス一覧を黙読し、疑問符が浮かんだプラクティスから読み込んでいくのが吉。
・アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣 あともう一冊、ボーナストラック的に挙げるとするならばこれかなぁと。上二冊が概念的なものの説明とするならば、こちらはもちっと具体的というかハック的というか。もうちょっと言うなら現場の知恵集みたいなもんです。
上二冊を読んでからこれ読むと、随分とさくさくと読める筈ですので。己のアジャイル適応度を確かめる意味合いでも一度通読しておくとよろしいかと思われます。
【XP関連(2007年以前版】
こっちはいわゆる「原典」の紹介になります。ここから下の本のいくつかは既に入手困難かもしれません。予めご了承を。
・XPエクストリーム・プログラミング導入編 ― XP実践の手引き
つー訳でここからはXP関連なんですが。実質的な一冊目としては私はこちらをお勧めしますです。導入編、通称ピンク本。ヤな通称だな。
特に自らがPG/SEの立場で、自発的にXPを模索しておきたいんであれば、とりあえずこれは読んでおけ。ほぼ命令。
各プラクティスを具体的にどう実行していくか、それらのプラクティスにはどうゆう意図がこめられているのか(←重要)を把握していくには多分今でもこの本がベストなんじゃないかと思います。
この本結構厚いです。計348ページ。でも読み出すと案外サクサクと読み進められます。今の自分の現場とのギャップと照らし合わせながら読むと効果高いんではないかと。とりあえずXPを実際に運用するにあたっての正常系はほぼこれで押さえることができるんじゃないでしょうかね?
ここで「ん?正常系?」と思った貴方は賢いです。この辺は後述。
・XPエクストリーム・プログラミング適用編―ビジネスで勝つためのXP
という訳で「異常系」を抑えるためにお勧めしたいのがこれ。
XPってのがあるんだってへぇそりゃいいねぇんじゃすぐやろー、とトントン拍子で採用されるなんてことは、企業組織の中ではまずあり得ない(断定)訳で。XPを握りつぶそうと企む抵抗勢力な糞蛆虫共をいかにして踏み潰すかを伝授してます。そんな本です。ひでぇ表現だな>俺。
あと、外部の敵だけではなく、内部の敵、つまり自分たちが道を逸れそうになった時、いかにして修正を計るかという部分に関しても、たっぷりとページを費やしています。
うん、これお勧めしますよ。読むと現実とのギャップに辟易して気分ローになりますけど(笑)。そんでもお勧め。
これ読んで思うのが、XP語られる場合に、とかく日本の商習慣だとか日本の法律だとか、「日本だから」つー部分が強調されたりすることが多いんですけど。これ読むとジャップだろーがメリケン毛唐だろーが、生身の人間の考える発想、特に拒否反応を起こす時の感情パターンに関しては、そうたいして変わらないんだろーな、ってことでした。作者のケンさんにロイさん、つらいこといっぱいあったんだろーな(^^;;;;。
そんな人間模様が垣間見られる本でもあったりします。
・XPエクストリームプログラミング懐疑編―XPはソフトウェア開発の救世主たりえるのか
プログラミング適用編と同じく「異常系」を扱ったものなのですが。こちらはXPシリーズ全体を他のプロセス(従来、アジャイル問わず)と比較することによってXPの長所・短所を洗い出そう、という主旨になっています。ややアカデミック寄り。
で、「懐疑編」の名が示すようにピートさん、結構手厳しいです(笑)。これXPシリーズの名つけて良かったんか?てな感じで。
この本の役目はただひとつ。理想論に浮かれた頭に冷水ぶっかけて冷静さを取り戻すこと。それだけです。でも十分に意味があります。時として盲信は、驚異的なパワーをもたらす一方で、一歩道を踏み外すことで暴徒と化してしまう危険性を孕んでいます。これを認知した上で、冷静にプロセスを選択しメリットを享受していきましょうと。そんな本ですね。
ですので、これ読むのは、ある程度XPの概念が把握できて、かつこれを上司なり同僚なりにプレゼンしていこう・・・とする直前。このあたりが一番ちょうどいいのではないかと。
・図解入門 よくわかる最新XPエクストリームプログラミングの基本と仕組み―多様化する開発条件に対応するソフトウェア開発手法(How‐nual Visual Guide Book)
で、オチとしてこれを。オチかよ。
「結局XPってなんじゃーい!」とダダこねてるお馬鹿な上司さんとかにはこちらを勧めておきましょう(笑)。なんだかんだでさっくりとXP抑えるにはこれが一番適してるのかな?と感じる次第。
なんなら自腹切って重要な上司にプレゼントして読ませるなんてのもアリかも(笑)。
【現状把握のために】
デスマーチデスマーチ言うけど結局長く働いてるだけじゃ ねーかそれ如きで何を泣き言言ってんだこの怠け者が、とか抜かすボケナスには とりあえずこの本のカドで50回位顔面ボコってから強制朗読させた上で レポート提出させたい、そんな本です。どんな本だ。お勧め。
無理な人件費削減や効率性偏重に走った結果、現在アメリカにおけるホワイトカラーがいかに悲惨な労働条件や将来の無保証に晒されてるか、ということを克明に 生々しく描いたレポートです。
サブタイトルこそ「アメリカ人」と書いてますけど、現在のデスマーチ現場で 繰り広げられる惨状はこの本に書かれていることそのまんまです。部外者 (特に異業種の人とか、デスマに人質取られてる家族とか)がデスマーチの 現状を肌で理解するのに、これ以上の本は無いです。 なぜデスマーチがデスマーチ(死の行進)と呼ばれているかを 理解するには、格好のテキストです。
これ以上惨事を連鎖させないためにも今を知れ。絶対に読め。
関心空間版感想はこちら。
・「ITエンジニアの「心の病」―技術者がとりつかれやすい30の疾患」。
詳細はこちらにて。2005年現在、IT業界におけるメンタルヘルスに関して、これよりまとまってる本を私は知りません(あったら教えてくれ)。特に第1章は必読。
・デキるヤツほどウツになる―ビジネスマンのためのメンタルケア読本
本屋でなんとなくタイトル買いしたんですけど、意外に良かったので紹介。
もはや切っても切り離せなくなったリーマンとウツ(鬱病)の関係を書き記してます。自分がウツになったとき、周り(同僚や部下、上司)がなったとき、その周りの対処法、治療法やその心構え、etc。
まず、著者も書いてある通り「ウツをバカにするヤツにデキるヤツはいない」の主張に全面的に同意。その上で「病気としてのウツにたいしてどう向き合うか」というノウハウに耳を傾けておくのは、自分がウツかそうでないかに関わらず意味のあることだと思います。
で、さらに言うならば。PG/SEの世界では間違いなく、この本で挙げられているような状況は既に蔓延していますし、今後もさらに悪化する一方だと思ってます。これは予言として言い切っておく。デキるヤツはもちろんのこと、デキないヤツまでもが総崩れしていく最悪のケースですら、もはや現実的だと思ってます。悪いけどこの点に関しては現状はとことん悲観的。
先に挙げた「窒息するオフィス」に書かれている惨状の結果のひとつが、この本に書かれているメンタルモラルの大崩壊にも繋がっていくであろうことは予想に難くないです。
そうならないためにも。やっぱ変えられるところから変えていかないといかんぜホントに。
【その他システム開発関連】
・ソフトウェア職人気質―人を育て、システム開発を成功へと導くための重要キーワード(Professional Computing Series)
やはりこれは押さえておいて欲しいかなぁ、ということで。XP懐疑編の作者さんでもあります。
この本に関しては別途文章したのでそちらをご参照くだされ。今となっては「ピープルウェア」に次ぐ私のベースかもしんない。
関心空間版感想はこちら。
ある種定番。いわゆる「達人」にあたるような人達がどのような指向でモノを作り上げていくか・・・のノウハウに着眼した本です。
感想。とりあえず読んどけ。
ただいっこ注意があって。始めから終わりまでを通して熟読しようとすると、結構脳みそがしんどいです。章どころか節単位でもぼんぼん話飛びますし、これ書いた著者自身、「こんな多岐に渡る内容全部書ききれるかボケ!(意訳)」と言ってる位ですので、一冊の内容をそのまま受け取ろうとすると、多分オーバーフロー起こします。
ですのでお勧めとしてはまず「わからんところはトバしてしまえ」位の気持ちで構わないので、ばんばんページをめくる。興味ある節になったら速度落として熟読・・・といった感じでの「拾い読み」をお勧めします。
で、一回読み終えたらしばらく寝かして、また読み返す。そうすると、前回は読み飛ばした章に今回は目が止まる・・・といったことが起こりますので。この感覚は結構新鮮です。
書いてあることに関しては保証します。俺程度のうすっぺらい保証だけどな(^^;;;。そんでも、手元とはいわずとも枕元に置いといていい位の価値はあるんじゃないですかね?
OOをまだ完全に会得できてない私としては、今の時点でこれを出すにはおこがましい部分もあるんですけど。それでも出しておこうと思いまする。
リファクタリング。豚のエサにもならないような糞コードを、動きを変えないままに改善するテクニック(言い過ぎ)。XPの中でも絶対に欠かすことは許されない必須プラクティス。
その具体的手法/パターンをこれでもかとばかりに羅列させたのがこの本です。
で、この本使える。つーか体験談として使えた(笑)。
確かにこの本の内容にはOOありき的なものもあるんですけど、OOに限らない「もっと根本的なもの」というのも多数収録されてるんですよ。いわゆる「匂うコード」ってヤツです。普段何気なくコーディングしてることが実は匂いの発生源に、なんてことも実は結構あったりする。
具体的にそれは何を示すのか、どうやってそれを除去していくのか。その道しるべ的な本になると思います。XP本読んでるとところどころに「巻末の匂うコード一覧を壁に貼った」なんて記述が出てきますけど、なんかわかるよーな気がする。
言語としてはJavaを対象としていますが、Javaわからずともこの本読んでみるのも悪くないと思うぞ。むしろこの本読むためにJava勉強すれ(笑)。そんな脅しもできる本なのではないかと。
・ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法
ファシリテーション自体は私の専門外なんですけど、単純に考えをまとめる、視覚化する、見極めるといった目的において、道具として使える所も多いので、参考文献として挙げておきます。興味ある方はご参照を。XP的には、ストーリーカードに落とし込むにはデカ過ぎる、そのクセ他の人とも協調や同意が必要となる・・・てな時には武器になりえる、かも。
・エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方
日本からWord/Excelがなくなれば日本のGDPは3%上がると本気で思っている差別主義者の私がこれを紹介するのもヘンな話なんですけど。どうしてもWordで書かないとクビになる世間から抹殺される、そこまで追いこまれてしまった時のためにってことで(^^;;;。
まぁ要はWordの解説本なんですけど、多分「私パソコン得意ですよえっへん」と胸張ってる人の中でこの本の内容を理解できる人って30人に1人いるかいないかだと思います(私も怪しい)。それ位ある意味マニアック。あるいはキチガイ。
それでも、どうせ嫌々Word触らざるを得ないのであれば、これ位はやっていいんじゃねぇの?という意味合いで。ストーリーカードに「○○○のドキュメントを作成する」というストーリーが出てくる可能性だってある訳ですしね・・・。まぁ少し位は現実にも向き合いましょうや(わかったか>俺)。
【システムには直接関係は無いけども】
本屋とか行くとビジネス書の、それも「自己啓発」とか言うジャンルの場所に置いて あったりして、幾分うさんくさいイメージもつきまとうんですが。
いや、この本いいですよ実際。数多の自己開発本にありがちな、
- しつこい
- 押しつけがましい
- 人を小バカにした文体
こうゆう要素とは無縁なんで。それはそれで偏見だろうという説もありますが 気にしない方向で。
というのも、この本、実際には細かいアドバイスがずらずら〜、と並んでるんですよね。 見出しの項目数だけで33。一凡人がこれらすべていっぺんに実行するなんて、この時点で まず物理的に無理なんですわ(笑)。従って必然的に「できることからやる」方向に進まざるを 得なくなると。
ですので、この手の本にありがちな「強制されてる感」はこの本では感じませんね。 むしろ「これ位ならできそうだよなぁ」と気構えずにできる、その辺が読んでて フィットした理由なのかな、と。
まぁこの本売れてるみたいなので、本屋行けばまず手に取ることができると思います。 とりあえず手に取ってパラパラとめくり、「あ、これ使えそう」というのがあれば ご購入・・・てのが一番自然かな?既に日々の生活が破綻してるPG/SEにとっては ある意味聖書のように読めるかもしれませんってのは言い過ぎか(笑)。
あ、そうそうひとつ注意点。 この本の続編として「シンプル・シンキング 単純に生きる100のヒント」という本が 出ておりますが、これは一切無視の方向でよろしく。 こちらうって変わって読むだけ時間の無駄にしかならない、 3年に1冊出るか出ないかの超糞本ですので。くれぐれもお間違いなきよう。
同じく続編の「「幸せ時間」ですべてうまくいく!」は・・・まぁ好きな人だけ 読めばいいかな、と。フローに関する説明とかはあるんですけど、特に無理して 読む必要も無いわ(笑)。
・モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語
ことあるごとにお勧めしておりますが、ここでも出しておきます。ミヒャエル・エンデの代表作であり、不朽の名作。元々児童書なのでルビもふってあり、読むには困りません(笑)。
ストーリー等に関しては一切触れません。実際に読んでみてください。
いろいろと「考える」ことができるはずです。話すこと。聞くこと。 時間のこと。無駄。効率。仕事。遊び。やりがい。見返り。その他いろんなこと。
つーかだな。ありもしない「銀の弾丸」追い求めてる暇があったら、 まずこの本読んで己見直すところから始めやがれボケ。なんでケンカ腰なんだ>俺。
【死神】
・SEの処世術核弾頭レベルの「逆」SE本。死ねます。詳しくはこちら。
買って読まれることを激しく推奨。そしてどうすればこんなことにやらずに済むのか、 考えていきましょう。
〜〜〜以下、暇を見つけては追加しまーす。〜〜〜